現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

クレイ視点。誕生日おめでとう。ジャンヌ

今日はジャンヌの誕生日だ。実際には違うと思うが、ジャンヌは記憶を失っているのでライラがジャンヌを見つけた日が仮の誕生日だ。

「ジャンヌの誕生日パーティーの準備を早急に行おう」

気がつかれるわけには行かないので、当日に準備を開始する。

「くれぐれも気がつかれないようにね。兄さん」

兄さんに限って失敗するとは思わないけど、一応忠告して部屋を出る。

僕は自分の部屋に戻ろうとトイレの前を歩いていたら、トイレからジャンヌが出てきた。

「逃げよう……」

「なにから逃げるんだい?」

「ひぇっ!」

と悲鳴をあげるともの凄い速度で逃げてしまった。

「えっ!?ジャンヌ?どうしたの?」

何があったかは知らないが、今日は誕生日パーティーの日だ。追いかけよう。

……
………
…………

「はぁ…はぁ…はぁ」

「やっと追いついた。ダメだよ、今日は大切な日なんだからどこかに行ったら」

なんでそんなに怯えているんだろう?疲れてるだけかな?

「疲れてるなら僕が運ぶよ。行こう」

ふぅ、にしても僕も結構疲れたな。強化魔法で筋力を上げてるのか、僕とほぼ同じ速度で走ってたし。妨害に使用した魔法も凄まじい物だった。エリックさんの教育はやっぱり素晴らしいね。

……
………
…………

パーティー会場の扉の前に着く。

「着いたよジャンヌ。兄さん開けてくれ」

ジャンヌ喜んでくれるかな?

扉が開かれたと同時に鳴り響く拍手

「誕生日おめでとう!ジャンヌ!」

「ふぇえ?」

ジャンヌが僕の腕の中で震えてる

「ジャンヌ?泣いてるの?」

「泣いてなんかいません!」

泣くほど喜んでくれたなら僕は幸せだよ。

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