現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

ランチメニューが4時くらいまであるお店あるけど、それはもはやランチではないと思う

王様と会ってから1週間が経った。

最終的にはクレイの提案で俺はエリックというこの国最高の魔法使いに師事するのが良いということになった。
勝手に決められたのは癪にさわるが、せっかく魔法がめちゃくちゃ得意な体に転生させてもらったんだし、魔法も気になるから素直に弟子入りしようと思う。
そう考えながら今日も今日とて朝から兵士さんの部屋を回りお弁当に配る仕事のお手伝いさ!(キリッ

「ジャンヌちゃん今日もかわいいねー」

「冗談がお上手ですねー、お弁当どうぞ」

ふっ、この手の口説き文句は聞き飽きたからな。あしらうのも上手くなるってもんよ

「そういえば副団長が朝からエリックさんにジャンヌちゃんのこと頼みに行くって言ってたぜ」

「本当ですか!」

ふっふっふ、これで俺もついに魔法使いってわけか
ちなみに言っておくと俺は童貞じゃない。

……
………

ごめん嘘、童貞。だけど30歳じゃないからセーフやで

さて、この部屋にお弁当を届けるのが一番気が重くなる。という場所に到着したよ。
覚悟を決めて扉を開ける

がちゃ

「おはよう!ジャンヌさん!毎朝貴方の美しい姿が見れて僕はとても幸せさ!そして僕は貴方と食事を一緒に出来たらもっと幸せになれる。後悔はさせない。まずはランチからどうですか?」

がちゃ

はぁ⤵︎、新米兵士の口説き文句とはレベルが違うわ。体は女だけど心は男の子だからそこそこ拷問だぞ

「いきなり扉を閉めるだなんて、シャイなんだね。ジャンヌさん」

「ひっ!」

こいつ!いつの間に

「ランチの件どうかな?僕はそれなりに忙しい身だけど、ジャンヌさんがOKしてくれたらいつだって予定空けますよ」

「クレイさん、私は今王国内でも微妙な立場ですし、記憶もないのでその事についてはお答えしかねます」

とりあえず当たり障りのない言葉で断ろう

「そうですか…それは残念です。ではまた今度の機会に」

お、おい…そんな悲しそうな顔するなよ。特に理由もないのに断った俺が悪いみたいじゃん

「ご、ごめんなさい」

勝手に謝罪の言葉が出てしまった。

「いえ、ジャンヌさんの言う通りですから、記憶を失われて間もないのにこの様に誘われたら困ってしまいますよね」

や、やめろぉ、そんな目で俺を見るなぁ 

「それでは、執務に戻りますね。ジャンヌさんお弁当ありがとうございます」

「あ、あの!」

仕方ない……なんか罪悪感半端ないからサービスだ。

「わ、私のことはジャンヌでいいですよ。私はお世話になっている身ですから、呼び捨てで構いません」

そう言うとクレイの表情がまるで花が満開になった様にすごい笑顔になった。

「僕は嬉しいよ!ジャンヌ!これで今日も頑張れる!」

「あ、あはは、ガンバッテクダサイネ」

俺は若干後悔してる。

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