貴方に贈る世界の最後に
第1話 始まり
あなたはこの世界のルールを知っている?
あなたはこの世界の真実を知ってしまった。
さあ、あなたはどうするの?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺の名前は、如月悠
顔も性格も普通、だけど、スポーツ全く出来ない運動音痴。
いじめられる側の人間だ、と自分でも思う。
現在、俺は高校2年生だ。
やっぱり普通の高校生活というのは、楽しく、そして自由で、友達と一緒に遊んだり、自分の進路に本気で悩んだり、充実しているものだと思うんだが......
俺はいわゆる"ボッチ"と言うやつになっている。
何もない空を見上げて一人、教室の隅に居るだけ。
学校ではだいたい一人で過ごすことが多い。
まぁ、だいたいと言うのは......
「ねぇ、何を一人でしゃべってるの?」
 
「いや、別に何でも無いぞ」
 
「ふーん、そっか」
そう、こんな俺でも喋りかけてくれる人がいるのだ。
この女性、逢坂沙弥は俺の家のお隣さんで、よく昔に遊んでいた。
つまり、幼馴染と言うやつである。
黒髪のサラサラとした綺麗な髪。肩よりも少し長いくらいで揃えられている。
頭が良くて、さらにスポーツ万能。
俺とは全く逆のタイプの人間だ。
そして10人中10人が可愛いと言うほど容姿は良くて男子のなかでの人気は絶大だ。
そう...男子の中だけ。
何でもできる完璧超人、そして可愛い。
 
でも......可愛い過ぎるからこそ、周りから離なされていく。
まるで、この世界にそんな人間は、居てはいけないと言うように周りの環境が変化する。
この世界では、何かに優れ過ぎていても、俺のように何も出来なさ過ぎる人も、周りから離され、いじめられ、生き辛くなる。
 この教室は、人生の縮図みたいなものだった。
そして、それがこの世界でのルールだった。
 
  一年前のあの日までは......
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一年前のある日、いつものように退屈な学校から帰り、自分の部屋でくつろいでいる。
部屋には必要な物しか置いていなくて、少し質素な部屋だ。
目にはいるのは、勉強机、すかすかの本棚、普通のベッド。
しかし、よくこの部屋には来客が来るのでしっかりと綺麗にしている。
学校での疲れを取ろうと目の前のベットに倒れ込む。
すると、突然、頭に声が響いた。
「全人類に告げる。私は、この世界の神をやっているものだ、突然だか神の為にあなた達、人類には、私達の創った新しいルールのもとで生きて貰う」
と女性の声が響いた。
「は...なんだこれ」
 
俺は、急なことに驚いていた。
まるで耳元で話されているような感覚が残っている。
「そうだな、今から1時間後に、それぞれの部屋に来て貰う。そこで詳しい説明をしよう。それと、抵抗しても無駄なので心の準備をしておくことだ」
そう言って頭の声は消える。
「....何だこれ、意味わかんねーよ」
 
そう俺が部屋で嘆いていると
ガタン、バキッ
と俺の部屋の扉を勢いよく開ける音と壊れる音が聞こえた....
「....あ、ごめん、てへっ」
「お前は....今まで俺の部屋の扉を壊した数を覚えているか?」
「323回。いや、そんなことよりさっk」
「何がそんなことだ、俺がいつもどんな思いでこの扉を直していると...って何で覚えてるんだー」
と、逢坂とのいつものやり取りを終える。
実際、本当に直すのは大変だった、だがもう慣れてしまった。
こんなやり取りももうすぐ一年になるな......と、扉を壊された回数で思ってしまう。
今では、3分で直すことが出来る程に、俺の扉を直す技術は向上していた。
そんな無駄な技術は、いらないのだが......
「それで、さっき聞こえた声って」
「やっぱり逢坂にも聞こえたのか」
「うん。それでこれからどうすればいいと思う?」
「まあ、1時間待つしかないんだよな~、何かがあるにしろ、無いにしろ」
「なんか結構余裕みたいだね」
 
「まぁそうだな」
俺も少しはそう言う知識があったので慌てずにいられた。
と言うより、少しこの状況に興奮していた。
学校での退屈な時間にいつも考えている事だ、何か起こらないかなと、もっと世界は面白くならないかなと。
これから面白い事が起こりそうな予感がする。
男の感は、当てにならないけどな.....
「ふーんそっか、じゃ...じゃあ時間までこの部屋にいてもいい...かな?」
ベットに腰かけている俺をの近くに来て、上目遣いで頼んできた。
俺の心臓は、鼓動を速めている。
ボッチだった俺には、そういう耐性は付いていない。
なんという破壊力。
くっ、本当に可愛い....はっ!
「わ、分かったよ」
少しの間、我を忘れていた。
いつになっても、逢坂とのやり取りは緊張する。
美少女がそんな風にお願いしてきたら、男なら誰でもOKしてしまうだろう。
 そんな感じで、部屋に美少女と二人きりとゆう夢のような
シチュエーションが始まる。
と言っても、特に何かあるわけでもなく
 
雑談をして時間を過ごす。
学校での事、趣味の話、休日の過ごし方。
こんな風に、話せるのもお互いが避けられている存在であるからかも知れない、だから俺は逢坂と接点を持つことが出来たのかな。
...本当に何もなかったよ?椅子に座っている逢坂のアレが見えそうで見えなかったり、俺のベットで転がっている逢坂が無防備なので色々あったりとか...いや、何も無かったよ?
そして1時間後......
「そろそろ、だな」
「そうだね」
何もなかった俺の部屋に異変が起こる。
突然、俺と逢坂のそれぞれの足下に光る魔方陣?みたいなのが出てきた。
バチバチと光を放つその魔法陣は、その輝きを増していく。
いつもの退屈な時間を、ラノベなどのそういうものを読んでいたので多少の知識はあったものの実体験はあるはずも無かった。
そして、さらに輝きが増していく
「うわっ」
 
「きゃあああああ」
一瞬の浮遊感の後、光が部屋を埋め尽くした。
そしてこの時......この世界から全ての人間が居なくなった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目が覚めるとそこは、真っ白な空間だった。
床も白く、汚れひとつ見えない。と言うかそれが地面なのかも分からない。
まるで透明な板の上に居るような、感覚だ。
 
ある程度、この部屋が安全だと言う事が分かってから、思い出す。
逢坂は、無事だろうかと。
俺の部屋には、魔方陣が2つ出ていたから多分、逢坂は別のところに居るのだろうか?
そんな疑問を抱きながら、前を見るとそこには、似合わない豪華な椅子に座った...子供がいた。
派手な赤色をベースにした椅子。椅子の枠の周りには金色の装飾品。
そこに座っていたのは、絹のような金色の髪、大きな青色の綺麗な瞳。
まるで作られた人形のような白い肌。
しかし、まだ顔はぷっくりとしていて、成長しきっていない子供らしさが出ていた。
「おい、人間、今 わたしを子供だと思っただろ」
 
何だこの幼女、俺の考えていることが分かるのか?
「はははは~そう、わたしが神だからなのだ~」
 
そのロリ神は、無い胸を張って笑っている。
「マジかよ、それより、お前は、さっき頭に直接話しかけてきた奴とは、違う神なのか」
そう聞いたのは、明らかにさっき話していた奴とは違った、子供っぽい声だったからだ。
「ロリ神...無い胸...まぁいい、わたしは心が広いのだ...そしてその質問の答えは、正解なのだ。そして、この世界の神はあいつとわたしを含めても、もう3人しかいないのだ。昔はもっといたのだ~、そのせいで...」
「何で少なくなったんだ」
と俺は、当然の疑問をぶつける。
何かをしたから神様が減っていったんだろう?
「それは、人類が何もしなかったからなのだ」
 
「.....は?」
言われた言葉を理解するのに、数秒かかった。
だけど、考えても意味が分からない。
「争いもない、貧困で困っている人間もいない。何も、何も起きない平和な世界.....いや、平和過ぎる世界だったからなのだ」
平和過ぎる世界だと......
「何...言ってるんだ」
 「わたし達はつまらなくなったのだ。毎日同じようなことを繰り返す人間が...だから居なくなったのだ。自分達で創った世界を捨てて別の世界を創り始めた。神達は、変化のある世界の方が好きみたいだからな」
「だから!何言って」
「そして、お前はこの世界でのイレギュラーだ」
「!!」
「この世界はシステム通り動いてるのだ、全て。お前は考えたことは無かったのか?周りの人間がお前を避ける理由を」
俺がイレギュラー?
俺以外の人間が全て決められた動きをしている?
「別にお前だけでも無いのだ。お前の近くにいる人間も同じだ。自分の意思をもって動いている」
俺の近く?...もしかして...逢坂?
その考え付いた答えは正解だったみたいで、ロリ神はうっすらと笑みを浮かべた。
「そして、わたし達は他の神を増やす、いや、戻す為に《ランキング》という新しいルールをこの世界に創ることにしたのだ」
「新しいルールだと」
「そうなのだ、人間の能力を数値に直して、その値が高い順に並べるというものだ」
「何でそんなものを」
「人間達が神達を楽しませる為なのだ、自分の能力が分かった方が面白いだろう?」
 
神はそう答える。
「俺達は、神達の為の玩具かよ」
 
「まぁ、そう言うな、神がいないと世界が終わってしまう。だから面白い世界にしなければならない。それに、こんな事をするんだ、それ相応の褒美を人間にも与えるのだ」
  褒美?だと、ふざけてるのか?
勝手に世界を変えて、その埋め合わせに褒美をやる...か。
俺の心の中では、そんな世界も面白いかも知れないと思ってしまった。
神がくれる褒美。
一体何だろうか?
 
「その褒美っていうのは?」
「《ランキング》で1位になった者には、なんでも一つだけ願いを叶えてやるのだ、ただし1位の座を一年間守り抜いた者だけなのだ」
神はそう言った。
「これで人間達は1位になろうとするのだ。《ランキング》があれば人間は変わると思うのだ。これを始めれば......世界は......」
座っていたはずのロリ神が消える。
目を離していた訳ではないのに、目の前から一瞬で姿を消した。
「ッ!?」
すると突然目の前に現れたロリ神が俺の頭に手を乗せていた。
「ぐっ!?」
同時にバチッっと電気が流れるような痛みを頭に感じた。
頭の中を誰かに覗かれているような感覚が襲ってくる。
「世界は動き始めるのだ」
「くっ...なん...だと」
頭の痛みがまだ引かない中、強制的に何かを引きずり出されるような感じかした。
「これで《ランキング》を見られるようになったのだ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・《ランキング》
      
1位(50憶人中)
   
 
《備考》
あなたは『身体能力』で1位を取りました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺の目の前にはそう書かれた半透明のボードが現れた。
「これは......」
驚愕の真実が写し出されている。
隠していた力がさらけ出されたと、認識した。
「これからの1年間せいぜい頑張るのだな如月 悠、また1年後なのだ」
そう神は笑う。
そしてまた魔方陣の光が足元に現れる。
「待て!!まだ、言いたいことが...」
そこまで、言ったところで、魔法陣の光りは世界を白く塗りつぶした。
気が付くと俺は自分の部屋に戻っていた。
あなたはこの世界の真実を知ってしまった。
さあ、あなたはどうするの?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺の名前は、如月悠
顔も性格も普通、だけど、スポーツ全く出来ない運動音痴。
いじめられる側の人間だ、と自分でも思う。
現在、俺は高校2年生だ。
やっぱり普通の高校生活というのは、楽しく、そして自由で、友達と一緒に遊んだり、自分の進路に本気で悩んだり、充実しているものだと思うんだが......
俺はいわゆる"ボッチ"と言うやつになっている。
何もない空を見上げて一人、教室の隅に居るだけ。
学校ではだいたい一人で過ごすことが多い。
まぁ、だいたいと言うのは......
「ねぇ、何を一人でしゃべってるの?」
 
「いや、別に何でも無いぞ」
 
「ふーん、そっか」
そう、こんな俺でも喋りかけてくれる人がいるのだ。
この女性、逢坂沙弥は俺の家のお隣さんで、よく昔に遊んでいた。
つまり、幼馴染と言うやつである。
黒髪のサラサラとした綺麗な髪。肩よりも少し長いくらいで揃えられている。
頭が良くて、さらにスポーツ万能。
俺とは全く逆のタイプの人間だ。
そして10人中10人が可愛いと言うほど容姿は良くて男子のなかでの人気は絶大だ。
そう...男子の中だけ。
何でもできる完璧超人、そして可愛い。
 
でも......可愛い過ぎるからこそ、周りから離なされていく。
まるで、この世界にそんな人間は、居てはいけないと言うように周りの環境が変化する。
この世界では、何かに優れ過ぎていても、俺のように何も出来なさ過ぎる人も、周りから離され、いじめられ、生き辛くなる。
 この教室は、人生の縮図みたいなものだった。
そして、それがこの世界でのルールだった。
 
  一年前のあの日までは......
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一年前のある日、いつものように退屈な学校から帰り、自分の部屋でくつろいでいる。
部屋には必要な物しか置いていなくて、少し質素な部屋だ。
目にはいるのは、勉強机、すかすかの本棚、普通のベッド。
しかし、よくこの部屋には来客が来るのでしっかりと綺麗にしている。
学校での疲れを取ろうと目の前のベットに倒れ込む。
すると、突然、頭に声が響いた。
「全人類に告げる。私は、この世界の神をやっているものだ、突然だか神の為にあなた達、人類には、私達の創った新しいルールのもとで生きて貰う」
と女性の声が響いた。
「は...なんだこれ」
 
俺は、急なことに驚いていた。
まるで耳元で話されているような感覚が残っている。
「そうだな、今から1時間後に、それぞれの部屋に来て貰う。そこで詳しい説明をしよう。それと、抵抗しても無駄なので心の準備をしておくことだ」
そう言って頭の声は消える。
「....何だこれ、意味わかんねーよ」
 
そう俺が部屋で嘆いていると
ガタン、バキッ
と俺の部屋の扉を勢いよく開ける音と壊れる音が聞こえた....
「....あ、ごめん、てへっ」
「お前は....今まで俺の部屋の扉を壊した数を覚えているか?」
「323回。いや、そんなことよりさっk」
「何がそんなことだ、俺がいつもどんな思いでこの扉を直していると...って何で覚えてるんだー」
と、逢坂とのいつものやり取りを終える。
実際、本当に直すのは大変だった、だがもう慣れてしまった。
こんなやり取りももうすぐ一年になるな......と、扉を壊された回数で思ってしまう。
今では、3分で直すことが出来る程に、俺の扉を直す技術は向上していた。
そんな無駄な技術は、いらないのだが......
「それで、さっき聞こえた声って」
「やっぱり逢坂にも聞こえたのか」
「うん。それでこれからどうすればいいと思う?」
「まあ、1時間待つしかないんだよな~、何かがあるにしろ、無いにしろ」
「なんか結構余裕みたいだね」
 
「まぁそうだな」
俺も少しはそう言う知識があったので慌てずにいられた。
と言うより、少しこの状況に興奮していた。
学校での退屈な時間にいつも考えている事だ、何か起こらないかなと、もっと世界は面白くならないかなと。
これから面白い事が起こりそうな予感がする。
男の感は、当てにならないけどな.....
「ふーんそっか、じゃ...じゃあ時間までこの部屋にいてもいい...かな?」
ベットに腰かけている俺をの近くに来て、上目遣いで頼んできた。
俺の心臓は、鼓動を速めている。
ボッチだった俺には、そういう耐性は付いていない。
なんという破壊力。
くっ、本当に可愛い....はっ!
「わ、分かったよ」
少しの間、我を忘れていた。
いつになっても、逢坂とのやり取りは緊張する。
美少女がそんな風にお願いしてきたら、男なら誰でもOKしてしまうだろう。
 そんな感じで、部屋に美少女と二人きりとゆう夢のような
シチュエーションが始まる。
と言っても、特に何かあるわけでもなく
 
雑談をして時間を過ごす。
学校での事、趣味の話、休日の過ごし方。
こんな風に、話せるのもお互いが避けられている存在であるからかも知れない、だから俺は逢坂と接点を持つことが出来たのかな。
...本当に何もなかったよ?椅子に座っている逢坂のアレが見えそうで見えなかったり、俺のベットで転がっている逢坂が無防備なので色々あったりとか...いや、何も無かったよ?
そして1時間後......
「そろそろ、だな」
「そうだね」
何もなかった俺の部屋に異変が起こる。
突然、俺と逢坂のそれぞれの足下に光る魔方陣?みたいなのが出てきた。
バチバチと光を放つその魔法陣は、その輝きを増していく。
いつもの退屈な時間を、ラノベなどのそういうものを読んでいたので多少の知識はあったものの実体験はあるはずも無かった。
そして、さらに輝きが増していく
「うわっ」
 
「きゃあああああ」
一瞬の浮遊感の後、光が部屋を埋め尽くした。
そしてこの時......この世界から全ての人間が居なくなった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目が覚めるとそこは、真っ白な空間だった。
床も白く、汚れひとつ見えない。と言うかそれが地面なのかも分からない。
まるで透明な板の上に居るような、感覚だ。
 
ある程度、この部屋が安全だと言う事が分かってから、思い出す。
逢坂は、無事だろうかと。
俺の部屋には、魔方陣が2つ出ていたから多分、逢坂は別のところに居るのだろうか?
そんな疑問を抱きながら、前を見るとそこには、似合わない豪華な椅子に座った...子供がいた。
派手な赤色をベースにした椅子。椅子の枠の周りには金色の装飾品。
そこに座っていたのは、絹のような金色の髪、大きな青色の綺麗な瞳。
まるで作られた人形のような白い肌。
しかし、まだ顔はぷっくりとしていて、成長しきっていない子供らしさが出ていた。
「おい、人間、今 わたしを子供だと思っただろ」
 
何だこの幼女、俺の考えていることが分かるのか?
「はははは~そう、わたしが神だからなのだ~」
 
そのロリ神は、無い胸を張って笑っている。
「マジかよ、それより、お前は、さっき頭に直接話しかけてきた奴とは、違う神なのか」
そう聞いたのは、明らかにさっき話していた奴とは違った、子供っぽい声だったからだ。
「ロリ神...無い胸...まぁいい、わたしは心が広いのだ...そしてその質問の答えは、正解なのだ。そして、この世界の神はあいつとわたしを含めても、もう3人しかいないのだ。昔はもっといたのだ~、そのせいで...」
「何で少なくなったんだ」
と俺は、当然の疑問をぶつける。
何かをしたから神様が減っていったんだろう?
「それは、人類が何もしなかったからなのだ」
 
「.....は?」
言われた言葉を理解するのに、数秒かかった。
だけど、考えても意味が分からない。
「争いもない、貧困で困っている人間もいない。何も、何も起きない平和な世界.....いや、平和過ぎる世界だったからなのだ」
平和過ぎる世界だと......
「何...言ってるんだ」
 「わたし達はつまらなくなったのだ。毎日同じようなことを繰り返す人間が...だから居なくなったのだ。自分達で創った世界を捨てて別の世界を創り始めた。神達は、変化のある世界の方が好きみたいだからな」
「だから!何言って」
「そして、お前はこの世界でのイレギュラーだ」
「!!」
「この世界はシステム通り動いてるのだ、全て。お前は考えたことは無かったのか?周りの人間がお前を避ける理由を」
俺がイレギュラー?
俺以外の人間が全て決められた動きをしている?
「別にお前だけでも無いのだ。お前の近くにいる人間も同じだ。自分の意思をもって動いている」
俺の近く?...もしかして...逢坂?
その考え付いた答えは正解だったみたいで、ロリ神はうっすらと笑みを浮かべた。
「そして、わたし達は他の神を増やす、いや、戻す為に《ランキング》という新しいルールをこの世界に創ることにしたのだ」
「新しいルールだと」
「そうなのだ、人間の能力を数値に直して、その値が高い順に並べるというものだ」
「何でそんなものを」
「人間達が神達を楽しませる為なのだ、自分の能力が分かった方が面白いだろう?」
 
神はそう答える。
「俺達は、神達の為の玩具かよ」
 
「まぁ、そう言うな、神がいないと世界が終わってしまう。だから面白い世界にしなければならない。それに、こんな事をするんだ、それ相応の褒美を人間にも与えるのだ」
  褒美?だと、ふざけてるのか?
勝手に世界を変えて、その埋め合わせに褒美をやる...か。
俺の心の中では、そんな世界も面白いかも知れないと思ってしまった。
神がくれる褒美。
一体何だろうか?
 
「その褒美っていうのは?」
「《ランキング》で1位になった者には、なんでも一つだけ願いを叶えてやるのだ、ただし1位の座を一年間守り抜いた者だけなのだ」
神はそう言った。
「これで人間達は1位になろうとするのだ。《ランキング》があれば人間は変わると思うのだ。これを始めれば......世界は......」
座っていたはずのロリ神が消える。
目を離していた訳ではないのに、目の前から一瞬で姿を消した。
「ッ!?」
すると突然目の前に現れたロリ神が俺の頭に手を乗せていた。
「ぐっ!?」
同時にバチッっと電気が流れるような痛みを頭に感じた。
頭の中を誰かに覗かれているような感覚が襲ってくる。
「世界は動き始めるのだ」
「くっ...なん...だと」
頭の痛みがまだ引かない中、強制的に何かを引きずり出されるような感じかした。
「これで《ランキング》を見られるようになったのだ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・《ランキング》
      
1位(50憶人中)
   
 
《備考》
あなたは『身体能力』で1位を取りました。
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俺の目の前にはそう書かれた半透明のボードが現れた。
「これは......」
驚愕の真実が写し出されている。
隠していた力がさらけ出されたと、認識した。
「これからの1年間せいぜい頑張るのだな如月 悠、また1年後なのだ」
そう神は笑う。
そしてまた魔方陣の光が足元に現れる。
「待て!!まだ、言いたいことが...」
そこまで、言ったところで、魔法陣の光りは世界を白く塗りつぶした。
気が付くと俺は自分の部屋に戻っていた。
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