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神の異世界探訪。三。

 あれから、二分後、近くにあった鉄道と言う物の、駅についていた。
 実際、男の集団と別れた場所から、三十歩程度で着く位程度の近さだったのだが、いろいろとハプニングが起こってしまい、かなり遅れてしまった。
 ……別に迷子になったわけではない。

 そして、その鉄道の駅と言う物は地下に埋まりこんでいて、その地下を向こうで言う魔導鉄道のようなもんが走っているらしい。
 しかしながら、この世界では魔法と言う物が存在していないので、何故あんなに高速で走っているのかも理解できない。ライムの説明的には「発電所で発電されている電気を、モーターって部分で電気を運動エネルギーに変換する」らしいのだが、私は良く分からなかった。
 まあ、ライムも理解できていなさそうだったので、そんな状況で私が理解することはかなり難しいと思う。と言うかほぼほぼ無理なのだと思うけど。

 しかも、普通は地下に大きい空間を作るときの問題点と言えば、普通に息ができなくなってしまうと言う事で、その事が有るので向こうでは本当に、地下室なんて貴族や豪商と言った金持ちの人しか持っていなかった。
 向こうの場合だと、魔力石と言う、魔力を入れた石によって解決している。だからこそ、その石の維持費が高いっていう問題だけがある。

 まあ、私にとっては本当に関係のない話なんだけどね。
 ただこの星、地球の一番の弱点は文明が発展し過ぎてしまった事だ。だから、偶像としての神の存在がほとんどなくなってしまい、更には地球破壊の一端を担っている。だから科学文明なって言う星はめったにないんだ。
 科学文明の星で崩壊が星の寿命で起こったところは本当に少ないだろう。だって科学文明には必要不可欠な電気と言う物はどう頑張ってもその星の人口にいきわたらせようとすることは不可能だ。
 まあ、一時的には可能であろう、地球で言う石油、石炭の燃焼時に出てくる熱エネルギーを使い、効率的に発電していても、それ自体が星の崩壊の一歩となっており、そもそも、石炭、石油と言った地下資源は有限で限りなく少ない。だから、何時しか電気をめぐっての争いが起こりそうなことくらいは目に見えてきそうだ。

 まあ、これはほかの星を見て素人的に考えた意見だから間違っているところはかなりあるはずだ。だけど、本当にこの星はかなり脆弱だ。

 それに比べて魔法文明は石炭などを地球での発電時の様に燃焼させることは全くない、精々燃料として使うことくらいだろう。だからこそ、魔法文明の星は文明的には本当に低くなるが星を危険にさらすと言う様な事は無い。だからこそ、ほとんどの星が魔法文明なのだ。


 まあ、そんな事を言ったら、私の星、ロスと言う星は本当に意味不明なくらいにくるっていたと言う事は分かる。
 だって数億年前まで魔法文明と科学文明を合わせたような状態だったのだから。
 勿論、魔法文明と科学文明を合わせた結果、魔導化学、魔導科学、魔導工学、と言う三種類の学問が誕生してしまった。
 それぞれは、魔法の弱点を科学が補い、科学の弱点を魔法が補うと言った、異常な文明になっていた。だから、電気だってもとでなしで半永久的に発電できてしまうから。
 それに魔法を使えば、永久機関ですら生成可能なのだから発電なんて簡単な事だった。

 ただ、問題点は偶像の神と言う存在が、完全に平和になりかけていた結果、必要ではなく完全に形骸化していた。
 しかも、その数億年前のロスの住民たちは完全に私の制御下から離れてしまっていたため、何をしようと完全に放置するしかなくなってきていた。
 そして、本当に賢い人間が、創造物である私に気付いてしまった。もう、その時点で完全に終了なのだ。
 だって、神と言う存在が存在していると分かってしまえば、欲深い人間の事だから神までも自らの支配下にすらしてしまうだろう。まあ、これは信仰心がなくなったところ限定の話だけどね。

 だから私は、その魔導科学文明を完全に消滅させた。
 これ以上、変な事をして、完全に神からも独立する前に。

 ……少し、余計な事を考えすぎちゃったみたいだね。
 もうすぐ目的地だからこんな過去の話をすることは止めよう。お菓子を食べる前にこんな気持ちだったら嫌だしね!


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