クラス転移はts付きで

lime

肆話~状況程感情を変える物は多分無い~

「あぁ、もしかしたらラムは「ボクは関係ないからね~プークスクス」とか言ってるかもしれないから一応言うけど、ラムもだからね?」
(ふぇ!? なんで!? ボク関係ないじゃん!)

 ふふふ、君が僕を挑発するのが悪いんだよ! これが天罰って奴だ! ざまぁみろこの無能野郎!

「あぁ、あともしかしたら今の私の台詞で、ライムが「へっ! 死なば諸共だこの野郎!」とか言う風に思ってるかもしれないけど、実行犯と連帯責任で罰を負わされている者の関係なんだからね? だからライムの方が三倍近く罰を与えるからね?」
「なっ、なんでよ!? 意味が分からないよ! 暴君過ぎるよ! 理由を教えてよ!」

 僕がそんな風に理由を求めたのだが、カシモトの機嫌はさらに悪くなってしまったようで、更に残忍そうな? 狂気的な笑みを浮かべていたのだが、僕にはまったく理由が分からなかった。

「はあ、ライムは私のものなんだよ? それなのにコウタと恋人みたいにして……それが理由だよ? 脳内が空っぽなライムでも分かったかな?」
「空っぽとは何だぁ! ……ごめん、冗談だからね? だから睨むのを一度やめようね? これはジャパニーズジョークって奴だからね?」

 少しだけ本気で言ったのだが、カシモトに睨まれ、その後言うつもりだった「空っぽなのはカシモトだろう!」と言う言葉を飲み込んだ。
 カシモトの眼光は本当にヤバイ。アルスにも睨まれた事は有ったけど、ここまでのものではなかった。本気でアルスでも殺せるような勢いだった。

「ふぇぇ」
「……つまらないジョークは止めようね?」

 僕が少しだけ泣き真似……泣くと、カシモトの機嫌は少しだけましになった。勿論、少しだけ変わった程度では変わりがなく、未だに睨まれている。
 ……何故僕が泣いた時に機嫌が治ったのかは考えなようにしよう。

「じゃあ、今回の持久走で私よりも早かったのならお仕置きじゃなくて、ご褒美をあげよう」

 しかし、そんな事を考えていると、僕を睨んでいた目線はなくなり、代わりに悪戯するような子供の様な目で見てきていた。
 でもカシモトならご褒美と言って……っていう可能性も無きにしも非ずだよね?

「やったぁ! ……って、ご褒美とお仕置きとの比較を聞かせて?」
「うん? お仕置きは機械的で、ご褒美は愛情を入れたの」

 ……何が違うのか僕には良く分からない。
 ただそんなことをしたら、もっとやばいことになるのでやめておく。

「……わかったよ」

 きっと僕が言える言葉はこれだけなのだろう。いやだといったら僕がカシモトの事を、好きではないとか言われて、完全に堕とされてしまうだろう。

「ふふふ、やっぱりライムは素直で可愛いねぇ」

 そんな風に僕に頬ずりしてきたカシモトだが、平時ならうれしいのだが今は地獄のように思えた。

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