クラス転移はts付きで
終~愛程滅茶苦茶な物は多分……と言うか確実にない~
「おし、じゃあ、次の奴ら!」
少し前までは何も感じず、もしかしたらコウタをさらに弄れるチャンスと思っていた、第二走はいつの間にか、処刑台へと続く長い道に感じられる。
……カッコつけて行ってるけど要は絶望しか待っていないって事だ。
「ふふふ~、楽しみだねぇ~♪」
「……」
そして、僕がそう思う原因であるカシモトはすごくニコニコとしていた。それはもう、純粋な笑みの様に見え、カシモトの姿も影響して女神の微笑みのようだった。
勿論、それは客観的にカシモトを形容しただけで、僕からしたら悪魔、もしくは死神の類の、嘲笑にしか見えない。
「なに黙りこくってるの? 一応言うけど、ライムにはお仕置きを受けて貰いたいから」
「君は本当に万年色狂いだね」
僕がそんな事を言うと、カシモトは一瞬だけ残忍な目をしたが、すぐに直していた。
と言うか、僕はカシモトよりも遅く走った方がまだましなことが起きるんじゃないか?
「じゃあ、私は本気を出して走るから頑張ってね?」
「えっ」
そんな、少しだけ不穏な言葉を言い残し、一番先頭に行ってしまった。もしかしたら坊は今日死んでしまうのかもしれない。腹上死とか言う一番情けない死に方で。
そんな人生で一番絶望していると、体育の先生がスターターピストル、リレーの銃を構え始めていた。
「はあ、もう嫌だなぁ」
僕がそう漏らしてしまおうと、コウタにいち早く反応された。
そして急に嘲笑された。きっと、付き合いの長いコウタだから、カシモト関係と言う事が分かったのだろう。凄く、ムカつきます。
(ラム―、出来ればさあ、走り終わった後にカシモトの記憶をちょっと弄って貰いたいんだけど良いかな?)
(はあ、情けない。今の君は世界の男共が夢見るハーレム状態なんだよ? ただ逆レイプされ掛けているだけで)
本当に迷惑な事だ。
僕は別にハーレムなんて望んでないし、そんな言葉だって望んでいなかった。本当に失望した。と言うか絶望した。
絶望し過ぎで流石、希望と絶望の神だと感心してしまった。……あれ? 僕ってラムに絶望しか与えられていないんだけど?
「よーい、どんっ!」
そして、持久走が始まった。
~~~~~~~~~
「はあ、はあ、なんでっ、そんなに早いのさっ!」
結果、男女の差で僕の方が不利なのは初めからわかっていたのだが、タイムは、僕が四分中盤、カシモトは三分中盤と、意味が分からないタイムをたたき出していた。
僕も通常状態で本気を出して走ったのだが、全く追いつけなかった。実際僕も中学生では異常なタイムなのだろうけど、アレは以上だった。次元でも超越したのかと思った。
「そんなの、愛の力に決まってるでしょ」
そんな異常なタイムを叩き出した張本人であるカシモトは、そんな事をほざいているが、意味が分からない。どこかの誰かさんが、「勇気程理不尽な物は……」とか言ってたけど。愛の方が圧倒的に理不尽なんだけど?
(それ以上言及するのならこちらは、武力行使も辞さない考えなんだが?)
何だろうか? 僕の周りには世界の三分の一近くの理不尽があふれているのではないだろうか? もしくは僕は呪われているか、とりあえず最悪だ。
「ふふふ、今日の夜が楽しみだね」
そして翌日、今まで以上にラブラブになった二人を見たものが多発したのか、していないのか、取り合えず書くことと言えば、もう足腰も経たなくなったって事だね。
End
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