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十一話~騎士団程ロリコンな物はない~

 ボクは早速、王都の東門に来ていた。 
 東門には騎士が60人近く居た。 
 さ、さすがに無理じゃないかなぁ? この人たちを全員倒せたら一騎当千レベルの人間でしょ? んう、魔法を使える人を呼ばないと無理じゃないかなぁ? 
 う~ん、どうしよう。……あっ、そう言えばスキルに形状変化だったけ? そんなスキル有ったけど、使ってみるか。 
 
『形状変化、腕』 
 
 そう、頭の中で唱えると、『使用するには、「形状変化」「部位」「形状」という形以外では作動しません』と出てきた……プログラミングとか知らないけど、そういう感じなのかな? じゃあ、もう一回やってみるか、次は、腕を剣みたいな形にしよう。 
 
『形状変化、腕、剣』 
『正常に作動しました。これより実行します、尚、形状変化の出来は使用者の想像で変わるのでご注意ください』 
 
 うぇ⁉ ちょ、想像で出来が変わるって何⁉ じゃ、じゃあ、と、とりあえず、絶対に壊れない聖剣デュランダルでも想像してみるよ。……えっと、形は、とりあえずバスターソードサイズで、重さは五kg位でいいか。別にファンタジーの世界だから適当でいいでしょ。 
 と、ボクは意味不明な考えを持ちつつ、想像しだした。 
 
 すると、腕の形が変わり始めた。そして十秒後ボクの上腕からバスターソードサイズの剣が生えていた。……両手に。 
 ちょ! 解除ってどうやるのこれ⁉ せめて、利き手の右手は解除して、銃を持ちたいんだけど……また唱えればいいのかな? 
 
『形状変化、右腕、剣、解除』 
『正常に作動しました、これより実行します』 
 
 十秒後、右手は、元の折れそうなほどに細い腕になった。 
 ふぃ、もどったぁ。あのまま戻らなかったらどうしようかと思ったよ。 
 あれ? そういえばデュランダルを想像したから壊れないのかな? う~ん、近くに手ごろな岩とかもないからなぁ。あ、デュランダルって確か岩も切れるんだったけ? もう、あやふやだから分からないよぉ。 
 あ、でも腕は隠しておかないとへんな風に目立っちゃうか、う~ん、上着で巻いておこうか……おかしいのは変わってないけど。 
 
「よし、じゃあ行くか、と言っても、正面から行くだけだけどね」 
 
 門に近づくと騎士の人たちが寄ってきた。 
 まあ、寄ってこなかったら逆に可笑しいけどね。 
 
「おいおいお嬢ちゃん、ここに来ちゃ駄目って教わらなかったのかい」 
 
 騎士の一人が言葉は心配しているようだけど厭らしい目線を向けてきた。 
 ていうか、ボクはそんなに子ども扱いされる年でもないんだけど、14歳だし。 
 
「お嬢ちゃんどうしてここに来たのかなぁ」 
 
 そう言い、下卑た笑いをしながら近づいてきた。 
 元々、殺しに来たんだしもうここで殺っちゃって良いよね。野郎に触れられたくもないし。 
 
「それはねぇ~、貴方達を殺しにきたんだよ」 
 
 ボクは、左腕に巻いている上着を取り、そのまま騎士の腹部を狙って突いた。 
 すると、騎士が着ている鎧は簡単に穴が開き、騎士の腹に剣? 腕? が刺さった。 
 
「な、なにが」 
「アルビダ帝国って所が侵攻して来たみたいだから君たちを殺せって命令が出たんだけど、もう死んでるか」 
 
 デュランダルを想像したお陰か分からないけれど、凄い簡単に切れちゃったね。これだったらかなり簡単じゃないかな? 
 
 
 
 ~影華、活動報告~
 
 はあ、フェルちゃんに着いて行ってとかって言われてもこれ絶対に助け出さないと駄目でしょ。幾らあの武器があるからって……十五人居るけど無理でしょ。 
 フェルちゃんのお気に入りは猪突猛進な娘なのかぁ。ちょっと迷惑だなぁ。ずっと見ていいいといけないし、こう言う系の娘は急に突拍子もなく変な行動をするからなぁ。 
 あーあ、フェルちゃんも他の人に任せればって、あの娘何してんの⁉ 
 
 あの娘が路地に入ると、少しの間何もせずに突っ立っていた。すると少しして、両腕の前腕が剣の形に変化した。 
 
 ま、まさかねぇ、体の形状が変化するって、機械種しか居ないけど。……二、三百年前に戦争が起きて絶滅したはずだからねぇ、しかも、向こうの世界には人族しか居ないらしいし。 

 で、でも、フェルちゃんには報告しないといけないからなぁ、でももしあの娘が機械種だったらヤバイよ、中身も凄いらしいけどそれよりも、機械種一人で千二百、二個騎士団程度を屠れるってことのほうがやばいしね、 

 はあ、これから私は化け物疑惑がある娘を観察しないといけないのか。鬱になるわー。


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