クラス転移はts付きで

lime

六話~神程物知りな物はない~

「よし、じゃあ訓練は終わりだ。今日はこれから街に出ても良いしこのまま訓練をしても良いぞ。ただ、十の夜刻(午後十時)には戻っておかないと野宿になるから。じゃあ解散」

 そうすると皆は仲が良い人の周りに行き、街に行くか行かないかを話し出した。勿論、その皆って言うのにはカシモトやシンノスケも入っていてボクも結局三人で街に繰り出すことになった。


「行くとしても汗がヤバイからお風呂入らないとダメでしょ? ボクは先に行ってるからね。絶対に入ってこないでよ!」
「じゃあ、舘? のフロントスペースで集合ね」

 ボクはシンノスケが悪戯をする前にゆっくりとお風呂に浸かりたい、そう言う思いで急いで部屋に向かった。急いで行ったから「あれは、絶対に誘ってるから。シンノスケ、ファイト!」 「そんなこと言わなくても分かってるって!」って言っていたことは聞こえなかった。と言うか聞きたくなかった。因みにお風呂は部屋に一つ有るよ。結構高性能だったよ。
 そうしてお風呂場に着き、ゆったりとしていた。何故かボクが風呂場に入ったあと、30秒後位にシンノスケがやって来たんだけど? ボク、全力疾走したのに。まあいい、シンノスケが早く来たことは良いんだ。ただ、そのあとに……

「ライムの服出しとくねー」

 と何やら不穏なことを言い出した。
 ま、まあ、流石にそこまで可笑しい服は持ってこないと信じたいよ。メイド服とかならまだしもバニーガールの服、何て言うんだ? まあ、だ、大丈夫でしょ。自分で言っていて不安になってきたけど。

 すると突然、シンノスケの独り言が聞こえなくなった。それどころかお風呂の波も凍った様に動かなくなった。そして昨日見た液晶が現れた。

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 ふう、ごめんね。ちょっとこのままじゃ世界を救うどころかこの星で十年生きるのにも支障が出るかもしれないから出てきたよ。
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 液晶には何故急にこんなことを書かれたのかがわからないような内容だった。ていうか、ボクは何をしたって言うんだ⁉ ただボクは、異世界に召喚されて、性犯罪者から逃げて、ヒロセに性犯罪者から助けてもらって。ってボクはこの異世界に来て性犯罪者に襲われすぎでしょ。

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 まあ、あえて言うならこの国に召喚されたことかな。
 ライムは知らないと思うけどアルファス王国は今政府に対しての不信感が高まっているんだ。主な理由としては今の第一騎士団長のルルシア・メル・ニードウェルが暴走しているせいだからだ。まあ、その暴走が見逃されるわけがなく君たちがよく知っているフェルファール・マド・アルファスが対策を考えている。
 ただ、対策が遅すぎたせいで、もうすぐ内乱が起きそうなくらいにはこの王国は崩れかけているんだ。
 因みに、○○・メル、ってのは貴族のことで、○○・マドってのは国王の血が流れている人につくね。国王の血が流れていて貴族の人は○○・マド・メルってなるよ。
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 さ、最悪だぁ! 何でこんな所にボクは召喚されたんだぁ! 
 ……ていうか、この為だけに時間をとめたの? あと、これくらいの事で生きるのに支障をきたすレベルなのか?

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 ただ、詳しい事は民間人は知らないんだよ、つまりは暴走は政府がやっていると思われているんだ。そして君たち勇者の事も政府が召喚した事は知られている。だからライムが外で勇者って言うと人質にされるかもね。
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 ああ、たしかに、じゃあ、勇者って名乗らなければいいんだね。それだけを気をつければいいの?

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 ああ、まあ捕まる未来があるのはライムだけだからほかの人には言わなくてもいいよ。
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 なにさ、その言い方は、失礼過ぎないかい? 神様だからってボクは許さないからねっ!

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 そんなこと言っちゃうんだ、良いもん。ライムに得な事を教えてあげようと思ったけれど教えてあげないよっ!
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 えっ! ちょっ! 子供じゃないんだから拗ねないでよ!

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 いいよぉだ、どうせ私は体も頭も子供っぽいんですよーだ。
 じゃあね。
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 そうやって見るからに拗ねた言葉が書かれた液晶はきえていった。そして波も動き出し時間が動き出した。ふう、ちょっと、頭を回転しすぎてつかれたよぅ。早く街に行って甘いものを食べないとね! 

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