クラス転移はts付きで

lime

二話~ステータス程有ると嬉しい物はない~

 さあ、この場所に来るまでは分かってくれたかな?
 まあ、要するに異世界転移したってことだよ。

「何か、後側に引っ張られる気がするんだけどなぁ? 気のせいかな? …………って! 髪伸びてるぅ⁉」

 僕が頭を左右に動かすと、その動きの応じて長い黒い髪の毛も動いていた。
 どうやらこの髪の毛は僕の髪の毛らしいけど、こんなに長くなかったんだけどなぁ? これも異世界に転移した弊害的なものなのかな? それならあり得る。そう納得……するわけもなく、動揺していた。

「だ、大丈夫だよ、別に胸がないからただ髪が伸びただけかもしれないじゃん!」

 僕はラノベ等であったts、性転換と言うことを即座に思った。しかし、この体は胸がないから、未だ髪が長い男の可能性もある、そう、自分で良いわけをしたが、結局あれを見ないとダメだ。

「……」

 恐る恐る下半身を触ってみると、触り慣れたあの感触がなく、平らなだった。
 つまり、僕は男として地球で生まれ、ほぼほぼ女と扱われ、そして異世界に連れて、完全な女になった、と言うことだ。まあ、元々女扱いだったから対して扱いは変わらないと思うけど。……死にたくなるよ? だって僕、童貞卒業が永遠になくなって、変わりに処女卒業になっちゃうんだよ? 野郎には絶対に犯されたくないよ!
 そう、脳内で文句を言いまくっていると、美少女が話しかけてきた。

「もしかして、そこの泣きそうになってる奴ってライムっ⁉ こ、声が⁉」

 その美少女は赤髪で切れ目が特徴の強気な少女と言う様な見た目だった。ただ、ボクはこんな美少女とは交流もしたこともないから、何故ボクの名前を知っているのか、それが沸き出た疑問だった。

「誰ですか? ボクは貴女みたいな美人さんとははじめて会いましたけど?」
「俺だよ俺! シンノスケだよ!」

 その美人さんはオレなんちゃら詐欺の手法を使って来た。
この人はそういう系の職業の人なの? でも、シンノスケって男だからね? 流石に誰でも嘘だって気付くでしょ?

「あのぅ、シンノスケって男ですよ? 貴方は女性ですよね?」
「何か分からんけど、性転換してた。ライムはなってないか?」

 そう、自称シンノスケの美女さんはボクの股間部分に触れてきた。うん、何を言っているか分からないと思うけど、本当に今そうなっている。ただ、男の時にこういう事をしてもらいたかったな。

「くく、ライムも女になったのか、それも美少女に、くくっ」

 ボクの股を触りまくったあとに、美女さんは個性的な笑いをした。

「あれ? 本当にシンノスケ?」
「ふう、やっと気付いたか」

 言われてみると、シンノスケと同じ様な表情やら、言葉遣いだな、そうボクは納得……するわけもなく、脳内では滅茶苦茶に混乱していた。

「えっと、なんでtsしたn」
「おい、皆向こうに移動してるぞ、俺たちも早く行こう」
「あ、待ってぇ」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 皆についていくと会議室の様な所に着いた。

「さて、じゃあ、あなた達の立ち位置について説明させてもらいます」

 そう発言したのは勇者様をなんたらかんたら言ってた人達の女の人の方だった。まあ、勇者様がなんたらかんたらとかって言ってたから、ボク達は勇者、若しくはそれに近しい扱いにはなるんだろうけどね。

「あなた達は勇者です。そして呼び出した理由としては、今悪魔が統治している国、マフス
を悪魔から奪還してもらいたいんです」
「は、はあ?」
「だから、まずは強さを測らせてもらうよ、魔導水晶を持ってきて」

 女の人はそう言って、手を叩いた。そうすると、メイドさんが、占い師の使う様な水晶持ってきた。この状況から見るに、女の人は結構格が高い人なのかな?

「そこに触れて下さい、その後にステータス、と念じるとステータスが分かります、ではどうぞ」

 ス、ステータスって、あの、ラノベに出てくるあれかっ! という感情が目線から滲み出ているシから始まる人がいるんだけど、……興奮しすぎだって。

「す、すげぇ! 見てみろよこれ!」

 シンノスケが触った水晶には色々と書かれていた。

_______________________________

シンノスケ 種族:人族 女 13歳

適正職業:魔導騎士
 現在職業:魔導騎士

 HP;50
 MP;50
STR;500
MSTR;500
DEF;500
DEX;500
STR;500
INT;500
AGI;500
LUK;50
_______________________________

「ボクも触ってみるね!」

 あんなのを見て興奮しないわけがないじゃないか! そう思い直ぐさま水晶に触った。そして水晶にはこう書かれていた。

_______________________________

ライム 種族:人型(人族)機械種 女 13歳

 適正職業:機甲銃士、機巧技士
 現在職業:機巧技士、機甲銃士、なし
 
 HP;50
 MP;50
STR;500
MSTR;500
DEF;500
DEX;500
STR;500
INT;500
AGI;500
LUK;50

 スキル

 形状変化
_______________________________

「大体同じd」
「ステータスは頭の中でステータス、と念じると見れます。あと、勇者はM,HPとLUKが50でそれ以外が500な筈です、そうじゃない方は居ますか?」

 そう言うと女の人は辺りを見回した。そして例外が居ないことに満足したのか、頷いていた。

「居ないようですね、ではあなた達の部屋を案内しましょう。そしたら今日はもう自由にしていて構いません。じゃあ、行きましょう」

 そう言うと、女の人は立ち上がり、会議室から出ていった。それにボクたちも付いていった。

 ついていくと、色々な豪華な所を通ったりした。流石に、ボクもこの女の人の立場ってどのくらいだろう? そう疑問に思ったボクは質問してみることにした。

「あの、貴女の名前って?」

 ボクがそう言うと女の人は立ち止まり、そして、勢い良く振り返った。その顔は微妙に嬉しそうにしている気がした。

「はあ、このまま名前を教えずになるところだったわ、私の名前はフェルファール、この国、アルファス王国の王女よ。」

 女の人改め、フェルファールさんは王女だったらしい。因みにこの国は王政だったらしい。うん、まあ勇者だからこの待遇は可笑しくはないかもしれないけど、王女様一人でなんて、警戒心が無さすぎると思うんだけど? そうボクが考えていると急にフェルファールさんは頭に手を置いてきた。

「貴女はそんなに浮かれて居ないでしっかりと考えてるんだね。貴女の名前は?」
「ら、ライムですけど?」
「ライムね、覚えておくわ」

 そう言うと、また歩き出した、ボクが名前を聞く前と違うのはボクの頭が撫でられていることだけだった。

「あ、あの」
「フェルで良いわ、それでなにかしら?」
「頭を何故撫でるんですか? あと、やめて欲しいです」

 ボクがそう言うと、フェルさんは少女とかをを誘拐しそうな性犯罪者の様な笑顔をしてボクに語り掛けて来た。

「それは、ライムが可愛いのが悪いのよ」

 フェルさんはそう言ってからボクのお尻を撫でてきた。急にそんなことをされたら驚くのは当たり前でボクは声を出してしまった。

「ひぅっ、せ、セクハラ」

 あぅ~、変な声出しちゃったよぉ。何かシンノスケから笑われてる気がするよぉ。


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