迷宮壊しは、全ての始まり
第17話 成長の迷宮6
一度宿に戻った後は、適度な寝食を取ったのちに再び迷宮へと攻略に戻った。
◆◆
場所は、『成長の迷宮』第8層である。
俺たちは、パーティ『完全封鎖』と第6層の安息地を集合場所として、現在に至る。
「この層は、魔法使ってくるゴブリン、謂わばゴブリンマジシャンが出てくる。なにか聞きたいことはあるか?」
カレンが俺にそう聞いてくる。
「じゃあ二つほど聞かせてもらいます。一つ目に魔法の規模、二つ目に1体のゴブリンマジシャンが扱う魔法の種類を知りたいです」
俺に質問に対する返答はこうだった。
「まとめて話させてもらうと、各個体につき一属性の魔法しか使えないとされている。実際に報告されているのも二属性以上の魔法を扱っていたという事例は一切ない。規模についても、初級魔法、それも小さな球体を飛ばすと言った程度しか使えない。ただ魔法は矢のように武器で切断できないし、それでいて弓矢の速度と大差ないのが注意の及ぶところだ」
大体は予想通りだった。
一箇所、魔法を武器で切断できないと言っていたが、魔力を帯びさせた武器であれば、結果は違うのでは?
そう考えた俺は、ゆとりがあれば是非とも試してみようと考えるのあった。
「また、何か考えていたの? 無理は禁物よ」
どうやら俺の表情で何かを考えていたのを察したらしいコアが、怪しむように目を細めて俺を見た。
「昨日、俺みたいだったコアが言うな」
俺はコアの額を人差し指でつついた。
そんな額をつつかれたコアは、あぅッと目を瞑って、原因である俺を上目遣いで恨めしそうに見ていた。
そんな目で見ても、俺にとっちゃ可愛く見えるだけです!!
──
どうやらこの階層は第7層のゴブリンの構成に類似しているようだった。
弓ゴブリン、正式にはゴブリンアーチャーと言うようだが、それがゴブリンマジシャンに変わった以外は、前衛ゴブリンが相も変わらず存在している。
これは案外楽勝かも
そう思っていた俺は、迷宮の魔物が使う魔法の恐ろしさを理解していなかったのだ。
現在、前方には盾持ちゴブが7体、斥候ゴブが5体、ゴブマジ(あっ、ゴブリンマジシャンのことね)が敵前衛の後方に10体いる。
前衛のゴブリン共と対面して思ったこと。
それはゴブマジに接触させないように上手く立ち回ってくる、ということだ。
そこで俺は疑問に思う。
そんなことをしていたら、ゴブマジは魔法攻撃ができないのでは?
確か、扱える魔法は単発の初級攻撃のみの筈だ。ということは、魔法は一直線にしか飛ばせない。
つまりは、今の立ち位置では、俺達に攻撃できないだろう、ということだ。
だが気にしても仕方が無い。そう、俺は相手の斥候部隊に突っ込むと、何故かゴブマジが魔法を放ってきた。
奴の放った、炎の球体は弓矢の速さで俺の今対峙しているゴブリンの背後を射抜こうと向かっている。
俺は、随分と馬鹿な攻撃をするんだな
そう、口角を上げ笑おうとすると
「アデージュ、横に避けろっ!!」
突如、カレンがそう叫んできた。
俺は理由が分からないながらも、反射的に対峙するゴブリンの剣を押し返して横に跳び避ける。
そして跳ぶ前の場所を見ると驚きの光景を目にしたのだ。
火属性魔法の球体が、今まで対峙していたゴブリンの体をすり抜けたのだ。
俺は思わず、はっ? と口から漏れていた。
意味がわからなかったのだ。魔法が体を通り抜けるなんて有り得ない。
だが、今ならカレンの言葉が分かる。
そう、俺はあそこにいたら見事に魔法の餌食となっていたのだ。
俺が、もしものことを想像し冷や汗をかいていると斥候を倒してきたカレンがこちらに向かって来ていた。
「すまない! こんな大事なことを伝え忘れていた!」
「これはどういう事だ?」
俺は、そうつぶやくように問いかけると衝撃の事実をカレンが口にした。
「迷宮の魔物が放つ魔法は、迷宮産のモノ、魔物、武器、防具とあらゆるもの全てを透過してくるんだ!」
俺と近くに居たコアは唖然とした。確か、コアの管理下だった迷宮には魔法を扱う魔物はいなかったな。なら俺と同様に呆気に取られるのも無理はない。
「今は、その謝罪は後にしよう。奴らも三人で苦戦している」
驚くのも束の間、俺はカレンのパーティメンバーを見据えて発言する。
「っ!! 謝罪は後に!」
そういってカレンはパーティメンバーの所へと駆けていく。
俺達もその背中を追った。
「やはり迷宮は油断ならないな」
「そうだね、気を引き締めていかなきゃ」
コアと、そんな短い会話を交え再びゴブリン達と刃を交える。
コアは、通常通り火の鞭を展開、それで敵を打ち付け始めた。
──此処、迷宮というのは恐ろしい場所である
そう心に刻み込んだ俺は目先の敵へと集中していく。
──
4体のゴブリンが前後左右に位置している。
どうやら時間をくっていたらしく新たなゴブリンが出現していた。
俺はまず前のゴブリンを仕留めようと動き出すと目の前のゴブリンの腹部から魔法が現れた。
俺はとっさに避けると再び奴らの中心部へと戻る。
それを繰り返すこと、何回目なのか分からないが、俺は未だに攻めあぐねていた。
「くっそッ、厄介だなこれは! チッ、『火属性付与』」
思わずそう口にして、切れていた付与を再び掛け直す。何か対策はできないものか。
そう考えて立っていると、いつの間にか前と右の二点から魔法が迫ってきていた。
ヤバいッ、どうする、避けられないッ!
思考を巡らせ、この階層に降りていた時のことを思い出す。
あの時、試そうとしていたのは何だったか?
そう、魔法を魔力を帯びた武器で切断する、だッ!
「チッ、試す他ないかッ!!」
そういって、俺は前に迫った火の球体に空絶輪の刃を向ける。
クッソ、失敗したら終わりだ!
俺は空絶輪の刃で目の前の魔法を切り上げる。魔法の消滅を確認できた俺は、すぐさま前方へと一回転して横から迫る火の球体から回避する。
今、俺は魔法を切れたな……
何とか、最悪の事態を免れた俺は安堵をつく。
そして、ようやく俺は口角を上げた笑みを作り上げることが出来た。勝利への糸口が遂に見えたのだ。
──こっからは、こっちの番だ
俺は、今度は攻めあぐねての突撃ではなく、確実に仕留めるための突撃を開始した。
最初と同じ状況を作り出す。前への突撃。するとまたも、腹部の辺りから火の球が透過して向かってくる。
だが、予定通りだッ!
俺はその火の球を切り上げると、減速せずにそのまま前方のゴブリンの盾と本体の隙間にはを入れ切り上げる。そして怯んだゴブリンはただの雑魚だ。俺は一思いに目の前のゴブリンの首を落とした。
俺は、後方を向きゴブリンを見据える。
──さぁ、蹂躙を始めよう
俺の視線に、ゴブリンが怯えを抱いたのは紛うことなき事実であった。
──
一方、他のメンツも迷宮の魔法の特異性に対処しきれていなかった。
だが、今は違う。
この場における戦い方を、アデージュという男が披露したからだ。
「流石、アディー君!」
コアの声は、苦かったものから一転、弾んだものであった。弾むのも仕方がない。何て言ったって愛する者の戦う姿はやはり魅了されると再確認できたのだから。
そしてその光景から、コアも学ぶ。
「こっちも、魔法で対処すればいいんだ」
私の前に周囲にいるのは盾のみのゴブリンが多く、その後ろに守られるようにゴブリンマジシャンが次々と魔法を放ってきていた。
けれど、もう避ける必要は無いとわかったコアは微笑む。その笑みは、一見穏やかで誰もが見惚れるだろう美しいものだが、彼女を知るものには恐ろしさしか感じさせないだろうものだった。
コアは、相手を覆い尽くすほどの火の壁を展開する。
「今度は、一方的に相手してあげるわっ!」
その後の彼女の戦闘は言うまでもないだろう。
圧倒的な魔法使いの姿。其処には、凄まじいものが秘められていた。
──
「魔法には魔法をぶつけて対処するか……」
「すっごい発想だねぇ」
「でも理にかなっているね」
「凄い戦闘のセンスの持ち主だ」
カレン、ミアリー、スレイ、ダンの順で言葉を紡ぐ。
「それにしても、あの数を一人でって……此処とそう大差ないよ……」
スレイは斥候ゴブリンと剣を交えながら、苦笑いを浮かべそう呟く。
「あっ、コアちゃんも戦い方分かったようだねぇ」
「圧倒的な魔法で全てを潰すか……恐ろしいものだ」
ミアリーとダンも、呆れ気味にそう言葉を紡ぐ。
呆けるのも無理はない。というか、アデージュ達の戦いを見て呆れない方がおかしいのだ。だから、カレンはもう常套句のようにこの言葉を用いる。
「気にするな」と。
「しかし、戦い方は見えた彼の戦い方を参考にし、目の前の敵を殲滅しよう!」
カレンの言葉に、無言の意思でメンバーは応える。
「彼らが一人で出来て、パーティで出来ないなど恥だ! フェアレスト最強パーティ『完全封鎖』の意地のを見せるぞっ!!」
カレンのこの声で、ここにもまた一つ、蹂躙の場が設けられるのだった。
──
やがて、全ての敵を潰し終えると、凄まじい戦闘の音は余韻を残し、静寂を迎えるのであった。
〜アデージュの見解〜
どうやらコブマジも、火属性が使いやすいと分かっていたようで、ファイヤーゴブマジしか出てこなかった。ゴブリンのくせに許すマジッ!!
終わり
──第8層、踏破
◆◆
場所は、『成長の迷宮』第8層である。
俺たちは、パーティ『完全封鎖』と第6層の安息地を集合場所として、現在に至る。
「この層は、魔法使ってくるゴブリン、謂わばゴブリンマジシャンが出てくる。なにか聞きたいことはあるか?」
カレンが俺にそう聞いてくる。
「じゃあ二つほど聞かせてもらいます。一つ目に魔法の規模、二つ目に1体のゴブリンマジシャンが扱う魔法の種類を知りたいです」
俺に質問に対する返答はこうだった。
「まとめて話させてもらうと、各個体につき一属性の魔法しか使えないとされている。実際に報告されているのも二属性以上の魔法を扱っていたという事例は一切ない。規模についても、初級魔法、それも小さな球体を飛ばすと言った程度しか使えない。ただ魔法は矢のように武器で切断できないし、それでいて弓矢の速度と大差ないのが注意の及ぶところだ」
大体は予想通りだった。
一箇所、魔法を武器で切断できないと言っていたが、魔力を帯びさせた武器であれば、結果は違うのでは?
そう考えた俺は、ゆとりがあれば是非とも試してみようと考えるのあった。
「また、何か考えていたの? 無理は禁物よ」
どうやら俺の表情で何かを考えていたのを察したらしいコアが、怪しむように目を細めて俺を見た。
「昨日、俺みたいだったコアが言うな」
俺はコアの額を人差し指でつついた。
そんな額をつつかれたコアは、あぅッと目を瞑って、原因である俺を上目遣いで恨めしそうに見ていた。
そんな目で見ても、俺にとっちゃ可愛く見えるだけです!!
──
どうやらこの階層は第7層のゴブリンの構成に類似しているようだった。
弓ゴブリン、正式にはゴブリンアーチャーと言うようだが、それがゴブリンマジシャンに変わった以外は、前衛ゴブリンが相も変わらず存在している。
これは案外楽勝かも
そう思っていた俺は、迷宮の魔物が使う魔法の恐ろしさを理解していなかったのだ。
現在、前方には盾持ちゴブが7体、斥候ゴブが5体、ゴブマジ(あっ、ゴブリンマジシャンのことね)が敵前衛の後方に10体いる。
前衛のゴブリン共と対面して思ったこと。
それはゴブマジに接触させないように上手く立ち回ってくる、ということだ。
そこで俺は疑問に思う。
そんなことをしていたら、ゴブマジは魔法攻撃ができないのでは?
確か、扱える魔法は単発の初級攻撃のみの筈だ。ということは、魔法は一直線にしか飛ばせない。
つまりは、今の立ち位置では、俺達に攻撃できないだろう、ということだ。
だが気にしても仕方が無い。そう、俺は相手の斥候部隊に突っ込むと、何故かゴブマジが魔法を放ってきた。
奴の放った、炎の球体は弓矢の速さで俺の今対峙しているゴブリンの背後を射抜こうと向かっている。
俺は、随分と馬鹿な攻撃をするんだな
そう、口角を上げ笑おうとすると
「アデージュ、横に避けろっ!!」
突如、カレンがそう叫んできた。
俺は理由が分からないながらも、反射的に対峙するゴブリンの剣を押し返して横に跳び避ける。
そして跳ぶ前の場所を見ると驚きの光景を目にしたのだ。
火属性魔法の球体が、今まで対峙していたゴブリンの体をすり抜けたのだ。
俺は思わず、はっ? と口から漏れていた。
意味がわからなかったのだ。魔法が体を通り抜けるなんて有り得ない。
だが、今ならカレンの言葉が分かる。
そう、俺はあそこにいたら見事に魔法の餌食となっていたのだ。
俺が、もしものことを想像し冷や汗をかいていると斥候を倒してきたカレンがこちらに向かって来ていた。
「すまない! こんな大事なことを伝え忘れていた!」
「これはどういう事だ?」
俺は、そうつぶやくように問いかけると衝撃の事実をカレンが口にした。
「迷宮の魔物が放つ魔法は、迷宮産のモノ、魔物、武器、防具とあらゆるもの全てを透過してくるんだ!」
俺と近くに居たコアは唖然とした。確か、コアの管理下だった迷宮には魔法を扱う魔物はいなかったな。なら俺と同様に呆気に取られるのも無理はない。
「今は、その謝罪は後にしよう。奴らも三人で苦戦している」
驚くのも束の間、俺はカレンのパーティメンバーを見据えて発言する。
「っ!! 謝罪は後に!」
そういってカレンはパーティメンバーの所へと駆けていく。
俺達もその背中を追った。
「やはり迷宮は油断ならないな」
「そうだね、気を引き締めていかなきゃ」
コアと、そんな短い会話を交え再びゴブリン達と刃を交える。
コアは、通常通り火の鞭を展開、それで敵を打ち付け始めた。
──此処、迷宮というのは恐ろしい場所である
そう心に刻み込んだ俺は目先の敵へと集中していく。
──
4体のゴブリンが前後左右に位置している。
どうやら時間をくっていたらしく新たなゴブリンが出現していた。
俺はまず前のゴブリンを仕留めようと動き出すと目の前のゴブリンの腹部から魔法が現れた。
俺はとっさに避けると再び奴らの中心部へと戻る。
それを繰り返すこと、何回目なのか分からないが、俺は未だに攻めあぐねていた。
「くっそッ、厄介だなこれは! チッ、『火属性付与』」
思わずそう口にして、切れていた付与を再び掛け直す。何か対策はできないものか。
そう考えて立っていると、いつの間にか前と右の二点から魔法が迫ってきていた。
ヤバいッ、どうする、避けられないッ!
思考を巡らせ、この階層に降りていた時のことを思い出す。
あの時、試そうとしていたのは何だったか?
そう、魔法を魔力を帯びた武器で切断する、だッ!
「チッ、試す他ないかッ!!」
そういって、俺は前に迫った火の球体に空絶輪の刃を向ける。
クッソ、失敗したら終わりだ!
俺は空絶輪の刃で目の前の魔法を切り上げる。魔法の消滅を確認できた俺は、すぐさま前方へと一回転して横から迫る火の球体から回避する。
今、俺は魔法を切れたな……
何とか、最悪の事態を免れた俺は安堵をつく。
そして、ようやく俺は口角を上げた笑みを作り上げることが出来た。勝利への糸口が遂に見えたのだ。
──こっからは、こっちの番だ
俺は、今度は攻めあぐねての突撃ではなく、確実に仕留めるための突撃を開始した。
最初と同じ状況を作り出す。前への突撃。するとまたも、腹部の辺りから火の球が透過して向かってくる。
だが、予定通りだッ!
俺はその火の球を切り上げると、減速せずにそのまま前方のゴブリンの盾と本体の隙間にはを入れ切り上げる。そして怯んだゴブリンはただの雑魚だ。俺は一思いに目の前のゴブリンの首を落とした。
俺は、後方を向きゴブリンを見据える。
──さぁ、蹂躙を始めよう
俺の視線に、ゴブリンが怯えを抱いたのは紛うことなき事実であった。
──
一方、他のメンツも迷宮の魔法の特異性に対処しきれていなかった。
だが、今は違う。
この場における戦い方を、アデージュという男が披露したからだ。
「流石、アディー君!」
コアの声は、苦かったものから一転、弾んだものであった。弾むのも仕方がない。何て言ったって愛する者の戦う姿はやはり魅了されると再確認できたのだから。
そしてその光景から、コアも学ぶ。
「こっちも、魔法で対処すればいいんだ」
私の前に周囲にいるのは盾のみのゴブリンが多く、その後ろに守られるようにゴブリンマジシャンが次々と魔法を放ってきていた。
けれど、もう避ける必要は無いとわかったコアは微笑む。その笑みは、一見穏やかで誰もが見惚れるだろう美しいものだが、彼女を知るものには恐ろしさしか感じさせないだろうものだった。
コアは、相手を覆い尽くすほどの火の壁を展開する。
「今度は、一方的に相手してあげるわっ!」
その後の彼女の戦闘は言うまでもないだろう。
圧倒的な魔法使いの姿。其処には、凄まじいものが秘められていた。
──
「魔法には魔法をぶつけて対処するか……」
「すっごい発想だねぇ」
「でも理にかなっているね」
「凄い戦闘のセンスの持ち主だ」
カレン、ミアリー、スレイ、ダンの順で言葉を紡ぐ。
「それにしても、あの数を一人でって……此処とそう大差ないよ……」
スレイは斥候ゴブリンと剣を交えながら、苦笑いを浮かべそう呟く。
「あっ、コアちゃんも戦い方分かったようだねぇ」
「圧倒的な魔法で全てを潰すか……恐ろしいものだ」
ミアリーとダンも、呆れ気味にそう言葉を紡ぐ。
呆けるのも無理はない。というか、アデージュ達の戦いを見て呆れない方がおかしいのだ。だから、カレンはもう常套句のようにこの言葉を用いる。
「気にするな」と。
「しかし、戦い方は見えた彼の戦い方を参考にし、目の前の敵を殲滅しよう!」
カレンの言葉に、無言の意思でメンバーは応える。
「彼らが一人で出来て、パーティで出来ないなど恥だ! フェアレスト最強パーティ『完全封鎖』の意地のを見せるぞっ!!」
カレンのこの声で、ここにもまた一つ、蹂躙の場が設けられるのだった。
──
やがて、全ての敵を潰し終えると、凄まじい戦闘の音は余韻を残し、静寂を迎えるのであった。
〜アデージュの見解〜
どうやらコブマジも、火属性が使いやすいと分かっていたようで、ファイヤーゴブマジしか出てこなかった。ゴブリンのくせに許すマジッ!!
終わり
──第8層、踏破
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