迷宮壊しは、全ての始まり
第7話 迷宮を制覇? する
────ゴクリッ
俺は今、スライム顔負けのドロドロさを発揮しちゃってるよ。
汗ダラダラ、服ベチャベチャついでに足元はペチャペチャ
グリフォンだよ。威圧あるワシの翼と上半身、強靭なるライオンの下半身をもつステージ3の上位種の魔物って何かの文献で読んだよ……ブルッ……
このレベルになると、ミスリル武器とかただの適性武器だよ。あと俺、ソウルステージ3だけど。上位種の魔物に勝てるわけないじゃん。
ちなみに階層移動は階段があるんだよ。て事で、すぐさま反転階段を目指す。
「グォオォォッ!!」
グリフォンがご立派な翼を羽ばたかせて、一直線に俺を追いかけてくる。
「こッのォッ、駄犬がァァァッ」
注・ワシとライオンの複合体である。故に駄〇と言いたかったが、咄嗟に出てこなかった為に犬にしました。
敏捷ステがCの俺だが、この瞬間だけはAはいっているのではないかと思う程の足の回転で、第4層へと続く階段に向かって駆けている。
だが、迫るはグリフォン。
距離は階段まで10メル、フェンリルまで20メル。
グリフォンの速さは俺の約二倍である。
流石は空を駆ける魔物だ。
とか関心している場合じゃねぇって!!
正直ガチで……ヤバイ。
逃げ切るか、喰われるか、死の瀬戸際は間近に迫っている。
残り階段5メル、グリフォン10メル。
俺の背後のヤツの圧迫感が大きくなる。
残り階段1メル、グリフォン2メル。
あアァァッ、鼻息うるさいッ怖いッ!!
俺は目の前の階段に飛び込む。
ヤツは口を大きく突き出す。
ヤツは口で捉えた……俺の片方の靴を……
「オレのくつゥゥゥッ!?」
今の俺には靴の方がグリフォンより勝っている。
愚かだ俺よ、そうかこれが……豪胆かッ!!
スキル云々より、これに関しては元からの性格である。
それより、俺の靴を取ったグリフォンは、それを吐き捨てると元いた位置に戻り鎮座した。
あヤツ、俺の靴を無下にしおって……許せぬ!!
謎の復讐心が俺の心を占める。
とはいえグリフォンを倒す手段が思い浮かばない。
かといって、帰る手段もない。
だったら目先のあヤツをどうにかせねば!!
◆◆
俺を思考を巡らす。
ヤツを傷つけられるものはなんだ?
ミスリルでは大した効果は出ない。
しかし俺はさっきヤツが靴を吐き出すと同時に血を吐くのを見た。
あれはなんだったのか…………
──迷宮の壁かッ!!
ヤツの強度にも勝る素材ソレはこの迷宮の壁であるのだ。
だが、それを分かったがどうする……
天井を落とすなんて傷なんてつけられんし、内部に干渉して分解でもできれば別だけど……
ちょっと待て────出来るかもしれない……
これができたら俺のユニーク様々じゃないかッ!!
ソウルステージ3に上がった時に、〈完全解析〉に[干渉]の派生があった。
それを使って内部構造を理解して、ヤツの頭上の天井をソウルステージ2に上がった時にこれまた〈完全解析〉に[分解]の派生があったからそれを使えば……
──この迷宮イケるかもしれないッ!!
となれば、モノは試しだ。
この魔物を掃討した第4層で〈完全解析〉の[干渉][分解]のコンボを試してみよう。
まず、迷宮の壁に手を付け目を瞑る。
「〈完全解析〉[干渉]オペレート」
まず壁から干渉する事で、内部構造を把握することを意識する。
すると、なんという事か時間はかかったものの全5層をまとめて構造理解することが出来たのだ。
どうやら迷宮のスキル〈自動修復〉ですら、もし付与魔法さえあるならすぐさま使える段階まで理解した。
そしてついに迷宮の綻びを確認することが出来た。
迷宮にもやはり支えとなる軸がある。耐久値というのはそこに依存しているようだ。しかも軸は修復速度は速いが何にせよ緻密で脆い。
要するにここに干渉して〈完全解析《アナさん》〉の〈分解〉を使えばヤツを殺れる。
やばい頬が緩んで戻らない……グフフッ!!
さぁ練習といこう。
──
これはヤバイ。
こんなの誰も知らないような放置迷宮じゃないと実行に移せない。
何と言っても、迷宮そのモノが大きく震動するのだ。
これグリフォンなら察して落ちてくる天井避けちゃうんじゃないか……
エエェーイッ、儘よ!!
フフフッ、いいじゃないか……あヤツの慌てふためく顔が目に浮かぶわッ!!
て事で誰もこないであろう、この迷宮で実行に移ろうじゃないか!!
再び第5層へと階段を降り…………きりはしないで、第5層まであと一段というところで止まった。
いやッ、別にまたグリフォンに追われるのが怖いからなんかじゃないからねッ!!
ゴフッゴフッ──さぁ笑える顔を見ようぞ!!
まず壁に手を付き目を瞑る。
「〈《アナリシス》〉[干渉]オペレート」
第5層の構造を把握。グリフォンの位置を特定。対象頭上の迷宮構造を確認。さぁ慌てるがいいさ。
「[分解]」
クフフッ、楽しみだッ!!
「オペレェェートォォォッ!!」
迷宮が大きく震え出す。あヤツは今頃慌てていることだろう。
俺は興奮状態でヤツの反応を見ることにした。
──グカァァァッ、グカァァァッ……
あのクソ駄犬寝てやがるッ、俺の靴踏みながら寝てやがるッ。
この揺れでどんな神経してやがるッ!!
俺の額に青筋が浮かんだ。
「こっんのクソヤローがァァァっ!!」
あ、ヤバ手元狂った。ついでに思考も狂った。
つい、迷宮の軸を[分解]してしまったのだ。
あ、これ俺も生き埋めだ…………
この度、あヤツとともに心中か…………
そんなつもりは無かったんだけどな…………
そう思い老けながら、ここまで闘い合った(嘘)あヤツの方に目を見やる。
見やった先には、そこそこの大きさの魔水晶が。
あヤツ、俺を置いてきよったなァッ!!
俺は迷宮に終わったなと思いながら仰向けになることにした。
ついでにそのまま最後の崩れ行く迷宮の鑑識をした。
──────────
『継承の迷宮』
・ソウルステージ3五人以上推奨
・ 制覇者報酬あり
耐久値:3000/5000
〈スキル〉
・自動修復[毎セカ1000、耐久値を修復する]
──────────
──────────
耐久値:4000/5000
──────────
耐久値:2500/5000
──────────
耐久値:3500/5000
──────────
おっ、なんか毎セカ1500のダメージ、このペースで行けば耐久値0になるんじゃね。そうなったら迷宮どうなるんだろう。迷宮魔物みたいに収束して魔結晶にでもならないかな、アハハッ。現在、我、狂い中。
──迷宮崩壊
これは、放置迷宮にて稀に確認される迷宮の壊滅するといった現象である。
迷宮崩壊を人為的に起こしたのって絶対俺が初だろ。
そう思いながら再び迷宮の耐久値に目を戻した。
──────────
耐久値:500/5000
──────────
耐久値:1500/5000
──────────
これ生き残ったら快挙もんだろ。
あーサヨナラ俺の人生………………
──────────
耐久値:0/5000
──────────
俺は目を瞑る。
────ゴォォォォォッ
なんか物凄い風を切る音がする。
えっ、もしかして崩壊しない系!?
そう自分自身の願いのような考えに至って、ゆっくりと目を開けてみると
目の前には迷宮はなく、大きな魔結晶があった────
2メルの人間を一回り大きくしたような魔結晶。
俺はそれを尻をすいて唖然とした目で眺める。
すると、ピキッピキッと音をたてて割れていく魔結晶。
やがてそれは光り出す。
俺は思わず目を閉じ、やがて光が収まった思い目を開けると、さっきまでの大きな魔結晶はなく女神がいた。
長く艶やかな白金髪、白く透き通った肌、大きいがそこまで主張してないように見える胸、キュッとしまった腰に可愛らしく触り心地の良さそうな尻、顔を見るとクリっと大きな空色の瞳に程よく通った鼻筋。
しかも、そこに薄く紫がかった白いワンピースに同色の紐が腰周りに巻かれ前でリボンに結ばれている。そんな誰しもが認める女神が、近くに落ちていた俺の片方の靴を拾うとこちらに歩いてきた。
「あなたの靴ですよね?」
そう言って、俺の足元に靴を置くと、上目遣いで靴を履くように促した。
俺は今、とある物語を体験しているようだった。
素直に靴を履くと、彼女は上目遣いで笑みを浮かべた。
はい僕恋に落ちました。(僕とか気持ち悪ッ)
「貴方に会いたかったわ」
彼女はそう言う。
「俺も貴女のような人に会いたかった」
続けて俺は腰を折って言う。
「俺と結婚してくれませんか?」
はい、ストップ!! 色々と飛ばしすぎじゃないか俺。
これ絶対断られるだろうよ、バカか俺は!
そこは友達になってくださいだろうよ俺ッ!!
そんなやっちまった感丸出しで彼女の顔を見る。
すると彼女が驚いた顔で、やがて悲しみを帯びた顔でこちらを見る。
「ごめんなさい」
はい断られました。俺が落ち込んでいると、どうやら彼女の言葉に続きがあるらしく
「私はダンジョンコアなの。この迷宮を制覇したものの前に現れて一つの魔法を授ける。それが私の役目。だからこの空間からは出られないわ。だから結婚出来ない」
彼女の正体に驚いた俺だが、彼女の言葉には間違いがあったので教えておく。
「あ、それならもう、迷宮は無いよ」
すると彼女は呆然とした顔であたりを見渡す。
「すると、ここは何処かしら?」
「迷宮の外だよ」
「嘘っ! 本当に……本当に外なの? 私は外に出られる存在になったの!?」
「分からないけど、俺が迷宮壊したから、多分そうなんじゃないかな?」
俺がそう言うと、彼女は感極まって俺に飛びつき抱きついてきた。
「なるっ!! 貴方の妻になるわっ!!」
そう言って笑顔で俺の顔を見た。
二つの影、双方の影の頭はやがて一つとなった。
──チョッ、キス展開はやッ!?
◆◆
取り敢えず俺は彼女の名前を知らなかったので聞いてみると「私はダンジョンコア、だから名前なんてないわ」と言われた。
なので俺はこう言った。
「コア=クライストス。それが君の名前だ。どうかな?」
それを聞いた彼女は、俺に抱き着き笑顔でこういってくれた。
「私は、コア=クライストス。貴方の妻だわっ!!」
こうして俺は、一人の女性と結婚を誓い合った。
その後は、お互いのステータスを見せ合った。
──────────
[アデージュ=クライストス]15
〈ブランクジョブ〉アナリスト
〈ソウルステージ〉3
〈習得スキル〉
・万物解析(U)
[鑑識][最適解][探知][分解][干渉]
・投擲
・豪胆
〈習得魔法〉
・《属性付与》
〈ステータス〉
力・・・506─B
魔力・・380─D
物防・・393─D
魔防・・375─D
敏捷・・521─B
知力・・552─B
──────────
──────────
[コア=クライストス]15(迷宮年齢)
〈ブランクジョブ〉ダンジョンコア
〈ソウルステージ〉3
〈習得スキル〉
・自治掌握(U)
[援護][支配][管理]
〈習得魔法〉
・《治癒静声》
・《全属演舞》
〈ステータス〉
力・・・372─D
魔力・・650─A
物防・・361─D
魔防・・505─B
敏捷・・384─D
知力・・268─E(知識が少ない故)
──────────
んっ? 俺の[必中]消えてない……?
俺は今、スライム顔負けのドロドロさを発揮しちゃってるよ。
汗ダラダラ、服ベチャベチャついでに足元はペチャペチャ
グリフォンだよ。威圧あるワシの翼と上半身、強靭なるライオンの下半身をもつステージ3の上位種の魔物って何かの文献で読んだよ……ブルッ……
このレベルになると、ミスリル武器とかただの適性武器だよ。あと俺、ソウルステージ3だけど。上位種の魔物に勝てるわけないじゃん。
ちなみに階層移動は階段があるんだよ。て事で、すぐさま反転階段を目指す。
「グォオォォッ!!」
グリフォンがご立派な翼を羽ばたかせて、一直線に俺を追いかけてくる。
「こッのォッ、駄犬がァァァッ」
注・ワシとライオンの複合体である。故に駄〇と言いたかったが、咄嗟に出てこなかった為に犬にしました。
敏捷ステがCの俺だが、この瞬間だけはAはいっているのではないかと思う程の足の回転で、第4層へと続く階段に向かって駆けている。
だが、迫るはグリフォン。
距離は階段まで10メル、フェンリルまで20メル。
グリフォンの速さは俺の約二倍である。
流石は空を駆ける魔物だ。
とか関心している場合じゃねぇって!!
正直ガチで……ヤバイ。
逃げ切るか、喰われるか、死の瀬戸際は間近に迫っている。
残り階段5メル、グリフォン10メル。
俺の背後のヤツの圧迫感が大きくなる。
残り階段1メル、グリフォン2メル。
あアァァッ、鼻息うるさいッ怖いッ!!
俺は目の前の階段に飛び込む。
ヤツは口を大きく突き出す。
ヤツは口で捉えた……俺の片方の靴を……
「オレのくつゥゥゥッ!?」
今の俺には靴の方がグリフォンより勝っている。
愚かだ俺よ、そうかこれが……豪胆かッ!!
スキル云々より、これに関しては元からの性格である。
それより、俺の靴を取ったグリフォンは、それを吐き捨てると元いた位置に戻り鎮座した。
あヤツ、俺の靴を無下にしおって……許せぬ!!
謎の復讐心が俺の心を占める。
とはいえグリフォンを倒す手段が思い浮かばない。
かといって、帰る手段もない。
だったら目先のあヤツをどうにかせねば!!
◆◆
俺を思考を巡らす。
ヤツを傷つけられるものはなんだ?
ミスリルでは大した効果は出ない。
しかし俺はさっきヤツが靴を吐き出すと同時に血を吐くのを見た。
あれはなんだったのか…………
──迷宮の壁かッ!!
ヤツの強度にも勝る素材ソレはこの迷宮の壁であるのだ。
だが、それを分かったがどうする……
天井を落とすなんて傷なんてつけられんし、内部に干渉して分解でもできれば別だけど……
ちょっと待て────出来るかもしれない……
これができたら俺のユニーク様々じゃないかッ!!
ソウルステージ3に上がった時に、〈完全解析〉に[干渉]の派生があった。
それを使って内部構造を理解して、ヤツの頭上の天井をソウルステージ2に上がった時にこれまた〈完全解析〉に[分解]の派生があったからそれを使えば……
──この迷宮イケるかもしれないッ!!
となれば、モノは試しだ。
この魔物を掃討した第4層で〈完全解析〉の[干渉][分解]のコンボを試してみよう。
まず、迷宮の壁に手を付け目を瞑る。
「〈完全解析〉[干渉]オペレート」
まず壁から干渉する事で、内部構造を把握することを意識する。
すると、なんという事か時間はかかったものの全5層をまとめて構造理解することが出来たのだ。
どうやら迷宮のスキル〈自動修復〉ですら、もし付与魔法さえあるならすぐさま使える段階まで理解した。
そしてついに迷宮の綻びを確認することが出来た。
迷宮にもやはり支えとなる軸がある。耐久値というのはそこに依存しているようだ。しかも軸は修復速度は速いが何にせよ緻密で脆い。
要するにここに干渉して〈完全解析《アナさん》〉の〈分解〉を使えばヤツを殺れる。
やばい頬が緩んで戻らない……グフフッ!!
さぁ練習といこう。
──
これはヤバイ。
こんなの誰も知らないような放置迷宮じゃないと実行に移せない。
何と言っても、迷宮そのモノが大きく震動するのだ。
これグリフォンなら察して落ちてくる天井避けちゃうんじゃないか……
エエェーイッ、儘よ!!
フフフッ、いいじゃないか……あヤツの慌てふためく顔が目に浮かぶわッ!!
て事で誰もこないであろう、この迷宮で実行に移ろうじゃないか!!
再び第5層へと階段を降り…………きりはしないで、第5層まであと一段というところで止まった。
いやッ、別にまたグリフォンに追われるのが怖いからなんかじゃないからねッ!!
ゴフッゴフッ──さぁ笑える顔を見ようぞ!!
まず壁に手を付き目を瞑る。
「〈《アナリシス》〉[干渉]オペレート」
第5層の構造を把握。グリフォンの位置を特定。対象頭上の迷宮構造を確認。さぁ慌てるがいいさ。
「[分解]」
クフフッ、楽しみだッ!!
「オペレェェートォォォッ!!」
迷宮が大きく震え出す。あヤツは今頃慌てていることだろう。
俺は興奮状態でヤツの反応を見ることにした。
──グカァァァッ、グカァァァッ……
あのクソ駄犬寝てやがるッ、俺の靴踏みながら寝てやがるッ。
この揺れでどんな神経してやがるッ!!
俺の額に青筋が浮かんだ。
「こっんのクソヤローがァァァっ!!」
あ、ヤバ手元狂った。ついでに思考も狂った。
つい、迷宮の軸を[分解]してしまったのだ。
あ、これ俺も生き埋めだ…………
この度、あヤツとともに心中か…………
そんなつもりは無かったんだけどな…………
そう思い老けながら、ここまで闘い合った(嘘)あヤツの方に目を見やる。
見やった先には、そこそこの大きさの魔水晶が。
あヤツ、俺を置いてきよったなァッ!!
俺は迷宮に終わったなと思いながら仰向けになることにした。
ついでにそのまま最後の崩れ行く迷宮の鑑識をした。
──────────
『継承の迷宮』
・ソウルステージ3五人以上推奨
・ 制覇者報酬あり
耐久値:3000/5000
〈スキル〉
・自動修復[毎セカ1000、耐久値を修復する]
──────────
──────────
耐久値:4000/5000
──────────
耐久値:2500/5000
──────────
耐久値:3500/5000
──────────
おっ、なんか毎セカ1500のダメージ、このペースで行けば耐久値0になるんじゃね。そうなったら迷宮どうなるんだろう。迷宮魔物みたいに収束して魔結晶にでもならないかな、アハハッ。現在、我、狂い中。
──迷宮崩壊
これは、放置迷宮にて稀に確認される迷宮の壊滅するといった現象である。
迷宮崩壊を人為的に起こしたのって絶対俺が初だろ。
そう思いながら再び迷宮の耐久値に目を戻した。
──────────
耐久値:500/5000
──────────
耐久値:1500/5000
──────────
これ生き残ったら快挙もんだろ。
あーサヨナラ俺の人生………………
──────────
耐久値:0/5000
──────────
俺は目を瞑る。
────ゴォォォォォッ
なんか物凄い風を切る音がする。
えっ、もしかして崩壊しない系!?
そう自分自身の願いのような考えに至って、ゆっくりと目を開けてみると
目の前には迷宮はなく、大きな魔結晶があった────
2メルの人間を一回り大きくしたような魔結晶。
俺はそれを尻をすいて唖然とした目で眺める。
すると、ピキッピキッと音をたてて割れていく魔結晶。
やがてそれは光り出す。
俺は思わず目を閉じ、やがて光が収まった思い目を開けると、さっきまでの大きな魔結晶はなく女神がいた。
長く艶やかな白金髪、白く透き通った肌、大きいがそこまで主張してないように見える胸、キュッとしまった腰に可愛らしく触り心地の良さそうな尻、顔を見るとクリっと大きな空色の瞳に程よく通った鼻筋。
しかも、そこに薄く紫がかった白いワンピースに同色の紐が腰周りに巻かれ前でリボンに結ばれている。そんな誰しもが認める女神が、近くに落ちていた俺の片方の靴を拾うとこちらに歩いてきた。
「あなたの靴ですよね?」
そう言って、俺の足元に靴を置くと、上目遣いで靴を履くように促した。
俺は今、とある物語を体験しているようだった。
素直に靴を履くと、彼女は上目遣いで笑みを浮かべた。
はい僕恋に落ちました。(僕とか気持ち悪ッ)
「貴方に会いたかったわ」
彼女はそう言う。
「俺も貴女のような人に会いたかった」
続けて俺は腰を折って言う。
「俺と結婚してくれませんか?」
はい、ストップ!! 色々と飛ばしすぎじゃないか俺。
これ絶対断られるだろうよ、バカか俺は!
そこは友達になってくださいだろうよ俺ッ!!
そんなやっちまった感丸出しで彼女の顔を見る。
すると彼女が驚いた顔で、やがて悲しみを帯びた顔でこちらを見る。
「ごめんなさい」
はい断られました。俺が落ち込んでいると、どうやら彼女の言葉に続きがあるらしく
「私はダンジョンコアなの。この迷宮を制覇したものの前に現れて一つの魔法を授ける。それが私の役目。だからこの空間からは出られないわ。だから結婚出来ない」
彼女の正体に驚いた俺だが、彼女の言葉には間違いがあったので教えておく。
「あ、それならもう、迷宮は無いよ」
すると彼女は呆然とした顔であたりを見渡す。
「すると、ここは何処かしら?」
「迷宮の外だよ」
「嘘っ! 本当に……本当に外なの? 私は外に出られる存在になったの!?」
「分からないけど、俺が迷宮壊したから、多分そうなんじゃないかな?」
俺がそう言うと、彼女は感極まって俺に飛びつき抱きついてきた。
「なるっ!! 貴方の妻になるわっ!!」
そう言って笑顔で俺の顔を見た。
二つの影、双方の影の頭はやがて一つとなった。
──チョッ、キス展開はやッ!?
◆◆
取り敢えず俺は彼女の名前を知らなかったので聞いてみると「私はダンジョンコア、だから名前なんてないわ」と言われた。
なので俺はこう言った。
「コア=クライストス。それが君の名前だ。どうかな?」
それを聞いた彼女は、俺に抱き着き笑顔でこういってくれた。
「私は、コア=クライストス。貴方の妻だわっ!!」
こうして俺は、一人の女性と結婚を誓い合った。
その後は、お互いのステータスを見せ合った。
──────────
[アデージュ=クライストス]15
〈ブランクジョブ〉アナリスト
〈ソウルステージ〉3
〈習得スキル〉
・万物解析(U)
[鑑識][最適解][探知][分解][干渉]
・投擲
・豪胆
〈習得魔法〉
・《属性付与》
〈ステータス〉
力・・・506─B
魔力・・380─D
物防・・393─D
魔防・・375─D
敏捷・・521─B
知力・・552─B
──────────
──────────
[コア=クライストス]15(迷宮年齢)
〈ブランクジョブ〉ダンジョンコア
〈ソウルステージ〉3
〈習得スキル〉
・自治掌握(U)
[援護][支配][管理]
〈習得魔法〉
・《治癒静声》
・《全属演舞》
〈ステータス〉
力・・・372─D
魔力・・650─A
物防・・361─D
魔防・・505─B
敏捷・・384─D
知力・・268─E(知識が少ない故)
──────────
んっ? 俺の[必中]消えてない……?
「迷宮壊しは、全ての始まり」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
とある御人の日常譚
-
18
-
-
この世界はなにいろ?
-
4
-
-
Expand Evolve Onlene エクスパンド・エボルブ・オンライン
-
5
-
-
『非正規社員 石田三成』~ショートストーリー集~
-
1
-
-
勇者の冒険(仮)
-
18
-
-
VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい
-
13
-
-
黒剣の魔王
-
23
-
-
Restart to the Game
-
8
-
-
唯一の現実逃避がVRMMOでした。
-
16
-
-
最弱天職でなんとか生きていきます!
-
13
-
-
絵画転移!美術館で歩きスマホしてたら転移した!?
-
3
-
-
クソスキルを駆使して異世界攻略?
-
30
-
-
度重契約により最強の聖剣技を
-
108
-
-
お母さんは女神です
-
12
-
-
アトランダワールド
-
20
-
-
ネガティブな俺が異世界転生したら!?
-
38
-
-
ノーヘブン
-
31
-
-
美少女マスター異世界でハーレム作る?
-
110
-
-
全てに飽きた俺は異世界を廻る
-
37
-
-
召喚魔法によって呼び出されたら主が死んでいた(笑)
-
131
-
コメント