迷宮壊しは、全ての始まり
第1話 外に足を向ける
──迷宮
それはこの世界『テラスゴッド』に生を受け、それと同時に神々の恩恵であるソウルコードにより、戦闘スキルを得た数多の人々が魔物を討伐するため、日常の基点を置く場所。
ソウルコードとは、生来の役職を指すものであり、大きく分けると三種
──『バトルワーク』所謂、戦闘職
──『クリエイトワーク』所謂、生産職
──『ブランクワーク』通称、無職
『ブランクワーク』は、無職と言われることが多いが、それは単に『ブランクワーク』に区分された職業、そして発生するスキルを理解できないから働けないだけであり、理解を得た者達は皆、世界の先駆者となり得る可能性を持つ、壮大な希望を持てるコードなのである。
だが時代は廃れていく一方、『ブランクワーク』を持った者達は皆、そのコード、その真理を追求することをやめた。
そう、『バトルワーク』『クリエイトワーク』を補佐する日陰者へと自ら成り下がっていったのだ。
それも世の常、世の摂理と、『テラスゴッド』の世界の認識に組み込まれていったこの御時世、
一人の『ブランクワーカー』が神々の代行として
世界の未知を解明していく『神代操觚』として名を広めることとなる。
それは追々話すこととして、迷宮は『テラスゴッド』の各地に多く散布している。
その中でも有名な全五十のダンジョンで名を連ねる七の大迷宮に『ワーカー』の多くが集まる。
迷宮ダンジョンにて生計を立てる者
迷宮都市にて生産業を営む者
はたまたそれらの足となる者
だがこれらの者達は皆、知らないのだ。
先に言った迷宮ダンジョンが数多だ、ということを。
生計を立てようとするものは皆、大迷宮を擁する迷宮都市に目が行きがちになっているのだ。
要は、手付かずの迷宮が多く残っているという事だ。
だからなんだ、と言う話だが、そこで出てくるのが先の一人の『ブランクワーカー』である。
その一人の『ブランクワーカー』とは、
名をアデージュ=クライストス、即ち…………
…………俺だッ!!ここまでの話若干、自分を盛りました!!
俺はブランクワーカーとして、世の中の同種の様に『バトルワーカー』『クリエイトワーカー』のケツを追うなんてことはするわきゃねーんだよ!!
いや、まぁ、可愛い女の子のケツは追うかもだけど(グヘヘ……)
そ・ん・な・事より、いや関係してるけど、俺は他の者どものように在り来りな迷宮都市には真っ先には行かん。
『ブランクワーカー』として、誰も手のを付けてない迷宮ダンジョンで、自分自身のワーカージョブの真理を追究してやる!!
他の者どものようにお金を稼ぐなんて考えはせん!!
手付かずの迷宮ダンジョンだからって、珍しい物が手に入ってラッキー、なんて事、考えてなんかないんだからねッ!!
はい、嘘です、どこかの人たち、それ、正しく論破です……
いや、ね、お金ないと流石に迷宮ダンジョンとか言ってられないから!!
お金あってこそ、己を追求出来るってもんよ!!
ていう訳で、俺は今日、故郷から旅立ちますッ!!
えっ、なんだって??
まだ旅立ってなかったのかよッ、だって!!
いや〜、しょうがないんよ、これが…………
親が、俺が旅立つ宣言した時になんて言ったと思う!?
「おぉ〜そっか〜。カワイイ子には旅をさせよとか言うしな〜、んじゃカワイイ我が息子よ、自分でお金稼いでから行くといいよ〜、今宣言したってことは、俺らからお金取らないって事だよね〜、今からアディーの旅のはじまりはじまり〜、イェ〜イ!! パチパチ!! ドンドンパフパフ〜」
あんまりじゃねぇッ!?
カワイイ子言うたら、支度金くらい用意してくれると思ったんだけどッ!!
ゼロだよゼロ!!
しかも宣言したこの日から家追い出されたしッ!! 文句言おうにも、親父は床に横になって腹かいて寝てるしッ!! 母さんは、笑顔で手を振って小さく振ってるしッ!!てか母さん美人で、慎ましく品のある手の振り方だしッ!!どこの淑女だよッ!!文句言えねぇーよ!!
あ、ついでに言っとくと、俺は十四歳で藍色の髪色してる。身長は、親の遺伝子かちょいと高めで185位はある。ここの平均身長は、男175位で、女165位だ。
そんな遺伝子の元の親父は、190の巨漢で茶髪の、昔はイケメンだったんだろうなーと、思わせる顔立ちをしている。今は無精髭ボウボウのむさいおっさんにしか見えないけどねッ!!
そして母さんは、どこかの貴族かと思わせる、白く綺麗な肌に艶やかな青色の髪を持った168のスタイルの良い美人さんだ。
今目の前に広がるこの光景を皆が見たらどう思うだろうね?
腹かいて寝てる中年のおっさんと、その隣にいる貴族のような別嬪さん。
俺は自分の問にこう答えるよ。何も言えねぇ〜、言わねぇ〜、てか何も言いたくねぇ〜って……
仕方ないじゃん!! 遠回しに出て行けって言って、寝る背を向けて寝る父親に、穏やかな笑顔を向けて手を振る母親だよ!? 何を言えばいいんだよッ!?
要するに出ていく事を余儀なくされたのである。
俺も呆れながらも、この親がそう言ったら、その言葉を撤回することがないのを今までの人生で十分に理解しているので、ゆっくりと背を向けて家の玄関の扉を開いた。
出る際に、親父が俺の名前を呼んだので耳を傾けると
「帰ってきたらなんか奢れよ〜」
マジ、何なんッ!?
思わず壊す勢いで扉を閉めてしまった。
カワイイ子とか言いながら、その息子になんの恨みがあるんだよッ!!俺はお前の憎き息子かッての!!
そんな事もあって、俺は町でいろんな仕事をやって、下宿して、はや1年。お金が貯まったことをあり、本日付けでこの故郷とオサラバしようと荷物をまとめた。
そして、ようやく町の入口に着いた時に、いろんな人が俺の見送りに来ていることに気がついた。
仕事先の人達は、掛け持ちしてたから多かった。
あと下宿先の人達もここに来ていた。二階を借りてて一回に降りた時に、書き置きで、出掛けてきます、って書いてあったから、何だか悲しい気持ちになって若干泣きそうだったけど今は、そこの子の女の子が、行っちゃいや、って泣きついていて、その両親が優しい笑顔を俺に向けている。もはや感動の涙しか出てこない。俺は女の子の頭を撫でてから離れた。
そして俺はもう一組の夫婦ののところへ歩いた。
両親のところへ、だ。
「行ってらっしゃい、アディー」
母さんはそう優しく言ってくれた。
「アディー」
親父は真剣な声で俺の名を呼んだ。こんな真面目な親父は久しぶりに見たのでそちらに顔を向けた。
「しっかりと俺達の分まで金稼いでこいよ」
「…………」
──ッコッノ親父、今までの感動が台無しだわッ!!マジふざけんじゃねーよ!!
思わず親父の股間に蹴りが入った。親父は四つん這いになって震えているが、知らんがな。
「行ってくる」
俺はそう告げて、街の門をくぐった。
後ろの方で
「頑張ってこい」
そう親父の声が聞こえて、俺は瞳から涙をこぼしつつも、口角を上げて笑みを浮かべられた。
最高の人たちに見送られた俺の冒険のスタート。
俺の人生の本当の序章は、ほかの者と比べて最高の出だしではないのではないだろうか!?
俺は、涙を拭って、初めのローカルな迷宮ダンジョンを目指して走ることにした……
          
それはこの世界『テラスゴッド』に生を受け、それと同時に神々の恩恵であるソウルコードにより、戦闘スキルを得た数多の人々が魔物を討伐するため、日常の基点を置く場所。
ソウルコードとは、生来の役職を指すものであり、大きく分けると三種
──『バトルワーク』所謂、戦闘職
──『クリエイトワーク』所謂、生産職
──『ブランクワーク』通称、無職
『ブランクワーク』は、無職と言われることが多いが、それは単に『ブランクワーク』に区分された職業、そして発生するスキルを理解できないから働けないだけであり、理解を得た者達は皆、世界の先駆者となり得る可能性を持つ、壮大な希望を持てるコードなのである。
だが時代は廃れていく一方、『ブランクワーク』を持った者達は皆、そのコード、その真理を追求することをやめた。
そう、『バトルワーク』『クリエイトワーク』を補佐する日陰者へと自ら成り下がっていったのだ。
それも世の常、世の摂理と、『テラスゴッド』の世界の認識に組み込まれていったこの御時世、
一人の『ブランクワーカー』が神々の代行として
世界の未知を解明していく『神代操觚』として名を広めることとなる。
それは追々話すこととして、迷宮は『テラスゴッド』の各地に多く散布している。
その中でも有名な全五十のダンジョンで名を連ねる七の大迷宮に『ワーカー』の多くが集まる。
迷宮ダンジョンにて生計を立てる者
迷宮都市にて生産業を営む者
はたまたそれらの足となる者
だがこれらの者達は皆、知らないのだ。
先に言った迷宮ダンジョンが数多だ、ということを。
生計を立てようとするものは皆、大迷宮を擁する迷宮都市に目が行きがちになっているのだ。
要は、手付かずの迷宮が多く残っているという事だ。
だからなんだ、と言う話だが、そこで出てくるのが先の一人の『ブランクワーカー』である。
その一人の『ブランクワーカー』とは、
名をアデージュ=クライストス、即ち…………
…………俺だッ!!ここまでの話若干、自分を盛りました!!
俺はブランクワーカーとして、世の中の同種の様に『バトルワーカー』『クリエイトワーカー』のケツを追うなんてことはするわきゃねーんだよ!!
いや、まぁ、可愛い女の子のケツは追うかもだけど(グヘヘ……)
そ・ん・な・事より、いや関係してるけど、俺は他の者どものように在り来りな迷宮都市には真っ先には行かん。
『ブランクワーカー』として、誰も手のを付けてない迷宮ダンジョンで、自分自身のワーカージョブの真理を追究してやる!!
他の者どものようにお金を稼ぐなんて考えはせん!!
手付かずの迷宮ダンジョンだからって、珍しい物が手に入ってラッキー、なんて事、考えてなんかないんだからねッ!!
はい、嘘です、どこかの人たち、それ、正しく論破です……
いや、ね、お金ないと流石に迷宮ダンジョンとか言ってられないから!!
お金あってこそ、己を追求出来るってもんよ!!
ていう訳で、俺は今日、故郷から旅立ちますッ!!
えっ、なんだって??
まだ旅立ってなかったのかよッ、だって!!
いや〜、しょうがないんよ、これが…………
親が、俺が旅立つ宣言した時になんて言ったと思う!?
「おぉ〜そっか〜。カワイイ子には旅をさせよとか言うしな〜、んじゃカワイイ我が息子よ、自分でお金稼いでから行くといいよ〜、今宣言したってことは、俺らからお金取らないって事だよね〜、今からアディーの旅のはじまりはじまり〜、イェ〜イ!! パチパチ!! ドンドンパフパフ〜」
あんまりじゃねぇッ!?
カワイイ子言うたら、支度金くらい用意してくれると思ったんだけどッ!!
ゼロだよゼロ!!
しかも宣言したこの日から家追い出されたしッ!! 文句言おうにも、親父は床に横になって腹かいて寝てるしッ!! 母さんは、笑顔で手を振って小さく振ってるしッ!!てか母さん美人で、慎ましく品のある手の振り方だしッ!!どこの淑女だよッ!!文句言えねぇーよ!!
あ、ついでに言っとくと、俺は十四歳で藍色の髪色してる。身長は、親の遺伝子かちょいと高めで185位はある。ここの平均身長は、男175位で、女165位だ。
そんな遺伝子の元の親父は、190の巨漢で茶髪の、昔はイケメンだったんだろうなーと、思わせる顔立ちをしている。今は無精髭ボウボウのむさいおっさんにしか見えないけどねッ!!
そして母さんは、どこかの貴族かと思わせる、白く綺麗な肌に艶やかな青色の髪を持った168のスタイルの良い美人さんだ。
今目の前に広がるこの光景を皆が見たらどう思うだろうね?
腹かいて寝てる中年のおっさんと、その隣にいる貴族のような別嬪さん。
俺は自分の問にこう答えるよ。何も言えねぇ〜、言わねぇ〜、てか何も言いたくねぇ〜って……
仕方ないじゃん!! 遠回しに出て行けって言って、寝る背を向けて寝る父親に、穏やかな笑顔を向けて手を振る母親だよ!? 何を言えばいいんだよッ!?
要するに出ていく事を余儀なくされたのである。
俺も呆れながらも、この親がそう言ったら、その言葉を撤回することがないのを今までの人生で十分に理解しているので、ゆっくりと背を向けて家の玄関の扉を開いた。
出る際に、親父が俺の名前を呼んだので耳を傾けると
「帰ってきたらなんか奢れよ〜」
マジ、何なんッ!?
思わず壊す勢いで扉を閉めてしまった。
カワイイ子とか言いながら、その息子になんの恨みがあるんだよッ!!俺はお前の憎き息子かッての!!
そんな事もあって、俺は町でいろんな仕事をやって、下宿して、はや1年。お金が貯まったことをあり、本日付けでこの故郷とオサラバしようと荷物をまとめた。
そして、ようやく町の入口に着いた時に、いろんな人が俺の見送りに来ていることに気がついた。
仕事先の人達は、掛け持ちしてたから多かった。
あと下宿先の人達もここに来ていた。二階を借りてて一回に降りた時に、書き置きで、出掛けてきます、って書いてあったから、何だか悲しい気持ちになって若干泣きそうだったけど今は、そこの子の女の子が、行っちゃいや、って泣きついていて、その両親が優しい笑顔を俺に向けている。もはや感動の涙しか出てこない。俺は女の子の頭を撫でてから離れた。
そして俺はもう一組の夫婦ののところへ歩いた。
両親のところへ、だ。
「行ってらっしゃい、アディー」
母さんはそう優しく言ってくれた。
「アディー」
親父は真剣な声で俺の名を呼んだ。こんな真面目な親父は久しぶりに見たのでそちらに顔を向けた。
「しっかりと俺達の分まで金稼いでこいよ」
「…………」
──ッコッノ親父、今までの感動が台無しだわッ!!マジふざけんじゃねーよ!!
思わず親父の股間に蹴りが入った。親父は四つん這いになって震えているが、知らんがな。
「行ってくる」
俺はそう告げて、街の門をくぐった。
後ろの方で
「頑張ってこい」
そう親父の声が聞こえて、俺は瞳から涙をこぼしつつも、口角を上げて笑みを浮かべられた。
最高の人たちに見送られた俺の冒険のスタート。
俺の人生の本当の序章は、ほかの者と比べて最高の出だしではないのではないだろうか!?
俺は、涙を拭って、初めのローカルな迷宮ダンジョンを目指して走ることにした……
          
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