幼女転生から始める異世界解読術
第6話 類は友を呼びよせる図書館 前編
リルが朝からわざわざやって来たのは、俺の元に本を持ってきてくれたからだった。昨日の時点ではティナ程の本を持っていないと本人は言っていたが、官女が持ってきたほんの量は一つのカートに全部乗せられる程だった。
「どう? ユウちゃん、役に立ちそう?」
俺は愛あ変わらずの速読でリルが持ってきた本に目を通し、本を閉じた。
そして一言。
「リルお姉ちゃん」
「はい」
「これ全部カバーを被せていたのはどうして?」
「他の人に見せるのは恥ずかしいし、その、ティナくらいしか興味ないと思ったから」
結論から言うと、類は友を呼んでいた。
「ちょっとリルの悪口は許さないわよ」
「お姉ちゃんはもっとリルお姉ちゃんを見習うべきだと思う」
「どういう意味よ」
「そのままの意味だよ」
リルの本は全てにこの世界のブックカバーが被せられていた。だから俺は警戒せずに読んだわけだが、それが失敗だった。彼女が持っていたのは同人誌ではなかったものの、そういう系の小説ばかりだった。
しかもほとんど絵がなかったからなおのこと達の悪かった。
「リルお姉ちゃんは信じていたのに……」
「え? もしかして私ユウちゃんを裏切るような事をしちゃったの?」
「別に裏切ってはいないよ。ただ」
俺の中で二人が同等の扱いになっただけ。
俺の回りは腐った人ばかりしかいなかった。
(世界をこれで救……えないよな)
■□■□■□
ティナもリルも役に立たないことが判明したため、急遽予定を変更して二人に王都を案内してもらうことにした。
とは言え、昨日リルが言っていた通り、今や王都に住んでいる人達は少なく、案内される場所も限られていた。
「本当に昨日言っていた通りなんだね」
「信じられないと思うけど、サスティアはブリンディアで一番栄えていた王国ではあったの」
「一番最初に建てられた王国でもあるんだけど、その痕跡も今じゃ見られないかもね」
ティナが言っていた事は先程読んでいた歴史書にも同等なものが書いてあった。王国と言う文明の起源とも呼ばれているらしい。一説ではもう七百年以上も前の事ということ。
(歴史も戦争には勝てないってことか)
「それで今私たちの目の前に見える大きな建物がサスティア城なんだけど、今はあそこに誰が住んでいるかは分からない私もリルもここしばらく出入りする人を見かけていないくらいだし」
前方に見える大きな城を眺めながらティナはそう説明する。でも俺にはその言葉がにわかには信じがたかった。
根拠は城の前に微かに残っていた車輪みたいな跡だ。
馬車か何かに違いないと思うけど、その痕跡が比較的新しい。つまり最近ここに何かが止まっていたことになる。
「どうしたのユウちゃん」
「あ、何でもないよ。それよりこの王都には本がたくさんある場所とかはないの?」
「勿論あるよ。ユウちゃんの中の人にピッタリの」
「中の人とか言わないでよ」
照れるじゃないか。
リルの案内で連れてこられたのは、サスティア城の正面入り口のちょうど反対側。城で隠れていてさっきの場所からは見ることすら出来なかったが、そこには城の大きさに匹敵するくらいの大きさ(広さだけなら東京ドーム一個が入りきるくらいの広さ)の二階建ての建物があった。
「サスティア王立図書館。世界のすべてが眠っていると言われている場所よ。私も何度かユウを連れてやって来たことあるけど、多分ここの本を読みきるのは簡単じゃないと思う」
「す、すごい」
正に俺が求めていたものがこれだと言わんばかりの大きさ。その圧巻の大きさに、しばし言葉を失った。
「驚くのはまだ早いよユウちゃん。すごいのは中なんだから」
少しだけ古ぼけた感じのある扉をリルが開き、俺を中へと招き入れる。そして中で俺を待っていたのは……。
本
もうそれしか表現ができないくらいの本だった。これは俺からしたら国宝級の場所であり、あの神様が言っていたことが正しいという証拠だった。
神様を信じてよかった。
「それでこの本は全部読んでいいいの? 王立って言うくらいだから許可とか必要なのかな」
「ううん、そういうの全く必要ないよ。こういう状況だし誰も読みに来ないだろうからって、いつでも解放中ってこと。現に私達はこうして簡単に入れたわけだし」
それもそうか。
でもそれはあまりにも無警戒な気がするのは俺だけだろうか。もしこの場所にとんでもないものが眠っていたりしたらその時は……。
「お姉ちゃん、私決めた」
「決めたって何を?」
「私ここで暮らす」
世界を救う大きな一歩になるかもしれない。
「え、ちょっとそれ本気なの?」
「うん! 私能力はあるけど、この世界のことは何も知らない。だからまずはここにある本の情報を読み解いて、沢山のことを知って、そこから全てを始めたい」
その為にまず俺がすべきことはこの世界を知ること。そkが俺のスタートライン
「ユウがその気なら、私はそれで構わないけど……」
「その話、ちょっと待ったぁ!」
ティナの声を遮るように図書館に大きな声が響く。声がした方に顔を向けると、何故か三メートルほどの高さの本棚の上に立つ一匹のウサミミ少女が、
「誰の許可でそんなことをしようと、って、うわぁぁぁ」
バランスを崩して落下してきた。
親方、本棚からウサギが!
「どう? ユウちゃん、役に立ちそう?」
俺は愛あ変わらずの速読でリルが持ってきた本に目を通し、本を閉じた。
そして一言。
「リルお姉ちゃん」
「はい」
「これ全部カバーを被せていたのはどうして?」
「他の人に見せるのは恥ずかしいし、その、ティナくらいしか興味ないと思ったから」
結論から言うと、類は友を呼んでいた。
「ちょっとリルの悪口は許さないわよ」
「お姉ちゃんはもっとリルお姉ちゃんを見習うべきだと思う」
「どういう意味よ」
「そのままの意味だよ」
リルの本は全てにこの世界のブックカバーが被せられていた。だから俺は警戒せずに読んだわけだが、それが失敗だった。彼女が持っていたのは同人誌ではなかったものの、そういう系の小説ばかりだった。
しかもほとんど絵がなかったからなおのこと達の悪かった。
「リルお姉ちゃんは信じていたのに……」
「え? もしかして私ユウちゃんを裏切るような事をしちゃったの?」
「別に裏切ってはいないよ。ただ」
俺の中で二人が同等の扱いになっただけ。
俺の回りは腐った人ばかりしかいなかった。
(世界をこれで救……えないよな)
■□■□■□
ティナもリルも役に立たないことが判明したため、急遽予定を変更して二人に王都を案内してもらうことにした。
とは言え、昨日リルが言っていた通り、今や王都に住んでいる人達は少なく、案内される場所も限られていた。
「本当に昨日言っていた通りなんだね」
「信じられないと思うけど、サスティアはブリンディアで一番栄えていた王国ではあったの」
「一番最初に建てられた王国でもあるんだけど、その痕跡も今じゃ見られないかもね」
ティナが言っていた事は先程読んでいた歴史書にも同等なものが書いてあった。王国と言う文明の起源とも呼ばれているらしい。一説ではもう七百年以上も前の事ということ。
(歴史も戦争には勝てないってことか)
「それで今私たちの目の前に見える大きな建物がサスティア城なんだけど、今はあそこに誰が住んでいるかは分からない私もリルもここしばらく出入りする人を見かけていないくらいだし」
前方に見える大きな城を眺めながらティナはそう説明する。でも俺にはその言葉がにわかには信じがたかった。
根拠は城の前に微かに残っていた車輪みたいな跡だ。
馬車か何かに違いないと思うけど、その痕跡が比較的新しい。つまり最近ここに何かが止まっていたことになる。
「どうしたのユウちゃん」
「あ、何でもないよ。それよりこの王都には本がたくさんある場所とかはないの?」
「勿論あるよ。ユウちゃんの中の人にピッタリの」
「中の人とか言わないでよ」
照れるじゃないか。
リルの案内で連れてこられたのは、サスティア城の正面入り口のちょうど反対側。城で隠れていてさっきの場所からは見ることすら出来なかったが、そこには城の大きさに匹敵するくらいの大きさ(広さだけなら東京ドーム一個が入りきるくらいの広さ)の二階建ての建物があった。
「サスティア王立図書館。世界のすべてが眠っていると言われている場所よ。私も何度かユウを連れてやって来たことあるけど、多分ここの本を読みきるのは簡単じゃないと思う」
「す、すごい」
正に俺が求めていたものがこれだと言わんばかりの大きさ。その圧巻の大きさに、しばし言葉を失った。
「驚くのはまだ早いよユウちゃん。すごいのは中なんだから」
少しだけ古ぼけた感じのある扉をリルが開き、俺を中へと招き入れる。そして中で俺を待っていたのは……。
本
もうそれしか表現ができないくらいの本だった。これは俺からしたら国宝級の場所であり、あの神様が言っていたことが正しいという証拠だった。
神様を信じてよかった。
「それでこの本は全部読んでいいいの? 王立って言うくらいだから許可とか必要なのかな」
「ううん、そういうの全く必要ないよ。こういう状況だし誰も読みに来ないだろうからって、いつでも解放中ってこと。現に私達はこうして簡単に入れたわけだし」
それもそうか。
でもそれはあまりにも無警戒な気がするのは俺だけだろうか。もしこの場所にとんでもないものが眠っていたりしたらその時は……。
「お姉ちゃん、私決めた」
「決めたって何を?」
「私ここで暮らす」
世界を救う大きな一歩になるかもしれない。
「え、ちょっとそれ本気なの?」
「うん! 私能力はあるけど、この世界のことは何も知らない。だからまずはここにある本の情報を読み解いて、沢山のことを知って、そこから全てを始めたい」
その為にまず俺がすべきことはこの世界を知ること。そkが俺のスタートライン
「ユウがその気なら、私はそれで構わないけど……」
「その話、ちょっと待ったぁ!」
ティナの声を遮るように図書館に大きな声が響く。声がした方に顔を向けると、何故か三メートルほどの高さの本棚の上に立つ一匹のウサミミ少女が、
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