非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果

井戸千尋

私のお父さんと俺の敗北

百五十話






【新転勇人】






俺は今までタカが外れる、ということの酷さを何度も目撃してきた。
もっかいしよ事件然り、去勢事件然り。
しかし、それは“円香”のタカが外れたときの話だ。
もう円香のタカが外れても驚かないし受け止める自信はある。
だがな最近、正確には好きになっていいと聞かれたあの日から、結花からすんごい圧を感じる。
物理的に。
感じるというか押しつぶされてるというか。
「にぃ修学旅行行かないで?ゆい寂しい」
夕食中、潤んだ瞳の結花にそんなことを言われる。
カレーの辛さで目が潤んじゃってるのか、俺が数日家を空けるのが全力で寂しいのか、もしくは選ばれし女にしか使えないという幻の嘘泣き!?
「いや、行かないでって言われても……」
結花に限って嘘泣きはないか。
そもそも俺の周りにそんなタチ悪い女の子いないもんな。
そもそも友達少ないし。
「じゃあゆいもついてく!」
「いや受験生!勉強してなさい!」
残りのカレーを口に放り込み「ごちそうさま」と食卓を離れる。
結花はまだカレーが残っているようで俺にコップを差し出してきた。
「お水頂戴」
「はいよ」
「やっぱり円香さんと二人でまわるの?」
「まあな」
水をコップに注ぎ結花の元へ持っていく。
それと、連れていけないことへのお詫びとして学校帰りに買ってきたプリンをさりげなくテーブルの上に置く。
さりげなくってところがミソだ。
「じゃあ俺部屋いくねお皿つけといて、後で洗っとくから」
「わかった」
結花大丈夫だよな……。
まぁ結花はあまり行動に移すタイプじゃないしな。
俺は階段を上がりつつ円香へ連絡を入れる。

今日は、この間ゲーセンで対戦した格闘ゲームのコンシューマー版をやる予定なんだ。
俺も練習したからな。
今度は負けないぞ。






【新天円香】






「やった!また勇人くんに勝ちました!」
コントローラーでやるよりも、先輩に教えてもらったあけこん?の方がやりやすいです!
やっぱり勇人くんに勝てると楽しいです!
私もそろそろげーまーを名乗れるでしょうか!
「もう一戦です!!」
「――円香ー!お父さんが呼んでるわよー」
お父さん?
なんで直接部屋に来ないんでしょうか?
「わかりましたー」
とりあえず勇人くんに連絡して……と。
「今行きまーす」











「お父さんね、円香に嫌われてないか心配だったんだって〜」
「え!私なにかしました?全然嫌いじゃないですよ!!?」
「そう?…………よかった」
私最近そっけなかったですかね?
なにか酷いことでも……。
「最近勇人くんの話しかしないから寂しかったんだって。かわいいよね〜」
「ちょっと優香さん……」
「かわいい顔するのやめて円香に用事済ませちゃいな」
「うん、円香これ」
お父さんは手元に持っていたお財布から一万円札を取り出して私に渡してくれました。
「急にこんなに貰えませんよ!なんでです?」
「修学旅行で勇人くんと楽しんできてほしいんだってぇ〜」
「お父さん……ありがとうございます」
「うん楽しんできてね」
「はい!」
私はお父さんからお金をありがたく頂戴します。
「あ、もう部屋戻りなさい。お母さんたちイチャイチャするから。ねぇ〜」
「するとしても私に言わないでください!」
私も勇人くんとイチャイチャしたくなっちゃうじゃないですか!!
もう!修学旅行で散々イチャイチャしてやりますから!!
周りが引くくらいに今まで以上にイチャイチャしますよ!!






【新転勇人】






「うおっ!なんだ今の寒気は……」
文字通り背筋凍るかと思ったわ。
「円香遅いな……」
てか円香なんであんなに格ゲー強いの?一切間違わないじゃん。
俺の動きを全部読んでるみたいな動きするし。
俺勝てないくさいなこれ……。



その日、俺は円香に二時間負け続けた。









上げないっていったけどこっそり上げてやろうかなと思いました。

思っただけでした。

テヘペロッ♪

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コメント

  • 狼大好き野郎

    無理せず健康に気を付けながら毎日投稿しやがれください

    2
  • ミラル ムカデ

    そー言えば井戸さんさぁ
    ……友達、いる?……

    1
  • 影の住人

    皆さんのコメントが怖いんですがそれは

    1
  • 大橋 祐

    思い立ったが吉日という言葉がありましてですね。

    1
  • ノベルバユーザー134974

    井戸の高校の修学旅行は
    どんなだったの?
    ごめん、聞くまでもないか

    1
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