非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果
あたしの告白と俺の答え
七十七話
【金霧杏佳】
一緒にいたい。
それは勇っちにも同じよう思ってた。
それはゲームの中でも、新転勇人が勇っちだと知ったあとの現実でも。
その想いが繰り上がって“好き”って感情になるなら、あたしは勇っちのことを“好きではなかった”。
一時期新天へ嫉妬まがいなことをしていたけどそれはただ、“私の相棒”を取られるのが嫌だっただけ、そこに恋愛的な妬みは含まれていなかった。
そして浅見。
基本興味のない人の名前は覚えられないのだが、今朝を境にあたしは浅見の名前を覚えていた。
なんかもう相当ちょろインだけど仕方ない。
夏休みに鬱陶しいほど付きまとわれて、無条件に寄ってくる犬みたいな感覚だったのに。今朝のを見ちゃった上にあたし以外の女とイチャついてるのみて胸の奥の方がいたくなるなんて。
しかも相手は昔新天に酷いことをした男。
二人はもう許したような素振りをしてたけど私の中では曖昧なのが本音だ。
でも――――そんなの関係ないくらい、私はあいつが…………。
――浅見が好きだ。
あたしは部室のドアに手をかける。
さっき反対側に三郷とかいう女の子が走っていったけど大丈夫かな。
……いや、今は自分の心配!
あぁ、なんか勇っちとレイド挑む時みたいな感覚だな。
手の震えが止まらない。
勇っちはいつも「サクッと攻略しちゃおう、トップランカーさん!」ってあたしを勇気づけてくれるけど、その勇っちは今は私の隣にはいない。
現実で私に勇気をくれる人はいない。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ん?まって。
逆に、このドキドキのままで行っても面白いんじゃない?
極限まで追い詰められ、あたしはそんな変な思考に陥った。
何故か初めてプレイするゲームをやる時のようなドキドキ感が湧いてきたのだ。
「ま、それもゲームみたいで面白いかな」
あたしはドアに掛けた手をもう片方の手で押さえつけるようにして、深呼吸を一つ。
「よし……」
あたしは思いっきりドアを開いた。
形容し難い気味の悪い音はもう鳴り止んでいた。
【浅見冬弥】
「あたし、浅見のことが好き」
頭がパンクしそうだ。
先輩が俺を好き……?
さっきあんなの見たのに?
星に願っても叶えてもらえるかわからないような願いが叶おうとしているのに、何故か言葉が出てこない。
闇討ちされる…………か。
あの時勇人が言ってた意味が分かったわ。
怖いし恐れ多いのだ。
自分が隣にいても先輩のこの魅力を汚してしまうんじゃないかって。
言ったら俺は前科持ちだから。
「そ、その……」
「あたし気にしないから。だって――」
――あぁ……この笑顔だ。
この人のためなら命すら捧げる。そんなことを思ってしまうような魅力的な笑顔。
「そんなのどうでも良くなっちゃうくらい浅見のことが好きだから」
めのまえが   まっくらに   なった!
違う違う!
色々聞きたいことはあるけど、今はこの幸せに飛び込んでしまおう。
「俺も好きです」
俺はめのまえがまっくらになる前に、彼女への愛の言葉を告げた。
【金霧杏佳】
一緒にいたい。
それは勇っちにも同じよう思ってた。
それはゲームの中でも、新転勇人が勇っちだと知ったあとの現実でも。
その想いが繰り上がって“好き”って感情になるなら、あたしは勇っちのことを“好きではなかった”。
一時期新天へ嫉妬まがいなことをしていたけどそれはただ、“私の相棒”を取られるのが嫌だっただけ、そこに恋愛的な妬みは含まれていなかった。
そして浅見。
基本興味のない人の名前は覚えられないのだが、今朝を境にあたしは浅見の名前を覚えていた。
なんかもう相当ちょろインだけど仕方ない。
夏休みに鬱陶しいほど付きまとわれて、無条件に寄ってくる犬みたいな感覚だったのに。今朝のを見ちゃった上にあたし以外の女とイチャついてるのみて胸の奥の方がいたくなるなんて。
しかも相手は昔新天に酷いことをした男。
二人はもう許したような素振りをしてたけど私の中では曖昧なのが本音だ。
でも――――そんなの関係ないくらい、私はあいつが…………。
――浅見が好きだ。
あたしは部室のドアに手をかける。
さっき反対側に三郷とかいう女の子が走っていったけど大丈夫かな。
……いや、今は自分の心配!
あぁ、なんか勇っちとレイド挑む時みたいな感覚だな。
手の震えが止まらない。
勇っちはいつも「サクッと攻略しちゃおう、トップランカーさん!」ってあたしを勇気づけてくれるけど、その勇っちは今は私の隣にはいない。
現実で私に勇気をくれる人はいない。
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ん?まって。
逆に、このドキドキのままで行っても面白いんじゃない?
極限まで追い詰められ、あたしはそんな変な思考に陥った。
何故か初めてプレイするゲームをやる時のようなドキドキ感が湧いてきたのだ。
「ま、それもゲームみたいで面白いかな」
あたしはドアに掛けた手をもう片方の手で押さえつけるようにして、深呼吸を一つ。
「よし……」
あたしは思いっきりドアを開いた。
形容し難い気味の悪い音はもう鳴り止んでいた。
【浅見冬弥】
「あたし、浅見のことが好き」
頭がパンクしそうだ。
先輩が俺を好き……?
さっきあんなの見たのに?
星に願っても叶えてもらえるかわからないような願いが叶おうとしているのに、何故か言葉が出てこない。
闇討ちされる…………か。
あの時勇人が言ってた意味が分かったわ。
怖いし恐れ多いのだ。
自分が隣にいても先輩のこの魅力を汚してしまうんじゃないかって。
言ったら俺は前科持ちだから。
「そ、その……」
「あたし気にしないから。だって――」
――あぁ……この笑顔だ。
この人のためなら命すら捧げる。そんなことを思ってしまうような魅力的な笑顔。
「そんなのどうでも良くなっちゃうくらい浅見のことが好きだから」
めのまえが   まっくらに   なった!
違う違う!
色々聞きたいことはあるけど、今はこの幸せに飛び込んでしまおう。
「俺も好きです」
俺はめのまえがまっくらになる前に、彼女への愛の言葉を告げた。
コメント
クロエル
夢は夢で終わらなければいいんですがね…
頑張って下さいw