非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果

井戸千尋

私のガクガクブルブルと俺の忘れないキス

五十八話   





【新転勇人】






浜辺にひとり残された俺は穏やかな海を眺めながらさっきまでおきていた円香の崩壊について考えていた。
「あれでいいのかなぁ」
さすがにディープな感じになりかけたら引き剥がそうと思ってたけどギリギリのところを攻めてきた感じでどうしたらいいかわからなかった。
それに最後の言葉が「美味しかった」って…………。
「円香ってあんなこと言う子だった?」
だって学園のアイドルだぜ?
下手すりゃ毎日告白されてるレベルの美少女が俺とキスして「美味しかった」ってさ、もう俺がおかしくしちゃったってことなの?俺が円香を変えてしまったの?
そういえばオープンスクールの時も「はなれちゃやーぁ」とか「もっかいしよ」とか言ってたもんな……キスは円香をダメにするのか。
「…………俺もそろそろ帰りますか……」
浜辺からゆっくり立ち上がり、俺も宿へと足を向ける。
それにしても今日のキス…………。
多分死ぬまで忘れられないな。







【新天円香】






「……か………どか…!……円香!」
…………もう朝でしょうか……。
昨日寝るのが遅くなってしまったのでまだまだ眠いです。
「もう朝ですか……?」
「もう朝ですよ!」
「ん〜…そっかぁ……」
おやすみなさ〜い…………。

「――勇っちそろそろ来るみたいだけど」

「おっはようございまーっす!!」
勇人くんは!?
勇人くんはどこ!!
「おお……勇っち効果すごいね」
「先輩グッジョブ!」
………………あれ?
もしかして私……。
「勇人くんは……?」
「あ、ごめん気のせいだったみたい」
騙されたってことですか!!!!
「先輩きらーい!もう知らなーい!」
ふーんだ!
「勇人くん」と聞いた瞬間眠気も覚めてしまいましたし、勇人くん欲も出てしまいました。責任とってくれるのでしょうか。
「あーもうごめんってぇ〜呼んできてあげるからさ」
「私も行きまーす!」
「呼んでって――あっ、まだ良いとは!!真結も……ッ!…あっ…………」
二人は颯爽と部屋を出ていきました……。
……もしやこれが目的で…………。
「顔洗わなくちゃ!歯磨きも!!」
急がなければ!




「顔を洗って……んっ」




「歯を磨いて……んんんんんん」




「髪を整えます!急げ!急げ!」






「ふぅ……完璧です!いつでも来いです!」
後は勇人くんを待つのみ!
私はそう呟きながら洗面所の扉を開け――
「――もう来てたりするんですがその場合はどうしましょうね」
「いきゃんっ!!」
「いきゃんって……」
扉を開けると目の前に笑み混じりの複雑な表情を浮かべた勇人くんが立っていました。
「おはようございます」
「お、おはようございます……って怖いですよ!!」
ガクガクブルブルです!
「あははごめんなさい」
楽しそうに言った勇人くん。
昨日のことは気にしていないということでしょうか。
私はあのあと寝れなすぎたっていうのに……。

ハッ!さては気にするようなことではないと……?
でも舞い上がってあんな事までしてしまったんですよ?

「円香?」
「はいっ!」
ううう……思い出してしまったら今更恥ずかしくなってしまいましたぁ……。

「なんかあの二人はどっかいっちゃったので戻ってくるまで話してますか」
ぐぬぬ……あの二人ぃ……。





【金霧杏佳】






「円香大丈夫ですかね?」
「ん〜大丈夫じゃない?」
あたしたちは勇っちを新天のところへ送り出したあと、旅館のロビーで雑談をしている。
「まぁ勇っちのことだし万が一は起こらないよ」
「先輩は勇人くんのこと信頼してるんですね」
「信頼というか……勇っち大事な時以外だったら大分弱虫だから……かな」
レイドボスとか以外の取引とか煽られたりしたときは大体あたしに泣きついてくるし。勇っちの取引は大体あたしがやってるし。
結構手がかかる相棒なんだよね。
「先輩、勇人くんのこと好きだったりします?」
「すっ―好きじゃない!!違う!そういうのじゃないの!!」

あ、あくまでも相棒で、長い間一緒にいたから新天よりすこし勇っちのこと知ってるだけで!

「本当ですか?」
「ほ、ほんと!!」
「ん〜……じゃあ浅見さんとかは?」
え?
なんであの子?
「さっきも結構な寝相で寝てましたけど」
「あの子ぐいぐい来るからもうちょっと抑えてくれるといいんだけどね」
「ってことは!!ちょっとそこさえ抑えれば付き合ってあげてもいいと!?」
う〜ん………………。

「今のところはナシかな」





【浅見冬弥】





「金霧先輩〜……すげぇ似合ってますよ…………可愛すぎます……」

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