非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果

井戸千尋

私の結婚妄想と俺の担当の女性方

五十一話





【新転勇人】




「ほら!お手本見せてあげる!」








「また失敗ぃ〜…」







「お姉ちゃんだから―」







「また失敗………」







「今度こそお姉ちゃ――――」

「いや、やらせねーよ!?」
「な、なんで!」

散々“お手本”の名の元年上ぶってミスの連続。
お昼の大切な時間に碧さん一人だったのが良くわかります。
「ぐぬぬぬぬぅ…だ、だって私年上だし…」
「紫姉さん」
ずっと俺と紫さんの掛け合いを見ているだけだった左道さんがついに口を開いた。
「姉さんドジで基本的に何も出来ないんだから下がってていいよ。」
まさかの毒舌ッ!!
だけど当の本人は毒吐いたような表情してない。
左道さん素で毒吐いたりするんですね。気をつけます。
「真結ぅ…」
ほら、さすがの紫さんも――
「シビレるぅ……♡」

喜んでいるだと……!?

姉系。
巨乳。
ドジ。
姉ぶりたい。
ドM(NEW)

ちょっと属性つけすぎじゃない?
一昔前の円香みたいになってるよ?渋滞がすごいよ?
「勇人くん、速く作り置きしちゃお」
「う、うん」
紫さんを軽くあしらう左道さんの言うことに、俺は素直に頷くことしか出来なかった。
「そういえば勇人くん――」






【新天円香】






「――円香ちゃん」
碧さんが私を呼ぶ声が聞こえました。
「はい?」
「彼氏くんと同じ苗字っぽいけど家族なの?禁断の恋的な?」
なっ――
「何を言ってるんですか!!禁断じゃないです!」
ま、まぁ、勇人くんが私の弟で…………って妄想はした事ありますけど、現実は違うんです!違うんです………。
「私の苗字は新“天”で、勇人くんは新“転”なんです。読みが一緒なだけなんです」
「あっそうなんだ。へー。」
「ふむふむ」と言いながら数回頷いた碧さん。
「―じゃあ結婚しても漢字が変わるだけで楽だね」
結婚………?
勇人くんと……。
結婚……♡





「ただいまー」
「おかえりなさいあなた。」
「おう、ただいま円香」

「お風呂にします?ご飯にします?それとも………」





「――わ・た・し・? なんちゃって♡」

「ありゃりゃ。相当重症だこと。」
「えへぇ…えへへ…えへへへへ」
「おーい、そろそろ戻っといで」

ハッ!
私今勇人くんとラブラブ結婚生活を送っていたはずでは!?
「妄想はそこまでにして、テーブル席吹いちゃってね」
「も、妄想なんて!……ただ必然的に訪れる未来というかなんというか……んふ♡」
「・・・・・・」
無視!!
黙ってテーブル拭けってことですか!

「…………そういえば勇人く―」

「勇人くんは夜の海とか見たことある?」
「う〜ん……ないと思う」
「そっか!じゃあ今日見てみるといいよ」
なんかいい感じじゃないですか!!
それに後ろでシュンと座ってる紫さんはどうしたんですか?電池切れですか?充電中なんですか!?
「そうだね……円香…一緒に来てくれるかな……」
なん……ですと……?
私の霊圧が消えかかっています……。
「夜の海で一緒にいれたら最高だよなぁ……」

もうその言葉だけで十分ですはい。
私には妄想があるので、もうその言葉だけでおなかいっぱいです。
「あっ!じゃあサプライズとかで、急に今晩円香の寝込み襲って、海に連れ出すとか!私からみんなに言っとくよ?」
「寝込みを襲う…………去勢…」
「去勢?……まぁいいや、とりあえずその作戦で!」
「左道さん本気?」
「うん。だって円香絶対喜ぶよ」
「うぅ〜ん。そうか…。じゃあ頑張るわ……サプライズで。」
「うん、サプライズで!」




聞いてしまいました…………。

サプライズ……。
………ま、まだわかりません…。
サプライズの意味が違うのかも!
私は【サプライズ 意味】で検索しました。


サプライズ(英:Surprise)とは驚き、不意打ちの意味である。日本では他者を驚かせた後に喜ばせる計画やそれを実行することの意味でも使われる事が多いが、時として悪意を持って他者を辱めたりする時にも使われる事もある。


Wikip〇diaさんんんんんんんんん!!!!
今回に関しては喜ばせる計画ってやつですよね!?
やっぱり私は聞いてはいけないものを聞いてしまったのでしょうか……?
それにしても寝込みを襲われるんですか私は。

でも知ってる上で勇人くんにサプライズを仕掛けられるのは何だか心が痛みます……。
だからといって「サプライズなんかじゃなくて私に直接言ってくださいよー!」とも言えないですし……。
「どうしましょう………」

サプライズのことで頭がいっぱいになった私はその後の仕事が一切手につかなくなってしまいました。


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