神話の神とモテない天才~異世界で神となる~

皆鈴

#52再戦の行方

既に儚月とは戦ったことがあるので、何の
神力かは分かっている。儚月の神力は物質変換。
これは発動させるとその物質が駄目に
なってしまう。ただ普通に戦ったら勝てない。
それに加え前みたいに神力を使えなくさせたら
もはや勝ち目はない。

「言っておくが、前みたいに神力を封じる
ことはないから安心してくれ。今はこっちに
それを行える者はいないからな」

儚月は余裕そうに言ってくる。しかし
こちらは動くことはできない。動き方が
分からないからだ。

「豊佳君、どうする?」

サグメちゃんが小声で言う。

「相手の出方を探ろう。相手が少しでも動いたら
一気にケリをつけよう」

とは言ったものの、多分正面突破であいつを
倒すことはできないだろう。

「どうした?今になって怖気づいたか?」

儚月がこちらを煽ってくる。その手には乗るか。

「来ないならこちらから行くぞ」

そう言い放った瞬間、

「避けて!」

とサグメちゃんが叫んだ。きっと予測能力で
感じ取ったのだろう。俺はその場から思いっきり
横に倒れた。俺が元いた位置を見ると、そこは
紫色に変色している。あれが体に当たっていたら
どうなっていただろう。

「大丈夫!?豊佳君」

「ああ・・うん」

サグメちゃんが倒れている俺に言い寄ってきた。
俺は立ち上がる。

「次は逃さないぞ」

「今はあいつを倒すことに専念しよう」

「ええ、そうね」

俺は再びあいつに剣を向けた。

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