気づいたら魔王軍の親衛隊やってた凍結中

AdieuJury

5話

...ここどこだ?

『お主が今回の妾の主かの?』 

え?誰ですかこの幼女

『誰が幼女じゃ!』

...まぁいいや、ここどこ?

『ここは妾の精神世界じゃ』

ふーん...で、お前の名前は?

『妾か?妾に名はない。妾はお主の妖刀、夜刀神の化身じゃ』

へぇ...ってことは、お前が俺をここに連れてきたってことか?

『まぁそうなるの』

なぜだ?

『強いて言うならお主の実力を直に見るため...かの』

ふーん...で、どうなの?

『概ね大丈夫じゃ...おぉ、それともう一つ大事なことがあるのを忘れておった。ここに呼んだ理由は、前回、そして前々回の戦争について教えてやろうと思っての』

マジか!?

『マジじゃ』

お願いします!

『ず、随分潔いのぉ...まぁ良い、教えてやろう。まずは六百年前のことからかの』

歴史書では三つ巴で人族が勝ったって書いてあったけど?

『うむ、そうじゃ。しかしお主が見た歴史書ではには不十分な情報がある』

え?

『獣人族のことについてじゃよ』

...そういえば書いてなかった気がする

『当たり前じゃ。なんせ、獣人族なんていう種族はいないからの』

はぁ!?

『正確に言えば、獣人族は魔族に分類されるのじゃ。この世界の者はなぜか獣人族と魔族を分けておるがのぉ...戦争の結末は歴史書とほぼ同じじゃ』

なるほどな...じゃあ三百年前の戦争は?

『六百年前からの三百年の間で、魔族と獣人族は仲が悪くなってしまったのじゃが、それをある一人の魔族が修復したという話じゃ。それで前回は連合軍ということになっておる』 

その魔族ってまさか...

『前魔王じゃよ』

やっぱりか、なんとなく予想できたけど
んで、今回はなんで戦争起きてんの?

『妾もよく分からんのじゃが...一番の原因は人族の王と宰相、そして周りの貴族どもじゃな。あ奴等が人族が魔族へ恨みを持つよう仕向けている』

よほど戦争がしたいってわけか...

『そうなるのぉ...お、そろそろ時間のようじゃ。次は精神世界ではなく、現実世界で会おうぞ』

できんの?

『お主が妾を具象化してくれればの』

わかった、頑張ってみるよ
時間がかかると思うが、勘弁な

『分かっておるわ、ではまたな』

おう、またな

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「...知ってる天上だ」

知ってるんかい!ってツッコミはいらないぞ?
だって多分...

「カイ...ト?......起きたの?」

イブの部屋だからな

「おう、心配かけたな」
「本当に心配したんだからね!」

と言いながら灰斗に抱きついた
...ロリとはいえやっぱり女の子だな
それに......意外とおっぱいがある

「俺が気絶してからどのくらい時間が経った?」
「え、えぇっと...二日ぐらいよ」

結構長い間寝てたんだな...

「あ、そうだ!カイト、大変なの!」
「なんだ?」

そう聞くと、イブからとんでもない言葉が放たれた




















「勇者が、宣戦布告してきたの!!」

........................................................................................................................え?

「マジか!?」
「大マジよ!」

いくらなんでも早くないか?

「他の戦力は?」
「まだ正確には分かってないけど...多分勇者パーティだけだと思う」

勇者パーティってことはあいつらか...
この世界で何人か増えてるかもしれないが
しかしなんでいま来たんだ?
まぁそんなこと俺の知ったこっちゃあないがな

「いつここに着く?」
「明日の昼頃にはここに着くわ」
「わかった、準備をしようか」
「戦ってくれるの?」

なんでそんな疑問を?

「だって、元々同じ世界の人だったんでしょ?」

あぁ、そのことか

「それなら心配いらない。今はあいつらよりもイブの方が大切だからな」
「~~~~~~~~っ!!!」

ん?なんで顔を真っ赤にするんだ?

「とにかく、まだ時間はあるんだろ?なら準備を済ませよう」
「わわ、わかったわ」

あ、そうだ

「イブ、ちょっといいか?」
「な、なに?」
「用意してもらいたいものがあるんだが...」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日...
宣言通り、勇者パーティが魔王城の目の前まできていた

「遂にここまで来たな...」
「せやな、随分と長かった気ぃするわ」
「もうあれから半年も経つんだもんね...倒せるかな?」
「そうね...(もう少しで灰斗くんに会える!)」
「コウスケたちなら大丈夫よ!」
「そうそう!魔王なんて瞬殺よ!」

とまぁこんな感じで光祐、誠、風香、私、アリア、テルーナが歩きながら話している
アリアとテルーナは、この世界で仲間になった人たちよ
ちなみに、アリアは没落貴族で、テルーナは精霊だ
他にも上から二番目とされているSランク冒険者が、二十名ほどいる
それに...


松島香織
職業 大魔道士
『事象操作』『極大魔法』「上級魔法」「複合魔法」「鑑定」
魔法適性 水、光
称号 勇者

神崎光祐 
職業 勇者
『聖剣』『限界突破』「初級魔法」「上級剣術」
魔法適性 雷、光
称号 勇者

中村誠
職業 騎士
『騎士道』『限界突破』「初級魔法」「中級剣術」
魔法適性 風、光
称号 勇者

新山風香
職業 賢者
『魔法創造』『極大魔法』「上級魔法」「二重詠唱」「索敵」
魔法適性 火、光
称号 勇者

アリア・ハイド
職業 巫女
『神聖魔法』「中級魔法」
魔法適正 地、光

テルーナ・ミスティル
職業 狩人
『必中』「初級魔法」「中級弓術」


これだけスキルを覚えている人族もいないみたいだし、ユニークスキルが二つある人もいないらしいし...まぁ負けることはないでしょうね

「よし、行くぞ!」
「「「「「「おう(はい)!」」」」」」

光祐の号令で、みんなが行動を開始した
するとそこに、真っ黒な鎧を来た人が現れた
そして一言

「ここを通す訳にはいかない」

どうやら敵のようだ

「俺達は魔王を倒すためにここまで来たんだ!無理矢理にでも通らせてもらう!行くぞみんな!『来い!我が聖剣よ!』」

いきなり聖剣を出したわね...
体力を持たせる気はあるのかしら?
まぁ私たちが体力回復をかければいいんだろうけど...

「うおぉぉぉぉ!」
「行っけぇコウスケ!」

光祐の斬撃がモロに入った
みんながまず一人を倒したと思った...だけど

「この程度か?」
「なっ!?」

なんで?普通の魔族だったら今ので死んでるはず...
それを受けて無傷なんて...まさか!

「みんな!そいつは親衛隊の一人かもしれないわ!」
「まぁそれしか考えられんわなぁ...」
「こんなところに出てくるなんて...いくら何でも早すぎじゃない?」

それにしても、この鎧の魔族...なんか懐かしい匂いがする
そんなことを考えていると、光祐が鎧に話しかけた

「お前は親衛隊の一人か?」

この質問に対して鎧は

「そうだ、最近入ったばかりだがな」

と言った
二人はそのまま少し話していた

「お前、名前は?」
「アッシュだ」
「そうか、俺の名前はコウスケ・カンザキだ」
「ではコウスケ、お前はなぜ魔族と戦う?」
「決まってるだろ?この世界を平和にするためだ」
「平和か......くくっ」
「何がおかしい!」
「いやぁ、あまりにも面白くてな...そんなことを言っているということは、お前達は何も知らないということだな」
「なんだと?」
「いや、今はそんなこと関係ないか。その平和?にするためには俺を倒さなければならないが?」
「望むところだ!行くぞみんな!」

遂に戦いが始まった
この時私達は知らなかった
今対峙している魔族が、本当は魔族ではなく、実は私が一番会いたかった人だったということを

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