クラス転移〜オタク共が活躍する世界〜

隙間の隙に

性癖は青碧の塊 どうやらこの世界は俺に日常をくれないようだ

グゥーの音を鳴らす俺の腹が俺の苛立ちを強くさせた。
まず、なぜ俺が苛立っているのかというと、松浦まつうらの奴が又もや俺らにつるんできたからだ。
最初はスルーして、部屋を決めに行くつもりだったが、俺はつるまれずに相坂あいさかが話掛けられていた。
それも少しガタイのいい男3人でだ。
知らない人もいるかもしれないから、一様言っておこう。
相坂は男関係の事で昔なんかあったと、自分で言っていた。
俺らとは趣味が合うから、怖がらないらしいが、元から嫌っている松浦と、その他の男子に囲まれたらそりゃ、話す事なんてまともにできない。
だから、俺は

「おい、お前ら、相坂が怖がっているだろ!」

と、少し怒り気味に言った。
俺の声が廊下中に聞こえたのか、はたまたリアの耳が良かったのかこの屋敷の主であるリリア・レクリアが俺のところに来て、松浦を見るなり少し嫌そうな顔をしてすぐに何時もの顔に戻った。
そもまま俺を見て、どうするの?みたいな顔をした。それは俺が知りたいほどの事だ。

「そうか?それはお前の見間違いじゃないか?」

と、にやけている顔をこちらに向けてきた奴は中西なかにし 一友かずともだ、いつも俺らにつるんでくる奴の1人だ、つまり面倒くさい奴だ。だからワザと嫌がっている所を見間違いじゃないか?、と言いだすのだ。

「確かに、貴方はどこをどう見てそう判断したのかを聞くべきですね…。私たちと貴方達とでは人を見る価値観がまったくと言っていいほどに違うのでね」

そう言った後に、「残念ながら、私たちはオタクでは無いので」、と付け加えた。
ただ単に、自分の適当理論を俺らに話しているのは、野村のむら 高士たかしである。
敬語を使い、一番まともそうなのだが話の意味がチンプンカンプンなのだ。
どこをどう見ればと言うよりも、どこをどう見ても嫌がっている事を理解出来てないのがおかしい。
その理不尽さに屋敷の主は痺れを切らしたようで、リアがそいつらを怒った。
そのおかげで、相坂は解放された。

という事が、今の俺をここまで苛立たせていた。
リアも隣でブツブツなんか言っている。
そのまま俺とリアは相坂を連れて食事処に向かった。
さっき、リアにこの屋敷の構造や各部屋の場所を教えてもらった。
一回しか聞かなかったが、まるで思い出すのかのようにこの屋敷の構造を覚えられた。
グゥー、またお腹が鳴った、リアが2回目の音に対して、うるさい!、静かに出来ないの、と怒ってきた。
そんな、理不尽な事を言われても…。お腹の音がもう出ないことを願うしかできないじゃ無いか。
一様願っている途中で、お腹の音が鳴った…。リアが怖い顔でこちらを見てくる。なぜか笑いながら見てくる、ワァオ、本気で怒ってらっしゃる…。すいません、と俺はどこの会社にいる社員をも驚かせるほどの綺麗な土下座をしてやった。

土下座してすぐに手を引っ張られた。
リアは土下座した状況から手を引くと引きずることになるとは予想をしていないのか、ワザとなのか、俺を引きずって食事処に連れてった。
相坂は、無言でその場を立ち去った。俺を可哀想に、と見ながら。俺は、そう思うなら助けてくれ、と訴えたが、どうやら先にいなくなっていた。
引きずられて、すぐに食事処についた。そこで、リアは俺を引きずっていたことに気付いた。

「ごめん、こんなつもりは無かったのよ。ていうか途中で言ってくれれば良かったのに…、私だってそんなに鬼じゃ無いわよ」

確かにそう思うかもしれないが…、これが罰だったら余計に怒られそうで…。しかも、痛っとか言っても気付いてくれなかったから…。流石にこれは罰だなって確信するぜ。

「いや、だって考え事してたんだもん。…仕方ないじゃ無い」

それを言い終わった後に今度はリアのお腹が鳴った。
顔をまるで鳥居みたいに赤くした。

「早くご飯食べましょう」

そう言って、食事処に入った。
中には予想通り誰もいなかった。
どんな奴も、今日知り合った奴と、一緒にご飯を食べようとはしないだろう…。

「そういえば、相坂は?」

そうだった、相坂は俺を引きずるお前を見てどっかに行った、とありのままのことを言った。
そしたら、

「え…、それは色々とまずいわね…」

と小言で言った。確かにマズイだろう、変な性癖を持ってる奴だと思われるからな。
今すぐ、弁解しに行った方がいいという前に料理が出てきた。
白いご飯は、こっちの世界と同じだ。
おかずは、ジェッターの肉だそうだ。
お味噌汁は流石に無かったが、その代わりにコーンスープみたいなのが出てきた。
どの料理も、高級店で出ていても何ら不思議じゃ無いほどの出来だった。
まぁ、そんなところ行ったことは無いが…、あくまで想像の中でだ。
リアはその後お風呂に入りに行った。
お風呂は同行できないから、京喜達がいる部屋に行った。
行った、と言っても何回も違う部屋に入ちまったが…。
それでも何とか見つけた。
部屋に戻った…、いや初めて入るから、部屋に行ったの方が正しいのか…。
まぁ、どちらにせよ、おれはお風呂に行くよりも先にベットで寝てしまった。
そのまま朝まで起きることのなさそうな深い眠りは意外な事で目を覚ます…。
それは、草木が寝静まる時間に俺の部屋に誰も起さないように入って来た。
まさか、俺の首の近くに首を置くなんて、しかも俺にまたがっている。
暗闇で誰か見る事は出来なかったが、女子である事が理解出来た。
普通なら喜ぶところだが、またがっていた奴が意外だった、少なからずとも、俺が予想していなかった奴だ、今思えば充分にヒントはあったのだが…。

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