呪血使いに血の伴侶を。~マイナスからのスタートチート~
C19:リック回収
俺は朝起きてすぐに、マキナさんに朝ごはんを作ってもらい、メアとともにリックの武器屋へと目指した。
急いでいたから、あーのはスルーだ。まぁスルーというより、アーノがいなかっただけなんだがな。
「メア。今日でこの街から出て行くつもりだ。もちろんリックも連れてな」
「はい。私はどこに行こうとついて行くだけですが、アーノさんはいいんですか?」
「んー。どうだろな。ついて来るなら、ついて来るで構わないんだがな」
と、そんなこんなしているうちにリックのところにたどり着いた。そしてなぜかリックは胸の前で腕を組み俺たちを待ち構えていた。
「よしきたな。結果を見せてもらおうじゃないか」
ワクワク顔で聞いて来るリックの顔は、子供のように見えた。
と言うか、リックって何歳なんだ?俺が17でメアが15だが……。そう言えばよくよく考えれば、15歳の嫁を持ってると言うことになるのか。
俺も17だし、日本の規制に届いてないな。こっちの世界でどうかは知らないけどな。今度さりげなく知ってそうなやつに聞くか。アーノとかあたりに。
「みて驚くなよリック。メア見せてやれ」
「はい」
メアは俺の言う通りにこの前と同様、レベルだけが見えるようにリックにステータスを見せた。
すると、リックの顔が驚愕の色に染まる。
「お前たち本当にやったのか?」
「今見えてるそれが、何よりの証拠だろ?」
今リックの目にはしっかりとメアのレベルが見えているはずだ。19という数字がな。昨日9だったから昨日で10も上げたことになる。リックのレベルは18で俺たちの目標は18だった。
「つまり俺たちの勝ちでいいよな?」
「まぁ、これを見せられちゃ信じないわけにはいかないよな」
うんうんと頷くリックの表情はどこか楽しそうだ。
「と言っても、専属って言ったってそうすればいいんだ?」
「どう、か。俺たちは明日にはこの町を出るつもりだ」
「ということは?」
「リックも連れて行く。それで、一緒に旅してレベル上げやら色々するつもりだ。詰まるところ、旅仲間だな」
「つーことはだ。私は店を仕舞わなきゃいけないわけか」
リックは顎に手を当て悩んだ様子を見せる。昨日話を聞いた感じだとそこまでこの武器屋に未練はないものと思っていたが。
「どうしたんだ? もしかしてここを離れたくないとか?」
「いんや、それはどうでもいい」
どうでもいいんだ。
「でしたらどうしてですか?」
横からメアがリックに質問を投げる。
「旅ってことは、いろいろなところ回っていくってことだろ? だから今まで使ってた道具とかも置いていかなきゃなのかなって」
「持っていけばいいじゃないか」
「お前私の荷物とかも考えたら結構な量になるぞ」
俺とメアはその言葉を聞いて目を合わせて笑う。そう言えば、リックには何も説明してないから、歪空の指輪の存在も知らないんだよな。
「それについてはハク様がなんとかしてくれるので、持ってく予定のものを一カ所に集めてください」
「本当に大丈夫なんだな? 大丈夫なんだな!? 集めちゃうからな!」
「は、はい問題ないですよ、ね?」
「あぁ、問題ないぞ」
俺はそのまま、メアの頭の上に手を置いて、耳と耳の間をやさしく撫でる。
すると、リックが驚いたような反応をする。
「お、お前たち結婚してるのか?」
「は? いきなりどうした」
俺は突然の質問に驚いた。確かにメアとは血の契約で伴侶ということにはなっているが実際に結婚式なるものを上げたわけでもない。
だが、何か心当たりがあるのか、メアがブルっと震えた。
「どういうことだ? リック説明してくれ」
この状態のメアは、恥ずかしがってなかなか話そうとしないので、知ってそうなリックに話を振る。
「なんだ? ハクお前知らないのか。狼種って言うのは将来を一生添い遂げると決めた相手にしか自分から頭を撫でさせたり、尻尾を触らせたりしないんだぞ? ましてや勝手に触られて、さっきのメアみたいな表情になることは絶対にない」
なるほど、狼種の中にもそんなおきてみたいなものがあるんだな。俺がちらっと、メアの方を見ると、顔を赤くして俺から逃げるようにそっぽを向いた。
「まぁ、詳しい状況はこの後話すよ。とりあえず荷物をまとめてくれ」
「はいよ。狭いが中に入って待っててくれ」
リックはそう言うと、そそくさと中へと戻っていき、何やら騒がしい音と共に準備をまとめていた。
「まぁ、入って中で待たせてもらうか」
「……は、はい」
しばらくして、リックからお呼びがかかった。工房と思われる場所まで行くと、リックの鍛冶道具と思われるものと、生活用品含めたいろいろなものが大量に置かれていた。まぁ大半が鍛冶道具だが。
「これで、全部だ。さぁどうやって運ぶのか楽しみだなぁー」
何かしてやったりと言いたげな表情でリックが俺のことを見てくる。まぁ歪空の指輪の容量からして問題はないがな?
俺は手っ取り早く近くの物から触れては回収を繰り返していく。その光景を見て、リックは口を大きくかけ、それを見てメアが笑っていた。
「そこまで、回収に時間はかからなかったな」
「それ、アイテムボックスか?」
「まぁな」
「お前ホント何者だよ」
「それも含めて、話していこうか」
仲間になってこれから旅をしていくってことで、俺の血のこと、目的、メアと出会った経緯や、俺のスキル、血侶福音も含めたほとんどのことを話した。
「ふぅーん。なるほどってことはまさか私のことも伴侶にとか考えているわけ?」
その言葉にビクンッと反応したのはメアだった。メアも状況は理解していて、これから増えるかもしれないということは伝えてある。それに対してメアも頷いているわけだが。
「まぁ、可能性も無きにしもあらずってところだな」
「へぇ~。まぁだいたいの状況は理解したよ。とりあえず私はスキルポイント200分集めなきゃね。もちろん手伝ってくれるんだろ?」
「まぁ、当然だな。それじゃあ明日朝迎えに来る。道具とかは俺が持ってていいのか?」
「いいよ、ここまで話して逃げるとかはないだろうしね」
俺たちはその言葉を聞いてリックの武器屋を後にした。
「ただいま」
「おかえり、ご飯ならできてるよ」
宿へと帰宅し、俺たちをマキナさんが出迎える。
「ありがと、ところでアーノは?」
「今日は帰りが遅くなるって言ってたよ」
「なるほど、今日で、宿代切れるよな。俺とメアは明日朝一で、この町を出るつもりでいる」
「何かあるのかい? とても急じゃないか」
「まぁ、急いでるっちゃ急いでるからな。ってことで、アーノに伝えといてくれ。明日朝一でいなくなるぞって」
「わかったよ」
俺とメアはそのまま、夜ご飯を食べ、すぐに眠りについた。
急いでいたから、あーのはスルーだ。まぁスルーというより、アーノがいなかっただけなんだがな。
「メア。今日でこの街から出て行くつもりだ。もちろんリックも連れてな」
「はい。私はどこに行こうとついて行くだけですが、アーノさんはいいんですか?」
「んー。どうだろな。ついて来るなら、ついて来るで構わないんだがな」
と、そんなこんなしているうちにリックのところにたどり着いた。そしてなぜかリックは胸の前で腕を組み俺たちを待ち構えていた。
「よしきたな。結果を見せてもらおうじゃないか」
ワクワク顔で聞いて来るリックの顔は、子供のように見えた。
と言うか、リックって何歳なんだ?俺が17でメアが15だが……。そう言えばよくよく考えれば、15歳の嫁を持ってると言うことになるのか。
俺も17だし、日本の規制に届いてないな。こっちの世界でどうかは知らないけどな。今度さりげなく知ってそうなやつに聞くか。アーノとかあたりに。
「みて驚くなよリック。メア見せてやれ」
「はい」
メアは俺の言う通りにこの前と同様、レベルだけが見えるようにリックにステータスを見せた。
すると、リックの顔が驚愕の色に染まる。
「お前たち本当にやったのか?」
「今見えてるそれが、何よりの証拠だろ?」
今リックの目にはしっかりとメアのレベルが見えているはずだ。19という数字がな。昨日9だったから昨日で10も上げたことになる。リックのレベルは18で俺たちの目標は18だった。
「つまり俺たちの勝ちでいいよな?」
「まぁ、これを見せられちゃ信じないわけにはいかないよな」
うんうんと頷くリックの表情はどこか楽しそうだ。
「と言っても、専属って言ったってそうすればいいんだ?」
「どう、か。俺たちは明日にはこの町を出るつもりだ」
「ということは?」
「リックも連れて行く。それで、一緒に旅してレベル上げやら色々するつもりだ。詰まるところ、旅仲間だな」
「つーことはだ。私は店を仕舞わなきゃいけないわけか」
リックは顎に手を当て悩んだ様子を見せる。昨日話を聞いた感じだとそこまでこの武器屋に未練はないものと思っていたが。
「どうしたんだ? もしかしてここを離れたくないとか?」
「いんや、それはどうでもいい」
どうでもいいんだ。
「でしたらどうしてですか?」
横からメアがリックに質問を投げる。
「旅ってことは、いろいろなところ回っていくってことだろ? だから今まで使ってた道具とかも置いていかなきゃなのかなって」
「持っていけばいいじゃないか」
「お前私の荷物とかも考えたら結構な量になるぞ」
俺とメアはその言葉を聞いて目を合わせて笑う。そう言えば、リックには何も説明してないから、歪空の指輪の存在も知らないんだよな。
「それについてはハク様がなんとかしてくれるので、持ってく予定のものを一カ所に集めてください」
「本当に大丈夫なんだな? 大丈夫なんだな!? 集めちゃうからな!」
「は、はい問題ないですよ、ね?」
「あぁ、問題ないぞ」
俺はそのまま、メアの頭の上に手を置いて、耳と耳の間をやさしく撫でる。
すると、リックが驚いたような反応をする。
「お、お前たち結婚してるのか?」
「は? いきなりどうした」
俺は突然の質問に驚いた。確かにメアとは血の契約で伴侶ということにはなっているが実際に結婚式なるものを上げたわけでもない。
だが、何か心当たりがあるのか、メアがブルっと震えた。
「どういうことだ? リック説明してくれ」
この状態のメアは、恥ずかしがってなかなか話そうとしないので、知ってそうなリックに話を振る。
「なんだ? ハクお前知らないのか。狼種って言うのは将来を一生添い遂げると決めた相手にしか自分から頭を撫でさせたり、尻尾を触らせたりしないんだぞ? ましてや勝手に触られて、さっきのメアみたいな表情になることは絶対にない」
なるほど、狼種の中にもそんなおきてみたいなものがあるんだな。俺がちらっと、メアの方を見ると、顔を赤くして俺から逃げるようにそっぽを向いた。
「まぁ、詳しい状況はこの後話すよ。とりあえず荷物をまとめてくれ」
「はいよ。狭いが中に入って待っててくれ」
リックはそう言うと、そそくさと中へと戻っていき、何やら騒がしい音と共に準備をまとめていた。
「まぁ、入って中で待たせてもらうか」
「……は、はい」
しばらくして、リックからお呼びがかかった。工房と思われる場所まで行くと、リックの鍛冶道具と思われるものと、生活用品含めたいろいろなものが大量に置かれていた。まぁ大半が鍛冶道具だが。
「これで、全部だ。さぁどうやって運ぶのか楽しみだなぁー」
何かしてやったりと言いたげな表情でリックが俺のことを見てくる。まぁ歪空の指輪の容量からして問題はないがな?
俺は手っ取り早く近くの物から触れては回収を繰り返していく。その光景を見て、リックは口を大きくかけ、それを見てメアが笑っていた。
「そこまで、回収に時間はかからなかったな」
「それ、アイテムボックスか?」
「まぁな」
「お前ホント何者だよ」
「それも含めて、話していこうか」
仲間になってこれから旅をしていくってことで、俺の血のこと、目的、メアと出会った経緯や、俺のスキル、血侶福音も含めたほとんどのことを話した。
「ふぅーん。なるほどってことはまさか私のことも伴侶にとか考えているわけ?」
その言葉にビクンッと反応したのはメアだった。メアも状況は理解していて、これから増えるかもしれないということは伝えてある。それに対してメアも頷いているわけだが。
「まぁ、可能性も無きにしもあらずってところだな」
「へぇ~。まぁだいたいの状況は理解したよ。とりあえず私はスキルポイント200分集めなきゃね。もちろん手伝ってくれるんだろ?」
「まぁ、当然だな。それじゃあ明日朝迎えに来る。道具とかは俺が持ってていいのか?」
「いいよ、ここまで話して逃げるとかはないだろうしね」
俺たちはその言葉を聞いてリックの武器屋を後にした。
「ただいま」
「おかえり、ご飯ならできてるよ」
宿へと帰宅し、俺たちをマキナさんが出迎える。
「ありがと、ところでアーノは?」
「今日は帰りが遅くなるって言ってたよ」
「なるほど、今日で、宿代切れるよな。俺とメアは明日朝一で、この町を出るつもりでいる」
「何かあるのかい? とても急じゃないか」
「まぁ、急いでるっちゃ急いでるからな。ってことで、アーノに伝えといてくれ。明日朝一でいなくなるぞって」
「わかったよ」
俺とメアはそのまま、夜ご飯を食べ、すぐに眠りについた。
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