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呪血使いに血の伴侶を。~マイナスからのスタートチート~

創伽夢勾

C14:シーナのギルド

「メア、とりあえずこれでも来てくれ」

 俺がそう言って歪空の指輪から取り出したのは黒を基調とした女の子用の服だった。
 多分、ノアの私物だろう。もともとこの指輪の中に入っていた服だしな。
 俺がポイっと服を投げて渡すと、メアはそれをしっかりと受け取る。

「じゃあ俺は先に行ってるからな」

 ついさっきマキナから朝食が出来たという連絡を貰っていたので、早速向かうことにする。

「わ、私もすぐに向かいます」

 俺はそのノアの声を聞いてドアを閉めた。
 食堂の方へ向かうと、すでにアーノがおり、こちらに向けて手を振っていた。
 俺たちのことも考えていたのか席は4人用だった。
 相変わらず気の利くやつだ。

「おう、昨日はよく眠れたか?」
「まぁ、いろいろあったけどな」
「は? いろいろ……ってまさか」

 アーノは俺から身を引くような感じで距離を取る。

「お前の想像してるようなことは無い。まぁ、もう直わかる」
「お、お待たせいたしました」

 そんな声と共に現れたのは俺が用意した服を着たメアだった。
 俺はそんなメアに見惚れたのだろうか、しばらく目が離せなかった。

「ハ、ハク様そこまで見られるとそのは、恥ずかしいです」
「わ、わるい」

 俺はすぐにメアから視線を外す。そして、横を見ると、口をパクパクさせながら驚いているアーノがいた。

「お、おま、これがあのメアなのか?」
「メア以外の誰かに見えるか?」

 そんな俺たちの会話を聞きにこっと微笑むメア。俺たち以外の客もそのきれいな姿に見惚れていた。
 俺はアーノに昨日の事情を言えない部分を除いて適当に説明した。
 アーノから出た結論は俺が規格外というものだった。
 ただこのスキルが万能過ぎるだけなんだけどな?
 まぁそれでもここまで変わったら誰でも驚くよな。

「まぁ、大体の事情は理解した。改めまして、俺はアーノ・ヴァチカル。よろしく頼む」

 アーノがメアに握手を求めるように手を差し出す。メアは、それを恐る恐ると言った感じに手に取り、そっと握った。

「わ、私はメア・フェンリルです。あの時はありがとうございました」

 あの時とは俺たちがメアを助けたときのことだろう。そこまで気にしなくてもいいのにな。

「いや、したかったからしただけだ。それに真っ先に向かったのはこいつだしな」

 そう言って、アーノが俺を指さす。メアからはすでにお礼を言われている。俺たちはそのまま、朝食を食べながら今後の予定について詰めることにした。

「アーノ、お前はこの後どうするつもりなんだ?」
「あっ俺か? 俺はひとまずギルドに向かうが、そう言えばお前も冒険者になりたいんだっけか。まぁそれだけの腕があれば十分すぎるよな。一緒に行くか」
「あぁ、頼む」

 元々この後ギルドに行く予定だったんだ。アーノがいれば多少は楽にできるだろ。
 それに、今後の為にメアの使う武器も買っておかなきゃいけないしな。
 俺はここで、メアの来ている服を鑑定してみた。

 黒隠テルス:特異種と呼ばれた消音蜘蛛ステルススパイダーと呼ばれた蜘蛛を素材として作られた暗殺服。
 服に意識を向けることで、周りから認識されずらくなる。

 これ、暗殺服だったのか?
 まぁ一応血侶福音で取得した短剣を使ってもらう予定だが、後でスキルを取ってもらわなきゃな。
 ついでにポイント関係のスキルも取れるか確かめとくか

「メアも、一応冒険者登録しとくか」
「ハク様がそう言うなら」

 とりあえず、予定も決まったことだしサッサと向かうことにしよう。
 俺たちは飯を終わると早々に宿を出た。

 シーナの町はそこまで大きくはないが、それなりの人口がありそうだ。
 いろんな店の露店で人が買い物をしている。
 その市場らしきところに武器やらしきものも見つけることが出来た。後で寄ることにしよう。
 そんなこんなでぶらぶらと歩いていると、目の前に他よりも丈夫にかつ大きい建物が見えた。

「ここが、シーナの町のギルドだ」

 俺たちがなかに入ると、ちらほらと視線がこっちに向く。

「あっ、アーノさんじゃないですか」

 ぴょんぴょんと跳ねながら、目の前の受付嬢が手招きしている。
 周りからはひそひそと色んな声が聞こえてくる。
 アーノがCランク冒険者だとか、あの女の子可愛いとか、なんだあの黒髪とか。
 どうやら、アーノはそれなりの実力者で、俺の髪の色は珍しいらしくて、メアが可愛いと。

「アーノさんお久しぶりです」
「あー久しぶりだな、シーファ」
「こちらの方々は?」

 シーファと呼ばれた受付嬢が俺たちのことをアーノに聞く。
 そう言えばなんかアーノの奴、女性の知り合い多くないか?
 そんなことを考えていると、アーノに背中を叩かれる。

「こいつらは冒険者になりたいんだと。こっちの子は訳アリだが、こいつの実力は俺が保証するぜ」
「へぇーあのアーノさんが認める新人さんですか」

 受付嬢がカウンターから出てきて、じっくりと俺を観察するようにいろんな角度から見てくる。

「おい、シーファ?」

 あきれた様子のアーノがシーファに呼びかけると、ビクンとしながらも俺たちに自己紹介を始めた。

「あっすみません。私はこのシーナの町のギルド受付をしてます。シーファ・ファストです。よろしくお願いしますね」

 自己紹介をした後シーファは再びカウンターへと戻る。
 自己紹介はされたら返すもの。

「俺の名前はハク。よろしく頼む。それでこっちが」
「メア。フェンリルです」

 メアが自己紹介をすると、周りから「あの子メアちゃんっていうのか」「この後食事とか誘えねーかな」「手かあの男誰だよ」
 とか、いわれ放題である。
 そこまで人との関わりがなかったメアは少し気まずそうな感じだ。

「手っ取り早く頼む」
「はい、了解しました」

 シーファは手際よく俺たちから情報を聞き、ギルドーカードを作成した。

「再発行には銀貨一枚かかりますのでご注意を。それでは次にランクの説明に参りますね」

 そう言ってシーファが取り出したボードにはピラミッドが書いてあった。階層ごとにランクが書いてある。

Sランク(人外)
Aランク(化物)
Bランク(達人)
Cランク(熟練)
Dランク(一般)
Eランク(駆け出し)
Fランク(新人)

ということらしい。俺たちのギルドカードにはしっかりとFという文字が刻まれていた。

「ハクさんたちはまだ登録し立てなのでFランクスタートですね。依頼は一つ上のランクまで受注可能です。失敗したりすると違約金が発生するので注意してください。依頼を連続で10回成功させますとランク昇格です。上のものを受けても回数は変わりませんのでよろしくお願いします」
「わかった」
「ちなみに俺と一緒にクエストを受けてもいいが、ランクが上の奴とパーティを組むと受けられるランクが上がるが、達成する回数は変わらないってことになるな」
「なるほど」

 アーノが補足説明を入れる。つまり、アーノと組んで、レベルの高いところに挑んでレベル上げもいいってことか。特に冒険者ランクは求めてないからな。まぁメアの戦い方とか、安全確認をしてからだな。

「依頼には討伐、護衛、採取、特殊の4種類があります。討伐の場合、倒したモンスターの体の一部を討伐証拠として必要になりますので、忘れずに持ってきてくださいね」

 討伐部位とかは歪空の指輪に入るし問題はないか。

「もう依頼は受けますか?」
「いや、後でもう一度来ることにするよ。とりあえずは装備をそろえないとな」

 メアに持たせる武器をさっき見かけた武器やで買おう。その後スキル振ってから一度依頼を受けてみるか。

「俺はちょいと用事があるからよ、また夜な」

 アーノは受付のシーファと共に奥の方へと入っていった。

「じゃあ俺たちも行くか」
「はい。ハク様」

 俺たちも自分の武器を求めて、武器屋に向かうことにした。



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