呪血使いに血の伴侶を。~マイナスからのスタートチート~

創伽夢勾

C10:セルレーナの宿

 俺たちはあの後、アーノに連れられシーナの町に来ていた。
 アーノのが身分保証人になってくれたおかげで、街には無事入ることが出来た。
 メアも奴隷としては見られず、一緒に入ることが出来た。
 メアがいくら自由になったとはいえ、こんな不自由な状態で、しかも行く当てのない女の子を頬っておけるわけもなく、とりあえず一緒に居ることになった。
 メアは断ることもなく俺たちのあとを付いて来る。

「ここでいいだろう。俺もここに泊まるから」

 と、アーノに紹介された宿は、セルレーナの宿という場所だった。
 アーノが冒険者になった時から利用している宿だそうだ。

「わかった。なら俺たちもここで止まるか」

 俺がメアにそう聞くと、メアはコクリと頷いた。
 ここにすればアーノもいるし安心だろう。
 俺がアーノに泊まることを伝えると「なら入るぞ」と言ってその宿の扉を開けた。

「いらっしゃいませ、ってアー坊じゃない」

 アー坊? なるほど、アーノのことか。

「ちょっ、こいつらの前で、アー坊はやめてくれよ」

 俺たちの目の前にはアーノと歳の変わらなさそうな女性がいた。
 この様子を見る限り、相当長い付き合いのように見える。

「なんだ、お客様を連れて来たんだね。久しぶりに来たと思ったら、いい仕事するじゃない」

 すると女性はアーノの背中を叩く。パシンっといい音が鳴る。
 そして、ものすごくアーノが痛がってる。

「まぁ、あれは置いといて、ようこそセルレーナの宿へ。私は一応ここの店主をしてるマキナだよ、よろしくね」
「俺はハク。それでこっちは……」

 俺はそこで息詰まる。どう説明しよう。元奴隷とか説明するわけにはいかんし、かと言って、メアは喋れないし。

「ん?」
「あぁ、この子の名前はメア。分け合って目と喉が不自由なんだ」

 俺からはこう説明するしかなかった。ちらっとメアを見ると、驚いたような表情をしていた。
 その理由はきっと、俺が名前を知っていたことに関するものだろう。
 契約書で見たのもあれだが、俺は鑑定眼が使えるからいつでも確認することはできる。
 あとで確認しておこう。

「それで、何拍の予定?」
「うーん。とりあえず3日分で頼む。メアは……」

 俺がメアの部屋をどうするか考える。お金的には二人分ぐらいは余裕だ。そんなことを考えていると、ローブの裾を誰かに引っ張られる。
 もちろん引っ張っていたのはメアだ。

「その子、あんたと同じ部屋がいいって言いたいんじゃないの?」

 マキナがそうメアに聞くと、メアはコクリと頷いた。
 どうやらそうらしい。まぁ、試したちというより、したいことがあったため、それでもいいか。と自分で言い訳しながら、この場の雰囲気に流されることを決めた。

「ふふっ、わかったよ一部屋ベット二つね。それで三日分ならこれぐらいかな」

 マキナが俺に値段の提示をしてくる。すると、さっきまで痛がっていたアーノがその価格に反応する。

「あれ、いつもより安くないか?」
「そりゃそうだよ。メアちゃんの事情とか考えたらそこまでお金とれないよ」
「なるほど、意外と気が利くんだ、って痛い!」

 アーノがすべてを言い終わる前に、マキナがアーノの背中にまた重い一撃を思見舞いする。

 俺はそんな状況を見ながらも、マキナにばれないようにすっと歪空の指輪から、金貨一枚を取り出す。

「すまない。今細かいのがないんだ」
「ってそれ金貨じゃないか。ちょっと待ってな、今お釣り用意するから。

 マキナはそう言うと、台所の奥まで行き、しばらくしてから袋を持って帰って来た。

「もら、銀貨97枚と銅貨50枚だよ」

 その袋は結構重たそうに見えた。実際渡されて持ってみると、本当に重たかった。

「部屋はそこの道の角を右に曲がった突き当りだよ。アー坊はその部屋の向かいね」
「だからアー坊はやめてくれって」

 そんなアーノの声はむなしく、マキナは台所の奥に引っ込んでいった。
 ご飯は後で呼びに来てくれるそうだ。
 今は時刻的には夕方ぐらいだ。ご飯にはまだかかるだろうから、とりあえず説明から先にしてしまうか。

「アーノ、この後荷物を整理したら俺たちの部屋前来てくれ。説明するよ」
「わかった」

 俺はアーノの返事を聞くと、メアを連れて、指定された俺たちの部屋へと向かった。
 中に入ると、テーブルと椅子が一つ。クレーゼットが一個。ベットが二つあり、テーブル上にはこの部屋の鍵が置いてあった。
 俺は右側の窓に近いベットを選び、もう一個のベットをメアに使用するよう言った。
 奴隷として連れてこられたメアに荷物はなく、俺の荷物は歪空の指輪はに入っているため、特に何かするわけでもなく。俺はベットに腰掛けながら、今後の予定を考えていた。

 まず。この後はアーノとメアに俺のことに関する説明だ。
 あの戦闘のあと発覚したことだが、どうやら血帝ノ操呪のスキルを発動している間、俺の目は黒から赤に変わるらしい。
 これで、吸血とかするんだから、まるで吸血鬼みたいだな。
 まぁ、それは置いといてだ。問題はこれだ。
 俺はステータス画面を目の前に広げる。

『ハク・ブラッド・ドミネート 18歳 男  
 LV:23
 称号:転生者
 種族:血成種ケッセイシュ
 血液:180/700
 スキル:血帝ケッテイ操呪ソウジュ:(固有スキル)
    ・血液操作ケツエキソウサ
    ・血性変化ケッセイヘンカ
    ・血契魔法ケッケイマホウ
    ・吸血キュウケツ
    ・血侶福音(ケツリョAフクイン)
     血術身化ケツジュツシンカ:(種族スキル)
     剣術 :(A)
     闘拳術:(A)
     蹴撃術:(B)
     短剣術:(A)
     槍術 :(A)
     薙刀術:(B)
     鎌術 :(A)
     弓術 :(A)
     盾術 :(B)
     投擲術:(B)
     操糸術:(B)
     鎖術 :(B)
     鑑定眼:(A)
     自動再生:(S)
     スキルpt倍化
     獲得pt増加
     経験pt共有
 補助 :二刀流:(B)
     片手持ち:(A)
     両手持ち:(B)
     見切り:(B)

 スキルポイント:-13874
 才能ポイント :500
 装備:黒白竜コクハクリュウのローブ
    歪空ヒクウの指輪
    魔封マフウのバンテージ』

 これを見てわかる通り、血の残量が少ない。あの戦闘で使い過ぎたみたいだ。
 寝れば徐々に回復するが、効率が悪い。
 すると、俺の視線は自然とメアの方に向いてしまう。
 その腰であるきれいな銀髪、整った顔、そのたまにある神と同じ色のした獣耳、そして背中の方で瞬としている尻尾。俺はそんなメアに一瞬目が奪われてしまった。
 だが、俺はそんな無理やり誰かの血を吸ったりしたいわけではないため、そこは自重する。まぁ、同意があれば問題ないんだけどな。
 それともう一個分かったのが、レベルが10上がるごとに血液の容量が100ずつ増えているのだ。このままこれが続くとは限らないが、やはりレベルは大事そうだ。

 そんなこんなでいろいろ考え事をしていると、俺の耳にドアをノックする音が聞こえた。
 「はいるぞー」というアーノの声に俺は許可を出し、アーノを部屋の中に招きいれた。

「呪血使いに血の伴侶を。~マイナスからのスタートチート~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • 瑞樹の相棒ヤゾラっち

    ね?簡単でしょ?でチュウニズムしたくなった。

    1
コメントを書く