呪血使いに血の伴侶を。~マイナスからのスタートチート~
C5:血契魔法
俺は起きるとすぐにステータスを確認した。気になることがあったのだ。
それは血の量だ。
確認すると、一晩で50も血の量が回復している。
やはり、吸血だけが手段ではないか。効率は悪いけど。
それでもないよりはましだ。
俺はステータスを確認し終わると、村長に挨拶をしてから外に出る。
時刻は正確には分からないが、結構寝た気はする。
村の入り口に向かうと、すでにアーノが準備を整え待っていた。
「案外遅い起床だな」
「まぁな、昨日は疲れててな」
お互いの顔を見てふっと笑う。
「とりあえず行くか」
「あぁ、道案内頼むよ」
俺たちはそのまま村を出て、街を目指した。
道中、俺はアーノからそれとなく情報を引き出していた。
引き出した情報は主にこの世界の通貨だ。
ギルドについても聞きたかったが、どうせ後で冒険者になるのだから今はスルーしておいた。
この世界の通貨は、銅貨・銀貨・金貨の三種類。
銅貨100枚で銀貨1枚。銀貨100枚で金貨1枚と意外と単純だ。
この質問をしたとき、アーノは俺にお前大丈夫か?と言いたげな目を向けてきた。
俺が異世界人で、しかも人外転生した。なんて信じて貰えなさそうだし、なにより言いにくい。
これ以上質問して下手に勘繰られると困るので、質問はとりあえずやめておく。
血についても、自分から公開するつもりはない。ただ使わなければいけない状況なら普通に使うつもりだ。できれば隠しておきたいというのもあるから、できるだけばれないようにだ。
そんなこんなで、歩き始めて結構時間がたった。道中ちょくちょく魔物らしきものを見つけるが、今のところさして危険もない。
アーノがだいたい大剣で処理してしまう。俺よりもあーのが処理する方が手っ取り早いなんせ今の俺の武器はこの拳一つだからな。
「そういえば、ハク。武器は持ってないがどうやって盗賊を殺したんだ?」
「あぁ、それか。俺の武器はこれだよ」
俺はそう言って手と足を叩く。
「殴って相手の武器を奪って刺す。単純だろ?」
「結構無茶やるのな」
これは予想されてた質問だ。疑問にはなるだろうなと言い訳を考えておいてよかった。
すると、左右にある林が揺れた。
俺たちがいま歩いているのは、整備された道だがそれは森を突っ切るように作られた道だ。
もちろん魔物も出てくる。さっきから何体か出てきているが、この揺れ方は……。
草が揺れそこから出てきたのは二体の熊型の魔物だった。
「なっ!? こんなところにワイルドグリズリーかよ」
やはり魔物にも名称があるのだろう。
俺は試しに、鑑定眼を使ってみる。
『ワイルドグリズリー
LV:25
スキル:闘争本能:(種族スキル) 爪技:(C)
補助 :怪力:(C)』
『ワイルドグリズリー
LV:27
スキル:闘争本能:(種族スキル) 爪技:(C)
補助 :怪力:(B)』
と言うものだった。やはり魔物にもスキルはあるようだ。そしてメスの方が強いのか。
それよりもレベルが高い。普通なら戦わずして逃げるような相手なんだろうな。
そう、ぼーっと魔物を眺めていると、大剣を構えたアーノが俺にこういった。
「正直こいつら2体をお前を庇いながら2体同時はきつい。とりあえずお前は先に行け!」
と、こんなことを言ってくるのだ。
俺はアーノの言葉を無視して、ワイルドグリズリー( )に近づいていく。
「おい、ハク! 話を聞いてたのか?」
「俺のことは気にするな。アーノお前はもう一体をやってくれ」
「は? お前なに言って……ってあぶねー」
アーノは俺に向かって叫ぶ。
後ろから、風を切るように爪が振り下ろされる。
もちろん。そんなことには気づいている。
俺は素早く指輪に魔力を籠め、隠刃を出現させる。そのまま素早く親指の皮膚を切る。
ちなみにこうして親指を、噛んだり切ったりしているが痛みがないわけではない。ただ少し慣れ的なものは感じている。
そして、親指から垂れる血を血液操作で、靴の上へと落とす。そのあとは起動のためのキーワードを口にするだけ。
俺はそっとその言葉を口にした。
『瞬雷』
するとその血を消費して、血契魔法が発動する。
俺の足には雷が纏わりついていた。俺はワイルドグリズリーの爪を躱し、そのまま背後に回る。
血契魔法は血を消費して、自分のイメージ通りの魔法を発動させるというものだ。
そして俺の適性属性は雷と土。あらかじめ、ノアから教えてもらっていた。
特に他の属性が使えないわけではない。ただ、使いやすいのだ。
俺はワイルドグリズリーの背中に両手を添わせ、さらに言葉を紡ぐ。
『鳴雷』
指の傷から出る血を介して掌から雷を放出する。
雷を受けて、麻痺しているワイルドグリズリーの足を払い、仰向けに倒れさせる。
俺は倒れる前にワイルドグリズリーの首を思い切り捻る。
ゴキッ
と言う音共に、ワイルドグリズリーは地面へと倒れ、二度と起き上がることは無かった。
そして、俺の頭の中には毎度おなじみぴこーんと言う音が鳴り響いた。
横を見ると、丁度アーノもワイルドグリズリー( )を倒し終わったようで、大剣を担いで、こちらに向かってくる。
そして、仰向けに倒れるもう一匹のワイルドグリズリーを見てアーノは驚いていた。
「と言うか、ハク。お前魔法使えるなら先に言えよ」
「だって聞かれなかったし?」
「ちっ、もういいよ! それよりこいつらどうするか」
しょうがない。どうやら俺の出番のようだ。
「アーノ。こいつら俺が運んでやろうか?」
「は? お前また何言って……」
俺はアーノの言葉を無視して、死体に片手を触れる。そして歪空の指輪の中へと仕舞う。
それを見ていたアーノが、更に驚きの声をあげた。
「お、おおまえそれ、まさかアイテムボックスか?」
「まぁ、そうだな」
「お前それがあれば、家が買えるぞ」
やはり高価なものと言う認識は間違っていないようで、普通持っている物はいないらしい。持っていて貴族やそこらだそうだ。
アーノはどこかあきらめた様に肩を落としていた。
俺はそんな間にステータスを確認する。血の残量が420まで減っている。
その代わりにレベルが3もがっていた。
俺はステータスを閉じ、そのままもう一体も回収して、再びアーノの案内のもと歩き出した。
そんな俺たちが街を崖から確認したとき、一台の馬車が魔物の群れに追われていたのを見つけた。
それは血の量だ。
確認すると、一晩で50も血の量が回復している。
やはり、吸血だけが手段ではないか。効率は悪いけど。
それでもないよりはましだ。
俺はステータスを確認し終わると、村長に挨拶をしてから外に出る。
時刻は正確には分からないが、結構寝た気はする。
村の入り口に向かうと、すでにアーノが準備を整え待っていた。
「案外遅い起床だな」
「まぁな、昨日は疲れててな」
お互いの顔を見てふっと笑う。
「とりあえず行くか」
「あぁ、道案内頼むよ」
俺たちはそのまま村を出て、街を目指した。
道中、俺はアーノからそれとなく情報を引き出していた。
引き出した情報は主にこの世界の通貨だ。
ギルドについても聞きたかったが、どうせ後で冒険者になるのだから今はスルーしておいた。
この世界の通貨は、銅貨・銀貨・金貨の三種類。
銅貨100枚で銀貨1枚。銀貨100枚で金貨1枚と意外と単純だ。
この質問をしたとき、アーノは俺にお前大丈夫か?と言いたげな目を向けてきた。
俺が異世界人で、しかも人外転生した。なんて信じて貰えなさそうだし、なにより言いにくい。
これ以上質問して下手に勘繰られると困るので、質問はとりあえずやめておく。
血についても、自分から公開するつもりはない。ただ使わなければいけない状況なら普通に使うつもりだ。できれば隠しておきたいというのもあるから、できるだけばれないようにだ。
そんなこんなで、歩き始めて結構時間がたった。道中ちょくちょく魔物らしきものを見つけるが、今のところさして危険もない。
アーノがだいたい大剣で処理してしまう。俺よりもあーのが処理する方が手っ取り早いなんせ今の俺の武器はこの拳一つだからな。
「そういえば、ハク。武器は持ってないがどうやって盗賊を殺したんだ?」
「あぁ、それか。俺の武器はこれだよ」
俺はそう言って手と足を叩く。
「殴って相手の武器を奪って刺す。単純だろ?」
「結構無茶やるのな」
これは予想されてた質問だ。疑問にはなるだろうなと言い訳を考えておいてよかった。
すると、左右にある林が揺れた。
俺たちがいま歩いているのは、整備された道だがそれは森を突っ切るように作られた道だ。
もちろん魔物も出てくる。さっきから何体か出てきているが、この揺れ方は……。
草が揺れそこから出てきたのは二体の熊型の魔物だった。
「なっ!? こんなところにワイルドグリズリーかよ」
やはり魔物にも名称があるのだろう。
俺は試しに、鑑定眼を使ってみる。
『ワイルドグリズリー
LV:25
スキル:闘争本能:(種族スキル) 爪技:(C)
補助 :怪力:(C)』
『ワイルドグリズリー
LV:27
スキル:闘争本能:(種族スキル) 爪技:(C)
補助 :怪力:(B)』
と言うものだった。やはり魔物にもスキルはあるようだ。そしてメスの方が強いのか。
それよりもレベルが高い。普通なら戦わずして逃げるような相手なんだろうな。
そう、ぼーっと魔物を眺めていると、大剣を構えたアーノが俺にこういった。
「正直こいつら2体をお前を庇いながら2体同時はきつい。とりあえずお前は先に行け!」
と、こんなことを言ってくるのだ。
俺はアーノの言葉を無視して、ワイルドグリズリー( )に近づいていく。
「おい、ハク! 話を聞いてたのか?」
「俺のことは気にするな。アーノお前はもう一体をやってくれ」
「は? お前なに言って……ってあぶねー」
アーノは俺に向かって叫ぶ。
後ろから、風を切るように爪が振り下ろされる。
もちろん。そんなことには気づいている。
俺は素早く指輪に魔力を籠め、隠刃を出現させる。そのまま素早く親指の皮膚を切る。
ちなみにこうして親指を、噛んだり切ったりしているが痛みがないわけではない。ただ少し慣れ的なものは感じている。
そして、親指から垂れる血を血液操作で、靴の上へと落とす。そのあとは起動のためのキーワードを口にするだけ。
俺はそっとその言葉を口にした。
『瞬雷』
するとその血を消費して、血契魔法が発動する。
俺の足には雷が纏わりついていた。俺はワイルドグリズリーの爪を躱し、そのまま背後に回る。
血契魔法は血を消費して、自分のイメージ通りの魔法を発動させるというものだ。
そして俺の適性属性は雷と土。あらかじめ、ノアから教えてもらっていた。
特に他の属性が使えないわけではない。ただ、使いやすいのだ。
俺はワイルドグリズリーの背中に両手を添わせ、さらに言葉を紡ぐ。
『鳴雷』
指の傷から出る血を介して掌から雷を放出する。
雷を受けて、麻痺しているワイルドグリズリーの足を払い、仰向けに倒れさせる。
俺は倒れる前にワイルドグリズリーの首を思い切り捻る。
ゴキッ
と言う音共に、ワイルドグリズリーは地面へと倒れ、二度と起き上がることは無かった。
そして、俺の頭の中には毎度おなじみぴこーんと言う音が鳴り響いた。
横を見ると、丁度アーノもワイルドグリズリー( )を倒し終わったようで、大剣を担いで、こちらに向かってくる。
そして、仰向けに倒れるもう一匹のワイルドグリズリーを見てアーノは驚いていた。
「と言うか、ハク。お前魔法使えるなら先に言えよ」
「だって聞かれなかったし?」
「ちっ、もういいよ! それよりこいつらどうするか」
しょうがない。どうやら俺の出番のようだ。
「アーノ。こいつら俺が運んでやろうか?」
「は? お前また何言って……」
俺はアーノの言葉を無視して、死体に片手を触れる。そして歪空の指輪の中へと仕舞う。
それを見ていたアーノが、更に驚きの声をあげた。
「お、おおまえそれ、まさかアイテムボックスか?」
「まぁ、そうだな」
「お前それがあれば、家が買えるぞ」
やはり高価なものと言う認識は間違っていないようで、普通持っている物はいないらしい。持っていて貴族やそこらだそうだ。
アーノはどこかあきらめた様に肩を落としていた。
俺はそんな間にステータスを確認する。血の残量が420まで減っている。
その代わりにレベルが3もがっていた。
俺はステータスを閉じ、そのままもう一体も回収して、再びアーノの案内のもと歩き出した。
そんな俺たちが街を崖から確認したとき、一台の馬車が魔物の群れに追われていたのを見つけた。
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