呪血使いに血の伴侶を。~マイナスからのスタートチート~

創伽夢勾

C1:手紙

 俺が目覚めると、そこは小さな小屋だった。

 俺は立ち上がり、体に異常がないかを調べる。
 服も普通に着ているし、特にどこが痛いわけでも、動かしにくいわけでもない。以前より動かしやすいぐらいだ。
 俺は部屋の中に鏡を見つけると自分の容姿を確認した。
 鏡に映ったのは少し赤が混じったような黒い髪。目も黒で、身長も前と変わらない。死ぬ前と容姿はほとんど変わらない。しいて言うなら髪の色だ。赤色なんて混じってなかったからな。
 ノアは人ではない人に転生すると言ったが今のところ普通の人となんら変わりはない。

「ここが、異世界か……。とりあえず周りを調べるか」

 俺は部屋の中を漁った。
 部屋の中から出てきたのは、黒い指輪。それと、一つの封筒。
 俺は封筒を開けた。中から出てきたのは1枚の手紙。この時なんとなく差出人の予想はついていた。

『転生した暁白夜君へ』

 手紙の最初はそう始まっていた。

『この手紙を読めてるって頃は無事に転生ができたようね。よかったよかった。それで、この封筒を見つけたってことは、部屋の中を漁った後だろうね。今君の目の前には黒い指輪があると思う』

 なんでこんなに予想が的中してんだよ怖えーよ。

『ふふん。だって私は君のことをたくさん知ってるからね』

 おい、なんで手紙なのになんで会話が成り立ってんだよ。

『まぁそれは置いといて。その指輪だけど、簡単に説明するならアイテムボックス。異次元ボックス? とりあえず収納用のアイテムね。それと君の能力に役立つ機能も付いているわ。私からのプレゼントよ』

 俺は黒い指輪を手に取り、左手の中指に嵌めた。
 すると、突然体を脱力感が襲う。

『君は今、指輪を付けたわね? そして脱力感に襲われた。その原因は魔力の減少よ。その指輪の名称は歪空ヒクウの指輪。異次元に空間を生成しそこにものを仕舞えるようにするっていうものよ。ちなみに呪いアイテムだから、一度つけると外れないわよ。指を切り落としても別の指に勝手に嵌るから大丈夫よ』

 そんな機能いらないんだけど。

『けど結構便利よ』

 だからさらっと会話方式に戻すな。

『あーごめんね。それでね、もう説明はしたと思うけど、この世界はスキルを重視した世界よ。スキルの取得方法は簡単。レベルを上げて、スキルポイントでスキルを取得する。これだけ、ね? 簡単でしょ? ステータスの見かたは簡単。念じるだけよ。君は特殊だからね。見たら驚くと思うよ?』

 俺は言われたと通りに念じてみる。すると、俺の目の前に世にいうステータスウィンドウとも呼べそうなものが出てきた。

『ハク・ブラット・ドミネート 18歳 男  
 LV:1
 種族:血成種ケッセイシュ
 称号:転生者
 血液:500/500
 スキル:血帝ケッテイ操呪ソウジュ:(固有スキル)
    ・血液操作ケツエキソウサ
    ・血性変化ケッセイヘンカ
    ・血契魔法ケッケイマホウ
    ・吸血キュウケツ
    ・血従福音ケツジュウフクイン
     血術身化ケッジュツシンカ:(種族スキル)
     剣術 :(A)
     闘拳術:(A)
     蹴撃術:(B)
     短剣術:(A)
     槍術 :(A)
     薙刀術:(B)
     鎌術 :(A)
     弓術 :(A)
     盾術 :(B)
     投擲術:(B)
     操糸術:(B)
     鎖術 :(B)
     鑑定眼:(A)
     自動再生:(S)
     スキルpt倍化
     獲得pt増加
     経験pt共有
 補助 :二刀流:(B)
     片手持ち:(A)
     両手持ち:(B)
     見切り:(B)
     回避 :(B)
 スキルポイント:-15470pt
 才能ポイント:500
 装備:歪空ヒクウの指輪』

 一言で言うと、長い。

『ふふふ、きっと今は驚いてることでしょうね。君は私との修行で、いっぱいスキルを取ったというか、取らせたが正しいわね? 全部私が教えたことよ。もちろん代償として、スキルポイントが取得したスキル分と+5000pt分マイナスで始まっているわ。あと、才能ポイントはその人の才能そのままを数値化したものよ。それじゃあ次はスキルポイントについて説明しようね』

 さらっと大事そうなところを流された。
 説明にあったスキルについてはこう書かれていた。

 人それぞれに才能ポイントがあり、全員それを初期値で持っている。
 一般人で50pt程度が基準だそうだ。そしてレベルが1上がるごとにスキルポイントが10pt加算されていき、レベル10置きに才能ポイント分プラスでポイントが加算されるそうだ。

 つまり俺の500という数字はそれだけ俺に才能があるということ……なのか?
 普通に考えたら化け物じゃないか?
 まぁ、今普通じゃない世界にいるんだけどな?
 とりあえず続きだ。

 スキルにはランクがあり、上のランクを取ろうとすれば、それだけptがいる。
 一般スキルはF:10pt E:20pt D:50pt C:100pt B:200pt A:400pt S:800pt必要になる。つまり、Sランクまで取ろうとすると合計で1580ptも必要になる.
 補助スキルにはF:5pt E:10pt D:25pt C:50pt B:100pt A:200pt S:400ptと、一般スキルの半分だ。
 ランクを持たないスキルは物によるが、だいたいは100ptで取得できる。
 と言うことだそうだ。

『つまり、君はみんなよりもスタートダッシュで始めるのよ。あ~せこいわねー(スキルポイントマイナスだけど)』

 おい、なんで俺のせいみたいになってんだ。

『で、君はきっとこの世界で血の伴侶を探すことになると思うわ。この先一人ではきっと足りないから何人もね。やったねハーレムだよ!』

 ちっ、俺の気持ちを知ってるくせに。
 しかし血の伴侶ができる保証なんてない。
 まぁ手紙だからしょうがないんだろうけど。

『そうね。君の気持ちも知ってるわ。私も君が好きだよ』

 おい、この手紙いつ書いたんだよ。

『ひ・み・つ・よ』

 あぁ、なんだかイライラしてきた。

『君は私を迎えに来ると言ったわよね?』

 あぁ、その気持ちは変わらない。

『もし、その気持ちが変わらないのなら。魔王の核を取りに行きなさい。単純に言えば魔王を殺すのね。その核。いわば心臓を手に入れることが、私をその世界に戻す唯一の手掛かりよ。まぁ期待して待ってるわ』

 なるほど俺の目的は今のところ3つってとこか。1つは血の伴侶探し。2つは魔王を殺すこと。3つは魔王を倒すためのレベル上げ。

『親愛なるハクへ、ノアより』

 その最後の一文で手紙は終わっていた。
 俺は旅の準備を進めることにした。



「呪血使いに血の伴侶を。~マイナスからのスタートチート~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く