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二週目村人は最強魔術師!?~元村人の英雄譚~

雪桜 尚

元村人、入学試験を受ける②

入学試験も残すところ模擬戦だけとなり、俺たちは今、昼の休憩である。
「シード、お腹空いたぁ!」
「わかったわかった、ちょっと待ってろ」
俺は、5年前ロストからもらったアイテムポーチから、昼飯を取り出す。これは俺が作った昼飯だ。
「ほら、ちゃんと手を洗ってから食べろよ」
「はーい」
ユーリは、下級の水魔法で水を作り出し手を洗う。ユーリは、鼻歌交じりで弁当の蓋をあける。
「うわー、美味しそう」
率直な感想を述べた直後、ユーリは、弁当にがっつく。
「おい、ユーリ。女の子なんだからそんなにご飯にがっつかない。はしたないぞ」
「はーい」
返事こそしたが、がっつくのをやめる気配はまるでない。

疑問に思ってくれた人はいるだろうか?なぜ料理を俺が作ったのかと。
                                               
                                                            それは簡単だ

ーーーーーーーーーーーーーユーリは、奇跡的なほど料理ができないのだ!!ーーーーーーーーーーーーー

そう、ユーリは、奇跡的なほど料理ができないのだ。一度だけユーリに、料理を作らせたことがある。
その時は酷かった。ユーリは、食べれる物を食べられなくする天才だ。だから、ご飯全般は俺が作っているのだ。(他の家事は完璧にこなしている)
「ごちそうさまでした!!美味しかったよシード!!」
パッと笑顔の花を咲かせる。こんなふとした表情に不覚にもドッキっとしてしまったのは秘密だ。
俺もサッと飯を食べ、 模擬戦の作戦を立てる。
おそらくだが、俺が負けることはない。今最も重要なのは、どれだけ力をセーブして勝つかである。
前の魔法実技で聖龍魔槍・六式を放っているから意味ないかもしれないが、セーブしないよりはしたほうがいいだろう。
「ねえシード!シードってば!!」
ユーリがいかにもな膨れっ面でこっちを睨んでいる。
「ごめんユーリ、考え事してた。それで何?」
「もう模擬戦開始10分前だよ!会場にいこ!」
「ええ!?もうそんな時間?」
どうやら作戦を立てるのに相当な時間をかけていたらしい。
「ありがとうユーリ。ならもう行こうか!」
ライングラン魔法学校入学試験ラストになる、模擬戦の試験会場に向かうのだった。

試験会場に着くと既に9割がた集まっていて、間も無く開始するところだった。
「全員揃ったか?まあ揃ってなくても始めるが」
これ、揃ってなくても始めるんなら聞かなくてもいいと思う。
「この模擬戦は、自分の志望する学科に分かれて行う。基本的には選んだ学科に入学となる。しかし、入学試験の点数が上位3名のものは、特待生として全ての学科で学ぶことができる。そして、入学試験の中で最も配点の大きいのがこの模擬戦だ。皆、全力で取り組むように!!」
学科か………何かで試験を受けようかな?悩んでいるとユーリが話しかけてきた。
「シードは、何科で試験を受ける?」
「俺は召喚科にしようかな。ユーリは?」
「私も一緒〜」
どうやらユーリも、召喚科のようだ。
「よし、それでは、学科に分けれてもらう。剣術科は、俺についてこい。魔術科は、目の前の扉には入れ。
召喚科は、そこにいる眼鏡の女についていけ。それでは、分かれ!!」
生徒が一斉に分かれていく。男子は剣術科に、女子は魔術科にいく傾向が強いらしい。召喚科はと言うとほとんど人がいない。
「皆さんが召喚科で入学するであろう生徒の皆さんですね。私は、メアリと申します。使い魔はブラックリーパーのジャックです。それでは、早速始めます。受験番号順に1人ずつ部屋に入ってきてください」
そう言うと、メアリ先生は部屋に消えていった。
一番手は、イリーナだった。
部屋に入ったイリーナは、20分ほどして、部屋から出てきた。全身傷だらけで、ところどころ服も破れている。
「大丈夫か?イリーナ」
「ええ、大丈夫よ」
さすがに顔見知りを無視はできない。イリーナも、強がってはいるが、かなり辛そうだ。
「ちょっと待ってろ。回復術ヒール
「ちょっとあなた、自分の試験もあるのに私に回復魔法なんて使っていいの?」
「別に問題ないよ」
回復魔法をイリーナにかけ、またユーリの元へ戻る。若干ユーリの機嫌が悪い気がするが気にしない。
それから部屋に入ったものはみんな酷い有り様で帰ってきた。といっても腕がないとかじゃなく、傷の量が半端じゃないのだ。皮膚のみを切り裂くように絶妙にコントロールされたような傷だ。
俺は、帰ってきた生徒に回復魔法をかけていた。そして、ユーリの番が来た。
ユーリが入って1時間ほど経って
ドゴオォオォォォォォォォォォォォォォォォォン
という爆音がして部屋からユーリが出て来た。ユーリは、傷だらけではあったが、なんとか勝利を収めたようだ。
「大丈夫か?ユーリ」
「うん!シードとおんなじくらい強かったよ」
どうやら、あの先生は相当強そうだ。
それから、10人くらいが帰って来た後に、俺の番が来た。
扉を開けると、メアリ先生と、ブラックリーパーのジャックが、並んで立っていた。
「あなたが、期待の新人シード君ね」
「いえいえそんな。僕は期待の新人なんかじゃありませんよ」
「そんな謙遜しないでいいのよ?今の所全ての試験で満点なんだから」
「そんなこと教えていいんですか?」
「いいのよ。それじゃあ、お話もここまでにしてそろそろ始めましょうか」
ジャックが、俺の背丈の3倍ほどもある大鎌を構える。
俺も拳を構える。
「あら?あなた魔法を使うんじゃないの?」
「まあ見ててよ」
ダンッ
俺は鋭く床を踏み込み、ジャックとの距離を詰め、右の拳を胸のど真ん中に打ち込む。
刹那、俺の拳とジャックの胸の接地面に魔法陣が浮かび上がる。
氷が俺の拳を包み込み、ジャックの胸に手が固定される。
俺は、右手で魔法を発動する。
灼熱コロナ陽光インブレイザム
ピキピキと氷にヒビが入り、俺の右手が自由になる。
「意地悪な人だなぁ、先生も。俺の右手ごと凍らせるなんて」
「入学試験ですからね、厳しく行かないといけませんから」
今度はジャックの前の地面に魔法陣が浮かび上がり、爆発する。
土で煙幕を作り、ジャックに不意打ちさせるようだ。
「神纏・壱式」
俺も、この5年間魔法の技術を磨いて来た。それにより、神纏にギアのようなものを作り、持続時間をコントロールできるようになったのだ。

ヒュンッ

空気を切り裂く音がして、背後から袈裟懸けに大鎌が振り下ろされる。しかし、神纏を発動している俺には
遅すぎる。
「そんなんじゃ当たらないよっと」
その場から飛び退いて攻撃をかわし、着地地点に、風魔法を発動してカウンターを決めにかかる。
「かかったわね!!」
メアリ先生は、魔法を発動しようとする。
「かかったのは先生ですよ!!神纏・参式!!!!」
地面を蹴り、さらに魔法で加速する直前に、神纏のギアを上る。予想を上回るスピードで魔法を避け、スピードをパワーに還元して、ジャックに拳を振り抜く。

メキィ

何かが砕ける音がして、ジャックが先生の後方の壁に打ち付けられる。
「まさかこんなに強いとは思わなかったわ。仕方ないから奥の手を使わせてもらうわね!!」
そう言うと、先生は瞳を閉じる。
「魂の盟約の元、我に力を与え給え。顕現武装!ジャック」
カッと眩い光を放ち、先生が漆黒の光に包まれる。次に先生が姿を現した時、先生は黒のローブを身に纏い
大鎌を持っていた。
「これが私の奥の手よ!!」
「先生が奥の手を使うんなら、俺も奥の手を使わせてもらいますね。こい!極氷」
俺が呼ぶと、あたりに吹雪が吹き荒れる。俺の右手に氷の蛇が、うねるようにまとわりつく。
右手を振り下ろすと、吹雪が割れ、愛刀 神聖龍神剣・極氷がその刀身を現した。

「「ここからが本気の戦いですよ(戦いよ)」」

こうして俺たちの、本気の戦いが幕を開けた。

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