二週目村人は最強魔術師!?~元村人の英雄譚~

雪桜 尚

元村人、校長室に呼び出される。

「三人には、入学者代表挨拶、入学記念品授与、入学者代表お礼の言葉を行ってもらう」
「「え……え?」」
俺とユーリの顔はまさしく絶望に染まった。
なぜこうなってしまったのか?それは、少し遡って説明しなければならない。

「主席合格、シード・グリシャス君、次席ユーリ・グリシャスさん、三席イリーナ・グランさんは校長室にお越しください」
校内放送がかかり、校長室に呼び出された。
校長室に入ると、中には校長先生と思しきエルフが座っていた。
「入学おめでとう。まあ座りたまえ」
校長先生に促され、俺、ユーリ、イリーナは、椅子に座った。
「わしは、この学校の校長のアルフレッドじゃ。気軽に、アル先生とでも呼んでくれ」
「わかりました。しかし、何故俺たちは呼び出されたんですか?」
「それは……」
「「「それは?」」」
「入学式について、特待生についての説明のためじゃ」
「なるほど……それでは、説明を頼めますか?」
「よかろう。では、特待生の説明からじゃ。おいメアリ、頼む」
「はい、それでは、特待生というのは、受験成績が上位3名のものです。この特待生になると、様々な特典が得られます。
まず、剣術、魔術、召喚のすべての授業を自由に受けれます。
次に、月に一回あるホームルーム以外は自由です。別に授業を受けなくても構いません。
最後に、研究室、図書室を自由に使用できます。研究室、図書室は、基本誰か先生の許可がいるのですが、特待生は、その学生証を見せるだけで入ることができます。以上が特待生の特典です」
「ありがとうございました」
メアリ先生に頭を下げた。
「とまあ、そんな特典のある特待生じゃが、少しめんどくさいことがあっての……」
「なんですか?めんどくさいことって?」
「学年代表として 、様々な仕事があるんじゃよ。講師の先生にお礼をしたりな」
「それだけですか?」
「ああ、それだけじゃよ?というわけで、三人には、入学者代表挨拶、入学記念品授与、入学生代表お礼の言葉を行ってもらう」
「「え……え?」」
というわけである。
「「何がというわけなんですかー!!?」」
「いやわし言ったじゃろ?学年代表として仕事があるって。初仕事がそれじゃよ。ちなみに、主席、次席、三席の順に言っていったから、シード君が代表挨拶、ユーリさんが記念品授与、イリーナさんがお礼じゃな。明日は頼んだぞ」
「「はい……」」
入学式前日に告げられた衝撃の事実に、肩を落として帰る俺とユーリ。イリーナは、知っていたのか落ち着いていた。
明日の入学式、どうなってしまうのやら……
俺は、胃がキリキリと痛むのを感じながら、ユーリと帰路に着いた。

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