二週目村人は最強魔術師!?~元村人の英雄譚~
元村人、呼び出される。
目を覚ますと、見慣れたいつもの天井だった。
「長いこと寝てたみたいだな……」
起きようとして、体を起こそうとすると、ズキンッと全身に痛みが駆け抜ける。
「痛った!!」
おそらく、レジスタントとの一戦の影響だろう。しばらくまともに運動はできそうにない。
(ちょっとシード?起きてるんだったら手伝ってほしーんですけど)
グリスの声が頭に響く。おれが寝ている間、家事をしてくれていたのだろうか。
仕方がないので痛む体に鞭打って体を起こす。しかし、おなかのあたりに不自然な重さがある。
目をやると、ユーリがスウ、スウとかわいい寝息を立てて寝ていた。
どうやらつきっきりで看病してくれたようだ。
「うにゅう……」
どうやらまだ目を覚まさないようだ。
俺は、ユーリをベットに寝かせる。
時計に目をやると、9時前を指していた。もう学校は始まっている。
朝食をとるために、食堂に向かおうとする。
みぎあしを踏み出した瞬間、さっきの痛みが駆け抜ける。
「回復術」
ヒールを体に施すも、痛みが引く様子はない。どうやらこの痛みは欠損か何かによる痛みと同義のようだ。
よろよろとおぼつかない足取りで、食堂に向かい朝食をさっととる。
部屋に戻ると、
ユーリが目を覚ましていた。
「おはよう、ユーリ」
「おはよ、元気になったのシード?」
「まあな。まだ全快じゃないけど」
俺はおそらく初めてユーリにうそをついた。
俺とユーリは、約2時間遅れで学校に向かった。
学校につくと、俺の周りにはものすごい人だかりができた。
学校最強名高いレジスタントに勝利したのだから当たり前と言えば当たり前だろう。
多すぎる人だかりに若干(相当)うんざりしながら、何とか教室にたどり着くと、一斉に教室にいた、
全員の視線が俺に集中した。
「お、おはよう?」
「「「シード!!大丈夫かぁ!!!!!」」」
3人の男子生徒(名前を覚えていない)が、駆け寄ってくる。
「うおっ、なんだよ。大丈夫だから」
男子生徒がきっかけとなり、クラスメイトのほぼ大半が俺とユーリのもとに集結する。
クラスメイトに囲まれていると、メアリ先生がこちらに歩いてくる。
「シード君、ちょっといいかしら」
「ええ、かまいませんよ」
「三日前にあった会長との一戦の件で話があるから、生徒会室に来てくれと伝言を預かっているわ」
「伝言ですか?誰からです?」
「アイビッツ・ギルガメッシュさんからよ」
アイビッツ・ギルガメッシュ……聞いたことの無い名前だ。
「分かりました。生徒会室に行けばいいんですね。今からでも問題ないでしょうか?」
「ええ、おそらく大丈夫よ。レジスタント君はほぼ一日中生徒会室にいるから」
丸一日?レジスタントは生徒会室で何をしているのだろうか?
ともかく俺は、生徒会室に出向くくことになったのだ。
生徒会室につくと、青い髪の美少女が立っていた。
「待ってたよシード君。レジ兄……じゃなかった、会長は中にいるよ」
「分かりました。あなたが伝言を伝えてくれたアイビッツ・ギルガメッシュさんですか?」
「はい。そういえば自己紹介をしていなかったね!!私は、アイビッツ・ギルガメッシュ。宜しくね」
アイビッツは、手を差し出す。
「よろしくお願いします、アイビッツ先輩」
俺は、アイビッツの出した右手をつかむ。
「そんな堅苦しくなくていいよ。ビッツって呼んで。あと敬語もなしで」
本人が言うならば従った方がいいだろう。
「そうですか。それじゃあ、よろしくビッツ」
俺は、ビッツとの挨拶を終えると、生徒会室の扉を開けた。
「久しぶりだね、シード君」
レジスタントは、全身のいたるところに包帯を巻いた痛々しい姿で椅子に座っていた。
「久しぶりです、会長。その傷、ヒールで治さないんですか?」
ヒール系統の魔法を使えば、体の欠損以外は治せるはずである。
「この傷はどうもヒールで治らないようなんだよ。それを含めて君に質問があるから呼び出したんだよ」
「そうですか。なんか申し訳ありません会長」
「ああ、やめてくれそんな堅苦しい言葉遣い。俺もこの口調疲れんだよ。お前ももっと楽にしてくれ」
やはり、レジスタントは口調を作っていたようだ。
「分かりました。それじゃあ俺も口調を崩しますね、会長」
「ああ、それもなしだ。会長じゃなくて、レジスタントでいい」
「分かった。これでいいか?レジスタント」
「ああ、それじゃ早速だが質問を始めさせてもらう」
質問と言われても何を聞かれるのだろうか?
「まずは一つ目だ、お前の父親の名前を答えてくれ」
オヤジの名前?
「俺の親の名前は、ロスト・グリシャスだ」
「そうか、やはり……」
レジスタントが神妙な顔でうなずいている。
「おい、レジスタント。俺のオヤジは確かにロストだが、それがどうした?」
俺のオヤジは、剣術の修行以外は何もすることの無い暇人のはずだ。
「それがどうしたってお前、ロスト・グリシャス様と言えば、我がヘスティア王国、中央騎士団総帥にして、
中央魔導士団総帥システィーナ様の婿殿にあらせられる方だろうが!!!」
「本当か?それ」
信じれるわけの無いことを言われて、おれは動揺を隠せないでいた。
「当たり前だろうが!!この国、いやこの世界で、それを知れねえ奴は、獣人の国ガウス王国の、一部の奴と
暗黒大陸の魔物ぐらいじゃないか?」
「そんなに有名なのか?」
「そんなに有名なの!」
どうやらこれはもう認めるしかないようだ。
しかし、そんなに有名とは……何をしたのか。
「それじゃあ、いたいけな後輩に教えてくれると嬉しいんだが」
「マジックマテリアルとかいう恐ろしい魔法を使いこなし、剣術、魔力量ともに素晴らしい。
さらには、神霊化とかいう大技を使うような奴は、かわいい後輩とは言わないだろ……まあいいか。その教えてほしいことって何だ?」
なんだかんだで教えてくれるようだ。
「俺のオヤジは何をしたんだ?」
「お前そんなことも知らないのか?」
「あいにく……」
どうやら常識らしい。
「ロスト様とシスティーナ様と言えばだな、内乱に荒れていたこの国を統制し、暗黒大陸に降臨した魔王を討伐なさった方じゃないか」
「へぇー」
俺の両親ってそんなにすごい二人だったのか……
「まあいいや、ほかに質問はないのか?レジスタント」
「いや、あるにはあるが、両親のことはもういいのか?」
「別にいいよ。すごい二人なんだなぁと思っただけで、おれとは関係ないしな」
「そうか、それじゃあ質問に移るぞ。お前の使ってた、マジックマテリアル、神霊化について教えてくれ」
「分かった。マジックマテリアルは簡単だ。俺は全属性の魔法を使えるから、各属性の魔力を物質化して、乱射してただけだ」
「は?マテリアルだと?嘘をつくな、魔力をマテリアルしたってあんなに威力は出ないはずだぞ」
「いや、そんなこと言われてもなぁ、ほんとにそれだけなんだって」
「わかった。これ以上は詮索すまい。それじゃあ神霊化は?」
「ああ、あれか。あれはな・・・」
俺は、神霊化をするまでのことを事細かに話した。
「まじかよ……まあ、分かった」
「レジスタント、おれからも質問いいか?」
「ああ、いいよ」
「お前が使っていた、龍血覚醒って何だ?」
「ああ、あれか?実はな……」
あからさまにレジスタントの声のトーンが落ちる。
俺はレジスタントから聞いてはいけないことおきいてしまったようだ。
「悪い。聞かない方が良かったか?」
「いやいいよ。俺は、龍人の血がほんのちょっと入ってんだ。その竜神の血を覚醒させるのが龍血覚醒だ」
「へー、おもしろいな」
「いや、そんな面白くないぞ。使った後は全身ボロボロになるし、すぐ魔力なくなるしな」
「そっか。これで俺の質問は終わりだけど、お前はなんかあるか?」
「いや、俺ももうないよ」
「ああ、忘れるとこだった。このあと、アル校長先生のとこにいけよ」
「わかったけど、なんで?」
「さあな。まああの校長に呼び出されるんだ。ろくなことじゃないのはたしかだな」
こうして俺は生徒会室を後にした。
この後、想像を超えるような問題ごとに巻き込まれるのだが、この時の俺がそれに気が付くわけがなかった。
「長いこと寝てたみたいだな……」
起きようとして、体を起こそうとすると、ズキンッと全身に痛みが駆け抜ける。
「痛った!!」
おそらく、レジスタントとの一戦の影響だろう。しばらくまともに運動はできそうにない。
(ちょっとシード?起きてるんだったら手伝ってほしーんですけど)
グリスの声が頭に響く。おれが寝ている間、家事をしてくれていたのだろうか。
仕方がないので痛む体に鞭打って体を起こす。しかし、おなかのあたりに不自然な重さがある。
目をやると、ユーリがスウ、スウとかわいい寝息を立てて寝ていた。
どうやらつきっきりで看病してくれたようだ。
「うにゅう……」
どうやらまだ目を覚まさないようだ。
俺は、ユーリをベットに寝かせる。
時計に目をやると、9時前を指していた。もう学校は始まっている。
朝食をとるために、食堂に向かおうとする。
みぎあしを踏み出した瞬間、さっきの痛みが駆け抜ける。
「回復術」
ヒールを体に施すも、痛みが引く様子はない。どうやらこの痛みは欠損か何かによる痛みと同義のようだ。
よろよろとおぼつかない足取りで、食堂に向かい朝食をさっととる。
部屋に戻ると、
ユーリが目を覚ましていた。
「おはよう、ユーリ」
「おはよ、元気になったのシード?」
「まあな。まだ全快じゃないけど」
俺はおそらく初めてユーリにうそをついた。
俺とユーリは、約2時間遅れで学校に向かった。
学校につくと、俺の周りにはものすごい人だかりができた。
学校最強名高いレジスタントに勝利したのだから当たり前と言えば当たり前だろう。
多すぎる人だかりに若干(相当)うんざりしながら、何とか教室にたどり着くと、一斉に教室にいた、
全員の視線が俺に集中した。
「お、おはよう?」
「「「シード!!大丈夫かぁ!!!!!」」」
3人の男子生徒(名前を覚えていない)が、駆け寄ってくる。
「うおっ、なんだよ。大丈夫だから」
男子生徒がきっかけとなり、クラスメイトのほぼ大半が俺とユーリのもとに集結する。
クラスメイトに囲まれていると、メアリ先生がこちらに歩いてくる。
「シード君、ちょっといいかしら」
「ええ、かまいませんよ」
「三日前にあった会長との一戦の件で話があるから、生徒会室に来てくれと伝言を預かっているわ」
「伝言ですか?誰からです?」
「アイビッツ・ギルガメッシュさんからよ」
アイビッツ・ギルガメッシュ……聞いたことの無い名前だ。
「分かりました。生徒会室に行けばいいんですね。今からでも問題ないでしょうか?」
「ええ、おそらく大丈夫よ。レジスタント君はほぼ一日中生徒会室にいるから」
丸一日?レジスタントは生徒会室で何をしているのだろうか?
ともかく俺は、生徒会室に出向くくことになったのだ。
生徒会室につくと、青い髪の美少女が立っていた。
「待ってたよシード君。レジ兄……じゃなかった、会長は中にいるよ」
「分かりました。あなたが伝言を伝えてくれたアイビッツ・ギルガメッシュさんですか?」
「はい。そういえば自己紹介をしていなかったね!!私は、アイビッツ・ギルガメッシュ。宜しくね」
アイビッツは、手を差し出す。
「よろしくお願いします、アイビッツ先輩」
俺は、アイビッツの出した右手をつかむ。
「そんな堅苦しくなくていいよ。ビッツって呼んで。あと敬語もなしで」
本人が言うならば従った方がいいだろう。
「そうですか。それじゃあ、よろしくビッツ」
俺は、ビッツとの挨拶を終えると、生徒会室の扉を開けた。
「久しぶりだね、シード君」
レジスタントは、全身のいたるところに包帯を巻いた痛々しい姿で椅子に座っていた。
「久しぶりです、会長。その傷、ヒールで治さないんですか?」
ヒール系統の魔法を使えば、体の欠損以外は治せるはずである。
「この傷はどうもヒールで治らないようなんだよ。それを含めて君に質問があるから呼び出したんだよ」
「そうですか。なんか申し訳ありません会長」
「ああ、やめてくれそんな堅苦しい言葉遣い。俺もこの口調疲れんだよ。お前ももっと楽にしてくれ」
やはり、レジスタントは口調を作っていたようだ。
「分かりました。それじゃあ俺も口調を崩しますね、会長」
「ああ、それもなしだ。会長じゃなくて、レジスタントでいい」
「分かった。これでいいか?レジスタント」
「ああ、それじゃ早速だが質問を始めさせてもらう」
質問と言われても何を聞かれるのだろうか?
「まずは一つ目だ、お前の父親の名前を答えてくれ」
オヤジの名前?
「俺の親の名前は、ロスト・グリシャスだ」
「そうか、やはり……」
レジスタントが神妙な顔でうなずいている。
「おい、レジスタント。俺のオヤジは確かにロストだが、それがどうした?」
俺のオヤジは、剣術の修行以外は何もすることの無い暇人のはずだ。
「それがどうしたってお前、ロスト・グリシャス様と言えば、我がヘスティア王国、中央騎士団総帥にして、
中央魔導士団総帥システィーナ様の婿殿にあらせられる方だろうが!!!」
「本当か?それ」
信じれるわけの無いことを言われて、おれは動揺を隠せないでいた。
「当たり前だろうが!!この国、いやこの世界で、それを知れねえ奴は、獣人の国ガウス王国の、一部の奴と
暗黒大陸の魔物ぐらいじゃないか?」
「そんなに有名なのか?」
「そんなに有名なの!」
どうやらこれはもう認めるしかないようだ。
しかし、そんなに有名とは……何をしたのか。
「それじゃあ、いたいけな後輩に教えてくれると嬉しいんだが」
「マジックマテリアルとかいう恐ろしい魔法を使いこなし、剣術、魔力量ともに素晴らしい。
さらには、神霊化とかいう大技を使うような奴は、かわいい後輩とは言わないだろ……まあいいか。その教えてほしいことって何だ?」
なんだかんだで教えてくれるようだ。
「俺のオヤジは何をしたんだ?」
「お前そんなことも知らないのか?」
「あいにく……」
どうやら常識らしい。
「ロスト様とシスティーナ様と言えばだな、内乱に荒れていたこの国を統制し、暗黒大陸に降臨した魔王を討伐なさった方じゃないか」
「へぇー」
俺の両親ってそんなにすごい二人だったのか……
「まあいいや、ほかに質問はないのか?レジスタント」
「いや、あるにはあるが、両親のことはもういいのか?」
「別にいいよ。すごい二人なんだなぁと思っただけで、おれとは関係ないしな」
「そうか、それじゃあ質問に移るぞ。お前の使ってた、マジックマテリアル、神霊化について教えてくれ」
「分かった。マジックマテリアルは簡単だ。俺は全属性の魔法を使えるから、各属性の魔力を物質化して、乱射してただけだ」
「は?マテリアルだと?嘘をつくな、魔力をマテリアルしたってあんなに威力は出ないはずだぞ」
「いや、そんなこと言われてもなぁ、ほんとにそれだけなんだって」
「わかった。これ以上は詮索すまい。それじゃあ神霊化は?」
「ああ、あれか。あれはな・・・」
俺は、神霊化をするまでのことを事細かに話した。
「まじかよ……まあ、分かった」
「レジスタント、おれからも質問いいか?」
「ああ、いいよ」
「お前が使っていた、龍血覚醒って何だ?」
「ああ、あれか?実はな……」
あからさまにレジスタントの声のトーンが落ちる。
俺はレジスタントから聞いてはいけないことおきいてしまったようだ。
「悪い。聞かない方が良かったか?」
「いやいいよ。俺は、龍人の血がほんのちょっと入ってんだ。その竜神の血を覚醒させるのが龍血覚醒だ」
「へー、おもしろいな」
「いや、そんな面白くないぞ。使った後は全身ボロボロになるし、すぐ魔力なくなるしな」
「そっか。これで俺の質問は終わりだけど、お前はなんかあるか?」
「いや、俺ももうないよ」
「ああ、忘れるとこだった。このあと、アル校長先生のとこにいけよ」
「わかったけど、なんで?」
「さあな。まああの校長に呼び出されるんだ。ろくなことじゃないのはたしかだな」
こうして俺は生徒会室を後にした。
この後、想像を超えるような問題ごとに巻き込まれるのだが、この時の俺がそれに気が付くわけがなかった。
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