二週目村人は最強魔術師!?~元村人の英雄譚~

雪桜 尚

元村人、許嫁ができる。②

俺の朝は、早い。日が昇るよりも早く起きトレーニングに向かう。しかし今日は違った。日が昇るよりも早く起きた。俺はその後トレーニングに向かわなかった。否、向かえなっかた。なぜなら、俺の胸には、ほぼ同年代の少女が顔をうずめて寝息を立てていたからだ。そのあたりでをれの意識は完全に覚醒した。俺は昨日、森に行きゴブリンの群れに襲われていた少女ユーリと、その母セレスを助けたのだ。
俺は、昨夜自分が吐いたセリフが恥ずかしくなり赤面する。
「泣いていいんだ」
何言ってんだ俺は?なんであんなこと言ったんだ。嫌われてたらどうしよう。冷静にならばわかることなのに。女の子とおんなじ部屋で寝るという前世も含めて初めての体験をしてたんだから仕方がない。俺は自分に言い訳をする。
「ふにゅう」
ユーリが目を覚ます。俺は、一瞬ためらってしまうも声をかける
「おはよう、ユーリ」
ユーリは顔を真っ赤にして、布団に身を隠してしまう。
「ああ、ごめん。驚かせちゃった?」
ユーリは、布団から真っ赤に染まった顔だけを出す。
「ち、ちがうんです。昨日、あんなにやさしくしてもらって、しかも私、あんなに泣きじゃくってしまって。
ああ、恥ずかしい」
そういって、羞恥心からか、体をよじり身悶えている。
「恥ずかしくなんかないよ。気を使ってるユーリよりも、自然のユーリの方が可愛いよ」
「かわいいだなんてそんな」
「ほらまた。ユーリ、俺に敬語は禁止ね」
「はい。じゃなくてうん」
まだぎこちないが、自然体で接してくれる。どうやら嫌われたわけではないようだ。
「それじゃ、ご飯食べに行こうか」
「わかった。けどいいの?」
「いいのいいの。うちにそんなひどい人は、いないよ」
俺は、扉を開けて、ご飯に行こうとする。すると、くいっとそでを引っ張られた」
「シード君」
「シードでいいよ」
「分かった。シード、まずは昨日助けてくれたありがとう。助けてくれた時のシードは、王子様みたいだ出かっこよかった。家についた後も、泣いてる私を抱きしめてくれてありがとう。まだまだシードの知らないことはあるけど、私は、シードが大好きです」
ユーリは、頬を朱色に染めて、そして今まで見た中で最高の笑顔でそう言った。
自分の頬が、かぁッと赤くなるのを感じる。
「ええっと、なんていうかその、おれもユーリが大好きだよ」
「じゃ、じゃあ私たち両想い?」
「そういうことだね」
「シード!手つなご!」
「いいよ」
俺とユーリは手をつなぎ仲良くご飯を食べに向かうのだった。
リビングにつくと、システィーナや、ロスと、セレスから、拍手が送られた。
「どうしたの?お父さん、お母さん」
「いやぁ、まさかシードの手がこんなに早いとは思わなかったぞ」
こいつは、何を言っているのだろうか?隣を見ると、またもユーリが顔を真っ赤にしていた。
まさか、さっきのやつのことか?
「もしかしてみんな聞いてたの?」
「まあな。もし何かあるようならと思ってたんだが、ほんとに何かあったとはなあ」
そういうロストはにやにやしている。なんか腹立つ。
「そうねえ。そうだシード!!あんた、ユーリちゃんを許嫁にしなさい」
「はあ!!?許嫁?」
「そうよ。ユーリちゃんはそれをどう思う?」
「シードの許嫁になれのならうれしいですけど」
こんなことを言割れてもなお、いやるほど俺もダメ人間ではない。
「わかった。俺、ユーリを許嫁にするよ」
「良く言ったわ、シード」
「シード」
ユーリが俺の首に抱き着いてくる。
こうして俺とユーリは許嫁になった。

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