二週目村人は最強魔術師!?~元村人の英雄譚~

雪桜 尚

本村人、転生を終える。

俺は、目が覚めると仰向けに寝転んでいた。天井は全くもって見覚えがない。どうやら本当に転生したようだ。
ここはどこだ?そう思い、あたりを確認しようとするが、体が言うことを聞かず、首を動かすこともままならない。なんでだ?もしかして、転生に失敗して、身体機能の一部に障害があるのか?そんなことが頭をよぎる。しかし、それも杞憂に終わった。
「シード様ー?おきてらっしゃいますか?ごはんの時間ですよー」
下から誰かの声がする。どうやら女性のようだ。俺のお母さんだろうか?
その女性は、部屋の扉を開け、部屋に入ってくる。
「さーシード様。ごはんですよ」
そういって胸元をはだく。どうやら母乳を与えようとしているようだ。ここまできて俺は、やっとある一つの事実を認めることができた。俺は、赤ん坊に転生したらしい。
わかってはいた。わかってはいたが、認めたくなかったのだ。俺はなんの取り柄もなかったとは言えど、30くらいまでは生きた大人だ。それが、転生を認めたとは言え、突如として赤ん坊の戻るとどうだろうか?
そう簡単には認めたくないだろう。しかし、それが事実なら仕方がない。甘んじて、この事実を受け入れるとしよう。俺は、脳内で誰に対する言い訳かもわからない言い訳を終えると、その女性の胸にしゃぶりついた。
やはり、思うところはあるが、これしか腹を満たす方法がないので仕方がない。
いいか!俺だってやりたくてやってるわけじゃないんだからな!!
その女性はしばらく俺に母乳を与えると、胸元を直し俺をまたベットに寝かせる。
「シード様。またおねんねしておいてくださいね」
そういって女性は部屋から出ていく。
あの女性は誰なのだろうか?それについてしっかりと考えたかったが、どうやらそれは叶わないらしい。
なぜなら、物凄く眠い。これには抗えそうにない。明日から、情報収集をしっかりやらなければ。
俺は、それを最後に眠りについた。











転生から、数日たちこの家についてだいぶ分かってきた。俺がこの数日でわかったのは、この3つだ。
まず、この家は大貴族ほどではないにしろなかなか裕福な家であると言うことだ。
この家は、メイド3人に執事を1人雇っている。また、家具なども高級なものが揃っている。これだけの条件が整えば、この家を裕福だと考えて良いだろう。
次に、俺やその両親、そしてメイドたちの名前だ。
まず、俺の名前は、シード・グリシャス。そして両親の名前は、父がロスト・グリシャス、
母がシスティーナ・グリシャスだ。どちらも、美男美女なところを見ると、俺の顔は、そう悲観するほど悪くなさそうだ。メイドの名前だが、俺に母乳を与えようとしていたメイドはノエル、残す二人はユウとソウという、双子のメイドだ。執事は、セバスチャンと言って、仕事のできる男といった印象が強い。
最後に、俺がグリスから受け取った祝福ギフト、空絶眼についてだ。これには、様々な魔眼の統合能力で、6つの能力を持っている。透視眼とうしがん見透眼けんとうがん千里眼せんりがん破壊眼はかいがん識別眼しきべつがんそして、未来眼みらいがんである。どれも強力な能力で、どうやらどれもあたりらしい。

俺の、新しい人生は、最高になりそうだ。


そう確信して、俺はまた眠りについた。

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