茶師のポーション~探求編~
再編成
未だしくしくと泣きまねをする弟子を無視して、これからの確認をしていく。
「どうしましょうかねぇ」
先行グループを火力重視にしようとする探求者と、どちらもバランス型にしようとする探求者。二つの意見に分かれていた。
サブマスター、マスター二人は、双方の意見がよく分かるため、何も言えない。どちらも正しいのだ。そして今までにない「魔物大暴走」。ただでさえ、こういう時に分かれやすい意見が、なおさら分かれている。
「師匠としては?」
「さすがに分かりかねます。マイニさんが意見を出していないというのがいい例です」
「そーなんだけどさー。この調子じゃ探索も進まない」
「お前の意見は?」
「んー。先行隊にさー、斥候部隊作るべきだと思うんだよねー」
当り前のことだが、弟子は口にしていた。
「大暴走がどれだけ酷いか分からないし。魔獣使いが今回のメンバーにいればよかったんだけどねー」
そう、いないからこそなおさら意見が分かれている。
「あ、おれ真似事出来るんだけど」
嬉しそうに言うのは、付喪神と契約している男だった。
使い魔を飛ばして魔獣にくっつければいーじゃん! あっさりと男が言う。何故今までそれを言わなかったと、周囲に説教されたが、「手の内をすべて見せないのは探求者として常識だろ?」とあっさり言い放ち、周囲も納得していた。どれくらいの切り札を持っているかが、探求者の生存率を上げるのだ。
その男と同じパーティということで、マスターたちも先行隊へ組み込まれることになった。
出来ればそれは避けたかったと思うマスターだった。
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