俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?
26 首刈りと漢女達
「来るな来るな来るな来るな来るな!」
男は必死に逃げる。深夜の王都の住宅区は静かでよく音が反響する。しかし誰も目を覚ます気配がない。そこは、あたかも人が存在しないかの様に……
男を追うのは人だった。だが、夜闇に紛れ込む様な黒いローブを深く被っているため、性別が分からない。
「俺が何をしたって言うんだ!」
男は追いかけて来る人影に問いかけるが、それは答えるはずがない。
「クソッ……っ ︎」
やっと入り口から出られるという所で突然、男が前に崩れた。男は恐る恐る自分の足を見ると、右足首から先が綺麗に切断されていた。その瞬間、男に激痛が体全体に広がる。
「グッ………」
そして殺人鬼に追いつかれた男性は首を持っていかれ、同時に心臓もくり抜かれた。
「ん?何の集まりだ?」
宿屋から出て散歩していると、住宅区の入り口辺りで人がたくさん集まっているのを見かけた。俺は近くの同い年だと思われる金髪の男性に何があるのか訊くことにした。
「なあ、あんた。この向こうに何があるんだ?人が多過ぎて見えないんだが」
「兄さん知らねぇのか?」
「知らないって何を?」
「首刈りだよ。最近、王都で話題なんだぜ?」
「首刈り……首の無い死体がそこにあるってことか。へー…俺は最近ここに来たから分からなかったけど、最近の王都はおm、物騒だな」
危ない、面白そうって言いそうになった……………
「それは同感だ。そうだ、兄さん。これも何かの縁だし、一緒に飯でも行こうぜ?それならこの事件の話も詳しく話せるだろうし。(しかも気が合いそうだ……」
「おお、それはいいな。俺はケイト、宜しく。呼び捨てでも構わないよ」
青年は後に何か言ったみたいだが、聞き取れなかった。
「ケイトか。俺はレン、こちらこそ宜しく。こっちも呼び捨てで大丈夫だ」
意気投合した俺たちはそのまま昼食をとることにした。
「ハハハッ。お前、うちの学園に編入するのか」
「ああ、旅ついでに何か学ぼうと思ってね」
現在、お食事処で俺たちは酒を飲みながら昼食を摂っている。初めは殺人鬼の話をしていたのだが、話が進んで行くうちに今の会話までに至った。
殺人鬼の話をを簡単に纏めると、二か月前位の時に教会で司教様が変わったと同時に事件が起こり始め、世間は司教様を怪しんだが証拠不十分で何も出来ずにお手上げ。それで冒険者達にその殺人鬼の討伐依頼を出したが、それでもダメ。挙げ句の果てには放置することになったそうだ。殺人事件の他にも、窃盗や強盗も増えて来ているようだ。
「へー。あ、でも、白殲鬼には気を付けろよ?」
「びゃくせんき?……って何だ?」
「まぁ、二つ名みたいな物だよ。そいつがさ、すげぇんだよ。俺と同じ頃に入学したのによ、去年の大会もその前の、その前の前の大会でも優勝。しかも、他の試合でも無敗なんだぜ」
「レンと同じってことは今は高等部の二年で同い年か」
「で、そいつが貴族なのに俺たちみたいな平民に優しいんだよ。しかも聖女様とも仲が良いみたいでさ。ま、俺は聖女様派だけど」
「優しいのに気を付けろって……そうだ、次いでになんだが、その白殲鬼と聖女様の名前ってわかるか?」
「ああ勿論!聖女様の名前はシャヌア様。一応孤児院出身なんだけど教会に所属しているから貴族階級みたいなものはあるな。で、白殲鬼の名前は―――」
レンが急に険しい顔で右手をレン自身の右耳に当てて会話し始めた。
「あん?今どこかって?この時間ならお昼で、しかも首刈りがあるなら場所ぐらいわかるだろ…………あーハイハイ、今行くよ」
「お仲間か?」
「まぁ仲間っちゃ仲間だな。すまん、急用が出来たから俺はこれで!縁があったらまた飲もうぜ」
「ああ、また学園でなー」
俺はそう言って、急いで食事処を出るレンを見送った。
「首刈り……ねぇ………ま、今は編入した時の準備か」
「ここがバー・フェアリーズ……」
まだ時間には結構余裕があるので、俺はサナの言っていた酒屋に行ってみたのだが、どうにもこう、危機感を感じさせるような雰囲気を漂わせている気がするお店だった。そして店内に入ってフェアリーズのフェアリーの意味が分かった。
フェアリーには妖精などの意味があるのは常識だ。しかし、この酒屋のフェアリーは妖精ではなく、フェアリーの俗語での意味でホモの方だった!しかもただのフェアリーではなく、ムッキムキやガリガリのおとk、漢女達だった!
「「「「「「「いらっしゃぁ〜い」」」」」」」
「こ、こんにちは………え、えっと……知人に紹介されて来たのですが……」
怖い。魔物以上に怖い。何故だろう、この人達の方がクト◯ルフ邪神よりSAN値をゴリゴリ削ってくるんですけど……寧ろ神話生物の方がこの人達以下か?
「あらぁ〜その知人は女性?」
このバーのマスターだと思われるダンディなオネエサマが訊いて来た。
「は、はい」
その瞬間、俺の背筋が凍った。
「貴女達!かかりなさぁい!」
「「「「「「「オ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"!」」」」」」」
オネエサマガタが野太い雄叫びをしながら俺に飛び掛かり、俺の忘れたい過去になった。
「ダメだ……思い出しただけで寒気が………自分の何かが失われた気がする……そもそもあの人達は本当に人類なのか?」
そうブツブツ呟きながら俺は宿屋に戻った。
自分の部屋に戻ると仔蜘蛛が飛びついて来た。
「おっと、ごめんよ。明日は一緒に居よっか」
そう言うと、胸に飛び込んで来たアトラは安心したかの様に俺の胸元にしがみついた。
可愛い………今の癒しは天使だけだ………
男は必死に逃げる。深夜の王都の住宅区は静かでよく音が反響する。しかし誰も目を覚ます気配がない。そこは、あたかも人が存在しないかの様に……
男を追うのは人だった。だが、夜闇に紛れ込む様な黒いローブを深く被っているため、性別が分からない。
「俺が何をしたって言うんだ!」
男は追いかけて来る人影に問いかけるが、それは答えるはずがない。
「クソッ……っ ︎」
やっと入り口から出られるという所で突然、男が前に崩れた。男は恐る恐る自分の足を見ると、右足首から先が綺麗に切断されていた。その瞬間、男に激痛が体全体に広がる。
「グッ………」
そして殺人鬼に追いつかれた男性は首を持っていかれ、同時に心臓もくり抜かれた。
「ん?何の集まりだ?」
宿屋から出て散歩していると、住宅区の入り口辺りで人がたくさん集まっているのを見かけた。俺は近くの同い年だと思われる金髪の男性に何があるのか訊くことにした。
「なあ、あんた。この向こうに何があるんだ?人が多過ぎて見えないんだが」
「兄さん知らねぇのか?」
「知らないって何を?」
「首刈りだよ。最近、王都で話題なんだぜ?」
「首刈り……首の無い死体がそこにあるってことか。へー…俺は最近ここに来たから分からなかったけど、最近の王都はおm、物騒だな」
危ない、面白そうって言いそうになった……………
「それは同感だ。そうだ、兄さん。これも何かの縁だし、一緒に飯でも行こうぜ?それならこの事件の話も詳しく話せるだろうし。(しかも気が合いそうだ……」
「おお、それはいいな。俺はケイト、宜しく。呼び捨てでも構わないよ」
青年は後に何か言ったみたいだが、聞き取れなかった。
「ケイトか。俺はレン、こちらこそ宜しく。こっちも呼び捨てで大丈夫だ」
意気投合した俺たちはそのまま昼食をとることにした。
「ハハハッ。お前、うちの学園に編入するのか」
「ああ、旅ついでに何か学ぼうと思ってね」
現在、お食事処で俺たちは酒を飲みながら昼食を摂っている。初めは殺人鬼の話をしていたのだが、話が進んで行くうちに今の会話までに至った。
殺人鬼の話をを簡単に纏めると、二か月前位の時に教会で司教様が変わったと同時に事件が起こり始め、世間は司教様を怪しんだが証拠不十分で何も出来ずにお手上げ。それで冒険者達にその殺人鬼の討伐依頼を出したが、それでもダメ。挙げ句の果てには放置することになったそうだ。殺人事件の他にも、窃盗や強盗も増えて来ているようだ。
「へー。あ、でも、白殲鬼には気を付けろよ?」
「びゃくせんき?……って何だ?」
「まぁ、二つ名みたいな物だよ。そいつがさ、すげぇんだよ。俺と同じ頃に入学したのによ、去年の大会もその前の、その前の前の大会でも優勝。しかも、他の試合でも無敗なんだぜ」
「レンと同じってことは今は高等部の二年で同い年か」
「で、そいつが貴族なのに俺たちみたいな平民に優しいんだよ。しかも聖女様とも仲が良いみたいでさ。ま、俺は聖女様派だけど」
「優しいのに気を付けろって……そうだ、次いでになんだが、その白殲鬼と聖女様の名前ってわかるか?」
「ああ勿論!聖女様の名前はシャヌア様。一応孤児院出身なんだけど教会に所属しているから貴族階級みたいなものはあるな。で、白殲鬼の名前は―――」
レンが急に険しい顔で右手をレン自身の右耳に当てて会話し始めた。
「あん?今どこかって?この時間ならお昼で、しかも首刈りがあるなら場所ぐらいわかるだろ…………あーハイハイ、今行くよ」
「お仲間か?」
「まぁ仲間っちゃ仲間だな。すまん、急用が出来たから俺はこれで!縁があったらまた飲もうぜ」
「ああ、また学園でなー」
俺はそう言って、急いで食事処を出るレンを見送った。
「首刈り……ねぇ………ま、今は編入した時の準備か」
「ここがバー・フェアリーズ……」
まだ時間には結構余裕があるので、俺はサナの言っていた酒屋に行ってみたのだが、どうにもこう、危機感を感じさせるような雰囲気を漂わせている気がするお店だった。そして店内に入ってフェアリーズのフェアリーの意味が分かった。
フェアリーには妖精などの意味があるのは常識だ。しかし、この酒屋のフェアリーは妖精ではなく、フェアリーの俗語での意味でホモの方だった!しかもただのフェアリーではなく、ムッキムキやガリガリのおとk、漢女達だった!
「「「「「「「いらっしゃぁ〜い」」」」」」」
「こ、こんにちは………え、えっと……知人に紹介されて来たのですが……」
怖い。魔物以上に怖い。何故だろう、この人達の方がクト◯ルフ邪神よりSAN値をゴリゴリ削ってくるんですけど……寧ろ神話生物の方がこの人達以下か?
「あらぁ〜その知人は女性?」
このバーのマスターだと思われるダンディなオネエサマが訊いて来た。
「は、はい」
その瞬間、俺の背筋が凍った。
「貴女達!かかりなさぁい!」
「「「「「「「オ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"!」」」」」」」
オネエサマガタが野太い雄叫びをしながら俺に飛び掛かり、俺の忘れたい過去になった。
「ダメだ……思い出しただけで寒気が………自分の何かが失われた気がする……そもそもあの人達は本当に人類なのか?」
そうブツブツ呟きながら俺は宿屋に戻った。
自分の部屋に戻ると仔蜘蛛が飛びついて来た。
「おっと、ごめんよ。明日は一緒に居よっか」
そう言うと、胸に飛び込んで来たアトラは安心したかの様に俺の胸元にしがみついた。
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