俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?
閑話的な何か 勇者召喚(???視点)
織界 圭人は死んだ。落雷によって、真っ黒焦げになって。
そのニュース見た時、私の生き甲斐を失ってしまったと思った。
彼の居ない世界に私は居たくない。クラス内はリア充だらけで微笑ましいが何かが足りない。家族も優しいが、何かが足りない。好きな深夜アニメを見て癒されたが、心に空いた穴は彼を失ってから日に日に大きくなっている気がする。
どんなに私の日常生活を送っていようとしても、決して私の心の穴は埋まることはないだろう。
「はぁ……織界くんが居ないと楽しくない………」
小学校も同じだったらしいのだが、私が彼を知ったのは中一の後半ぐらいの時だったかしら?その時はまだ別のクラスだったから知らなかったけど、偶に噂でバイトを沢山掛け持ちしているとか、後期になっても孤立しているとか、そう言う大まかな情報だった。
でも中二に上がった時、彼と同じクラスになった。私は彼を始めて伊達眼鏡越しに見た時、内心で驚いてしまった。私は霊感が強い方ではないが少なからず持っている方だ。だから彼を見た時、何かが彼を取り囲み、無機物の様な雰囲気を感じさせ、何処かに欠損がある様に見え、驚いてしまった。
ただ、そんな彼の認識を変える出来事があった。
ある夜、塾帰りの私はいつもの家路についていた。その道は結構明るく、人通りも多い。そんな道の中、血に飢えた目をした織界くんが、大男に囲まれていた。他の歩行者は関わらない様にとスルーしていたし、興味がある人はスマホで撮影していた。
暫く何か話していた様だったが場の空気が変わった。織界くんが急にリーダー格に見える大男に近寄ったのだ。そして手を伸ばして…………握手?何故か大男が下手に回ってペコペコと頭を下げている。その後、彼と大男達が離れて言ったので私は彼に駆け寄った。
「織界くん大丈夫?」
「ん?あ、はい。大丈夫……ですけど…なぜ此処に?」
「私?私は塾の帰りよ。それで織界くんは?」
「…………」
織界くんは何かを言おうとして戸惑っている様子だった。まるで何かを隠すかのように。
その時の彼の目を私は見た。やはり、ハイライトがあるはずなのに無いように見え、瞳の奥底に何かがある。しかし、その中には優しさも混ざっていて、私はなぜか安心した。
「まさかじゃないけど……バイト?」
「⁉︎」
私がバイトかと訊くと、彼は直ぐに目を背けた。それを見て少し可愛らしく思い、私は笑ってしまった。
「ぷふっ、ふふふっ、ふふふふふっ」
「な!何がおかしい……」
「ふふっ、ご、ごめん。っでも、それが織界くんの本当の口調なんだ〜ふふっ」
「……もういい。で、家は何処?この暗さだと危ないから送るけど」
「とか言って今後、私の家に押しかけて来るつもりね。そうはいかないわよ」
私はここで巫山戯てみた。
「そう、なら俺はここで帰る。あ、そう言えば最近はレ○プ魔が多いらしい。一人で帰るなら用心しろよ。それじゃ」
「ごめんなさい巫山戯ました一緒に来て下さい」
私は帰ろうとする織界くんの片方の袖を掴み、巫山戯た事を反省しながらお願いする。流石に貞操を守らなければ親不孝になってしまう。
「………はぁ。(明日、学校に来た時に警棒型スタンガンでも渡しておくか……」
「ん?何か言った?」
彼の呆れたような溜息の後に、何か言った気がした。もう少し聞き耳の値を上げておくべきだったかしら……
「いや何でもない。それよりさっさと帰った方が親御さんも安心すると思うけど?」
「そうだね。じゃ、帰ろっか」
そう言って、私達は一緒に帰った。
帰っている途中から気が付いたのだが、彼は目の割には優しいことが分かった。歩く時は車道側を歩き、歩くペースも私に合わせてくれている。ただ、会話が無かったのは寂しいと思った。
家に着き、シャワーを浴び、お風呂に入って、自室に入るまで、私の頭の中には彼の事について考えていた。その日以来、私は彼に興味が湧いてしまった。しかし、今後どう話しかけて見たらいいのか分からない。だから私は、彼との共通の話題を作るために、彼に私の趣味全てを使って染める事にした。
結果は表面に出なかったが、会話中の笑顔は増えた気がした。それに、学校で彼から警棒型のスタンガンをコッソリ貰った。
今は進級して成績も上がったので塾に通っていないが、警棒型スタンガンはお守りみたいに持ち歩いている。
「はぁ…………頑張って織界くんと同じ高校に入ったのに……はぁ………」
今日の帰り道も寂しい。
彼の事を思い出せば出すほど、私は乾きそうになる。だが、今日の下校は違った。その理由は誰かの足元が光ったのだ!
「目の前で異世界召喚来たーーー!」
私は思わず叫んでしまった。しかし、その叫び声ば光の元の音にかき消されていたので近所迷惑にはならなかった。そもそも光、いや魔法陣から発せられる音の方が近所迷惑だ。
そして私の視界がブラックアウトした。
気が付いたら、一人の黄染めの同年代の男子生徒が勇者様と呼ばれている所だった。
「私、巻き込まれた…………?」
私が起き上がりそう呟くと、近くにいた兵士が私に気が付き、私を取り押さえた。しかも加減無し。少し頭に来たけど我慢我慢。
「勇者様、この者は?」
「あー多分巻き込まれたんじゃ無いっすか?」
「巻き込まれた ︎し、しかし、そのような事例は……」
勇者様と呼ばれている男子生徒はどう見ても不良だった。だが黙っておこう。そして王様よ、事例とか良いから、か弱い女性を加減無しで抑えているこの野郎を下げてくれ。
「まぁまぁ。事例なんてどうでも良いから話はさせた方がいいと思うぜ」
「そ、そうですな。コッホン、其方はこの勇者様の召喚された際に巻き込まれたのか?」
「ええそうです。それより、か弱い女性を加減無しで抑えるのをやめさせて頂けませんか?」
私は苦痛に耐えながら答えた。
「おっと済まない。彼女を放しておやりなさい」
王がそう言うと、私を抑えていた兵が無言で下がってくれた。
「いえ、確かに私は他から見れば部外者ですからね。ところで、ここは何処でしょうか?」
質問を含めて返事をすると、王は簡単に答えてくれた。
「ここは〈王都:スローンズ〉の王城だ。ステータスを確認させて貰ったが、やはり其方は巻き込まれた様だ」
「ステータス……ですか?」
「そんなのゲームのやつに決まってるだろ?そんなの常識だろ。王様、使えねえ奴になんざ構うことはねぇ」
それくらい知っとるわい、この不良勇者!私は王様に聞き返しただけだっての。
少しイラつくが、私は表に出さない。むしろこれを利用しよう。
「し、しかし勇者様……」
「そうですね。この場に私は相応しくありません。ですが、私はこの世界については無知です。なのでここから離れる代わりに、この国の教育機関に通わせて下さい」
私はそう言って、王様の顔を見る。
「…………そうだな。確かにこのまま放り出しても、野垂れ死ぬだけ。私はそんなに鬼では無い。(……となると学園に任せるか。)よかろう、明後日までに此方で準備しておく。あー、取り敢えず彼女を客人の泊まる部屋に案内しておくれ」
「了解しました」
王様は途中、何か呟いた様だが私には聞こえなかった。やはり、聞き耳ロールのためにもこれからはもっと鍛えるべきかしら…………
女性の騎士に私は案内されて、部屋に着いた。内装は豪華で、見慣れないものばかりだった。
「あの、“この様な良き部屋に私めを泊めさせていただき、誠に感謝申し上げます”と、王様に言伝を頼めないでしょうか?」
「ええ、もちろん構いませんよ。それでは」
そう言って、女騎士は行ってしまった。アッサリとしている………私は、彼女を少しカッコ良く思ってしまった。
そして、その学園で彼と再開する事になった。
だが、今の私はその先の事など考えてはいなかった。
そのニュース見た時、私の生き甲斐を失ってしまったと思った。
彼の居ない世界に私は居たくない。クラス内はリア充だらけで微笑ましいが何かが足りない。家族も優しいが、何かが足りない。好きな深夜アニメを見て癒されたが、心に空いた穴は彼を失ってから日に日に大きくなっている気がする。
どんなに私の日常生活を送っていようとしても、決して私の心の穴は埋まることはないだろう。
「はぁ……織界くんが居ないと楽しくない………」
小学校も同じだったらしいのだが、私が彼を知ったのは中一の後半ぐらいの時だったかしら?その時はまだ別のクラスだったから知らなかったけど、偶に噂でバイトを沢山掛け持ちしているとか、後期になっても孤立しているとか、そう言う大まかな情報だった。
でも中二に上がった時、彼と同じクラスになった。私は彼を始めて伊達眼鏡越しに見た時、内心で驚いてしまった。私は霊感が強い方ではないが少なからず持っている方だ。だから彼を見た時、何かが彼を取り囲み、無機物の様な雰囲気を感じさせ、何処かに欠損がある様に見え、驚いてしまった。
ただ、そんな彼の認識を変える出来事があった。
ある夜、塾帰りの私はいつもの家路についていた。その道は結構明るく、人通りも多い。そんな道の中、血に飢えた目をした織界くんが、大男に囲まれていた。他の歩行者は関わらない様にとスルーしていたし、興味がある人はスマホで撮影していた。
暫く何か話していた様だったが場の空気が変わった。織界くんが急にリーダー格に見える大男に近寄ったのだ。そして手を伸ばして…………握手?何故か大男が下手に回ってペコペコと頭を下げている。その後、彼と大男達が離れて言ったので私は彼に駆け寄った。
「織界くん大丈夫?」
「ん?あ、はい。大丈夫……ですけど…なぜ此処に?」
「私?私は塾の帰りよ。それで織界くんは?」
「…………」
織界くんは何かを言おうとして戸惑っている様子だった。まるで何かを隠すかのように。
その時の彼の目を私は見た。やはり、ハイライトがあるはずなのに無いように見え、瞳の奥底に何かがある。しかし、その中には優しさも混ざっていて、私はなぜか安心した。
「まさかじゃないけど……バイト?」
「⁉︎」
私がバイトかと訊くと、彼は直ぐに目を背けた。それを見て少し可愛らしく思い、私は笑ってしまった。
「ぷふっ、ふふふっ、ふふふふふっ」
「な!何がおかしい……」
「ふふっ、ご、ごめん。っでも、それが織界くんの本当の口調なんだ〜ふふっ」
「……もういい。で、家は何処?この暗さだと危ないから送るけど」
「とか言って今後、私の家に押しかけて来るつもりね。そうはいかないわよ」
私はここで巫山戯てみた。
「そう、なら俺はここで帰る。あ、そう言えば最近はレ○プ魔が多いらしい。一人で帰るなら用心しろよ。それじゃ」
「ごめんなさい巫山戯ました一緒に来て下さい」
私は帰ろうとする織界くんの片方の袖を掴み、巫山戯た事を反省しながらお願いする。流石に貞操を守らなければ親不孝になってしまう。
「………はぁ。(明日、学校に来た時に警棒型スタンガンでも渡しておくか……」
「ん?何か言った?」
彼の呆れたような溜息の後に、何か言った気がした。もう少し聞き耳の値を上げておくべきだったかしら……
「いや何でもない。それよりさっさと帰った方が親御さんも安心すると思うけど?」
「そうだね。じゃ、帰ろっか」
そう言って、私達は一緒に帰った。
帰っている途中から気が付いたのだが、彼は目の割には優しいことが分かった。歩く時は車道側を歩き、歩くペースも私に合わせてくれている。ただ、会話が無かったのは寂しいと思った。
家に着き、シャワーを浴び、お風呂に入って、自室に入るまで、私の頭の中には彼の事について考えていた。その日以来、私は彼に興味が湧いてしまった。しかし、今後どう話しかけて見たらいいのか分からない。だから私は、彼との共通の話題を作るために、彼に私の趣味全てを使って染める事にした。
結果は表面に出なかったが、会話中の笑顔は増えた気がした。それに、学校で彼から警棒型のスタンガンをコッソリ貰った。
今は進級して成績も上がったので塾に通っていないが、警棒型スタンガンはお守りみたいに持ち歩いている。
「はぁ…………頑張って織界くんと同じ高校に入ったのに……はぁ………」
今日の帰り道も寂しい。
彼の事を思い出せば出すほど、私は乾きそうになる。だが、今日の下校は違った。その理由は誰かの足元が光ったのだ!
「目の前で異世界召喚来たーーー!」
私は思わず叫んでしまった。しかし、その叫び声ば光の元の音にかき消されていたので近所迷惑にはならなかった。そもそも光、いや魔法陣から発せられる音の方が近所迷惑だ。
そして私の視界がブラックアウトした。
気が付いたら、一人の黄染めの同年代の男子生徒が勇者様と呼ばれている所だった。
「私、巻き込まれた…………?」
私が起き上がりそう呟くと、近くにいた兵士が私に気が付き、私を取り押さえた。しかも加減無し。少し頭に来たけど我慢我慢。
「勇者様、この者は?」
「あー多分巻き込まれたんじゃ無いっすか?」
「巻き込まれた ︎し、しかし、そのような事例は……」
勇者様と呼ばれている男子生徒はどう見ても不良だった。だが黙っておこう。そして王様よ、事例とか良いから、か弱い女性を加減無しで抑えているこの野郎を下げてくれ。
「まぁまぁ。事例なんてどうでも良いから話はさせた方がいいと思うぜ」
「そ、そうですな。コッホン、其方はこの勇者様の召喚された際に巻き込まれたのか?」
「ええそうです。それより、か弱い女性を加減無しで抑えるのをやめさせて頂けませんか?」
私は苦痛に耐えながら答えた。
「おっと済まない。彼女を放しておやりなさい」
王がそう言うと、私を抑えていた兵が無言で下がってくれた。
「いえ、確かに私は他から見れば部外者ですからね。ところで、ここは何処でしょうか?」
質問を含めて返事をすると、王は簡単に答えてくれた。
「ここは〈王都:スローンズ〉の王城だ。ステータスを確認させて貰ったが、やはり其方は巻き込まれた様だ」
「ステータス……ですか?」
「そんなのゲームのやつに決まってるだろ?そんなの常識だろ。王様、使えねえ奴になんざ構うことはねぇ」
それくらい知っとるわい、この不良勇者!私は王様に聞き返しただけだっての。
少しイラつくが、私は表に出さない。むしろこれを利用しよう。
「し、しかし勇者様……」
「そうですね。この場に私は相応しくありません。ですが、私はこの世界については無知です。なのでここから離れる代わりに、この国の教育機関に通わせて下さい」
私はそう言って、王様の顔を見る。
「…………そうだな。確かにこのまま放り出しても、野垂れ死ぬだけ。私はそんなに鬼では無い。(……となると学園に任せるか。)よかろう、明後日までに此方で準備しておく。あー、取り敢えず彼女を客人の泊まる部屋に案内しておくれ」
「了解しました」
王様は途中、何か呟いた様だが私には聞こえなかった。やはり、聞き耳ロールのためにもこれからはもっと鍛えるべきかしら…………
女性の騎士に私は案内されて、部屋に着いた。内装は豪華で、見慣れないものばかりだった。
「あの、“この様な良き部屋に私めを泊めさせていただき、誠に感謝申し上げます”と、王様に言伝を頼めないでしょうか?」
「ええ、もちろん構いませんよ。それでは」
そう言って、女騎士は行ってしまった。アッサリとしている………私は、彼女を少しカッコ良く思ってしまった。
そして、その学園で彼と再開する事になった。
だが、今の私はその先の事など考えてはいなかった。
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