平凡な毎日が一瞬で崩れ去った(凍結中)

AdieuJury

2話 状況確認

「ようこそいらっしゃいました、勇者様方」
「勇者?」

誰かわからないのですが、クラスメイトの誰かがそう聞き返していました

「そうです、あ、申し遅れました。私はアルトマータ王国第二王女のメルティ・アルトマータと申します。我々はあなた方を勇者としてこの世界に召喚しました。勝手なことをしてしまい申し訳ないのですが、この国を救っていただけないでしょうか?」

...正直意味がわかりませんね
クラスの皆も、状況を理解しきれてないようですし...

「ひとまずステータスを開いてみてもらえませんか?心の中で『ステータスオープン』と言えば開けると思いますので」

よくわかりませんが、とりあえず開いてみましょうか...ステータスオープン


九十九修羅 ヒューマン Lv1 
職業:なし

STR 80
VIT 80
INT 80
MND 80
AGL 80
DEX 80
LUK 200

スキル 真偽LvMAX 鑑定Lv1 刀術Lv7
特殊スキル 成長速度10倍 進化
称号 巻き込まれし者
【進化不可】

なるほど、これがステータスなのですか
強いかどうかはわからないですが...
あと、進化ってなんでしょう...
しかも僕は勇者召喚に巻き込まれたんですね
とりあえず、王女様の話が正しいかどうかを判断したいので、真偽を発動しておきましょうか

『真偽』発動いたしました

このような音声も流れるのですね
さて、話を聞きましょうか

「皆様、ステータスを見ることが出来ましたでしょうか?一般の兵士のステータスの平均は50です。勇者として呼ばれた者のステータスはそれよりも高くなっているはずです。つまりあなた方は既に我が国の一般の兵士よりも強いことが証明されます。中には団長クラスになっている方もいるかもしれません。団長はステータスが平均で200です」
「あ、俺超えてるじゃん」
「なんと!?まさかそこまでステータスの高い方が!これは有望ですね」

なるほど、僕のステータスは兵士の平均よりは高いようだ
...しかし超えていると言ったのは西園寺さんのようだ
まぁあの方が今回の主人公って所でしょうか
一応ステータスでも覗いて見ましょうか

西園寺光太郎 ヒューマン Lv1 
職業:勇者

STR 500
VIT 500
INT 500
MND 500
AGL 500
DEX 500
LUK 10

スキル 聖剣
特殊スキル 指揮者
称号 勇者

これは凄いですね...
ザ・勇者って感じです...

「それで、俺達は何をすればいいんですか?」
「この世界には魔族という種族の王、魔王という凶悪な存在がいます。それを倒してほしいのです(偽)」

魔王ですか...またこれはゲームみたいですね
それに、この(偽)と出ているのはなんでしょう?
しかも王女様はとても綺麗な女性だ
恐らく西園寺さんの回答は...

「わかりました!やりましょう!俺が魔王を倒します!」

やっぱりこうなりますよねぇ...
はぁ、どうして何も考えないで行動するのでしょうか...

「光太郎君がやるなら私もやる!」
「俺もやってやるぜ!」

といいながら、クラスメイト達は前に出る
残ったのは僕と翠さん、それに愛ちゃん先生のようですね

「あとの3人はどうなさいますか?」
「うーん...修羅くん、どうしよう?」

僕に頼るんですか!?
...まぁいいでしょう

「王女様、いくつか質問をしてもよろしいでしょうか?」
「はい、いいですよ」
「まず、僕達は魔王とやらを倒せば元の世界に戻れるのですか?」
「はい、実は前にも勇者召喚を行ったという文献があって、それによれば勇者は魔王を倒した後、元の世界に戻っていったと記されていました(偽)」
「この世界でもし死んでしまった場合はどうなるのですか?」
「異世界からの転移者は、死に戻りになります。(偽)その場合は、この世界での記憶は消去されます(偽)」
「魔族という種族は、意思を持ち、言葉を話し、行動する種族ですか?」
「はい、そうですよ。しかし、人族とは違い、おぞましい体をしています」
「魔王というのは具体的にどのような事をしているのですか?」
「近隣の街や村を、部下に破壊させ続けています。(偽)」
「他には何かこの世界で問題は起こっていますか?」
「そうですね...この世界には魔族国マデリアル獣人族国ラルベスタ妖精国ファンタシスそして人族国アルトマータという四大国と呼ばれるものがあります。今この四つの国では戦争が起きていて、今は均衡状態にあります。しかし、魔族国との戦争を人族はしているのですが、その他にも獣人族とエルフがこちらに攻めてきているのです。ですので、魔族を倒す時に一緒に倒してもらえると助かります(偽)」
「そうですか、わかりました」
「では協力してもらえるということで「お断りします」...え?」

うわ、すごく驚いていますね
それにこの(偽)というのは多分嘘のことですね、先程発動した真偽の能力でしょうか
それにしても...殆どが嘘ですか...

「まず、僕達は戦争も争いもない、平和な世界から来ました。なので、そんな戦争に巻き込まれるなんて論外です。それに、魔族というのは外見は違うとしても、それ以外はほとんど人族と変わらないということですよね?それならばそんな相手を殺すなんてことはできません。自分たちが生まれ育ち、何かしらの思い入れがあれば別ですが、そのようなことも特にないのに、西園寺さん達のようにこの国のために戦おうとは思えません。たとえ死に戻りするとしても、死にたくありませんし」
「で、ですが「それに」...まだなにかあるんですか?」
「他者を殺すなら他者に殺される覚悟を持て。僕の師匠の言葉です。僕にはその覚悟はありません。自分の大切な人が殺されそうになったら話は別ですけどね...なので城下町で冒険者でもしながら過ごしてますよ」
「...」

ふぅ、何も言わなくなりましたね

「では、僕はこれで「ちょっと待てよ!」...なんですか?西園寺さん」
「お前は何も思わないのか!?」
「何がです?」
「こんな女の子が、頭下げたんだぞ!それに対して、なにかしてあげようとは思わないのか!?」
「全くもって思いませんね」
「なっ!?」
「考えてみてくださいよ。この国のために命をかけられますか?」
「そ、それはさっき死に戻りするって「それは本当のことなんですか?」...え?」
「はぁ...ちゃんと考えてくださいよ。その事実をどう確認するんですか?僕達の世界がどんな世界か目で見ることが出来ないとわからないですよね?ということは、そんなことが出来るとしたら僕達なんて呼ばれませんよ。こんな平和な世界の、それも高校生なんて」
「あ...」

やっと理解しましたか

「それに死に戻りがあったとしても、一回死ぬんですよ?そんな経験したくないです。と言うことで、僕は大切な人のためになら命をかけますし、そのために相手を殺さなければならなくなったら、殺すと思います。ですが、この国のために命をかけるつもりは無いので...早々に退出させてもらいます」
「そっか!なら私も修羅くんについていくね!」
「...そういうと思いましたよ。先生はどうします?」
「私は...二人には申し訳ないけど、生徒達が心配だから、より多くの生徒がいる方に残るわ」
「正しい判断だと思います。では「お待ちください!」...今度はなんですか?」
「私は嘘はついていません。それと旅立つのに、あなた方二人は、資金をお持ちでないですよね?」
「そうですね...たしかに無一文です」
「では、餞別として二人あわせて金貨15枚を差し上げます。一番安い宿で銀貨30枚なので、25日間は泊まれる金額です。あと、お好きな武器を一人一つ差し上げます。自分の身を守るくらいには使えると思うので。あとは、一応実力試験というものを行うつもりでしたので受けてもらってもよろしいですか?どちらか1人だけでいいので...勝手に呼んでおいて悪いのですが、どのくらいの力があるかは判断したいので」
「わかりました。それくらいなら...では僕は刀を貰えますか?」
「じゃあ私はね...弓ください!」
「わかりました、すぐに準備をしなさい!」

その後、一人の兵士から金貨15枚と、僕には刀、翠さんには弓と10本入の矢が5束渡された

先程王女の「私は嘘をついていません」という言葉に(偽)がついていませんでしたね...
ということは、誰かが王女に嘘をついている、ということになりますね
まぁ今の僕には何も関係がありませんが...

「では、こちらに来てください」
「わかりました」

とりあえず試験とやらを受けたら...ギルドに向かいましょうか

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試験会場...というより訓練場に着いた

「俺が試験官のマルクスだ。よろしくな」

...うん、強そうですね
武器は...両手剣かな?

「試験のルールは相手を気絶させるか相手が降参するか武器が折れるまで戦い続ける。細かいルールはない。いいな?」
「はい、よろしくお願いします」

この人だったら全力でやっても・・・・・・・大丈夫そうですね
まぁステータスが低いので全力を出せるかわかりませんが...

「じゃあ始めの合図を...って刀は抜かなくてもいいのか?」
「僕はそういう戦い方なので」
「わかった、じゃあこのコインを上に投げるから下に落ちた瞬間が合図だ」
「わかりました」
「小僧は強そうだから全力で行かせてもらうぞ?」
「では、僕も全力で行かせてもらいます」

そういってマルクスさんはコインを上に投げた
少しずつ落ちてきて...

キンッ...

「はっ!」

地面についたと同時にマルクスさんが突進してきた
僕は構えたままその場に留まっている
随分と早いですね...やっぱり全力でやりますか

「ウェイキングクラッシュ!」
「...居合『夢想』」

マルクスさんの両手剣のスキルと僕の九十九一刀流の技が激突した
その瞬間、爆発したかのように土煙がまった
少し時間が経って、土煙が晴れると...

「ふぅ、やはり強かったですね。全力で斬りにいってよかったです」

立っていたのは、修羅だった
マルクスは気絶はしていないが、立てなくなっているようだ

《レベルが上がりました》

お、レベルが上がりましたか、後で確認しておきましょう

「マルクスさん、試験ありがとうございました」
「おう...お前、強いんだな」
「元いた世界で抜刀術を学んでいたもので」
「抜刀術?」
「先程僕がした技の総称ですよ。慣れれば普通に斬るより速いですから」
「そうか...俺はここの騎士団に入ってから誰にも負けたことは無かったんだがな...今はここの団長だしよ...まさかこんな小僧に負かされるとは思ってなかったよ」
「いえ、マルクスさんの突進速度があれより速かったら僕の負けでしたよ。抜刀術は間合いの調節が重要ですから」
「そうか、ならばお互いもっと精進しよう。次は勝つ」
「はい、またよろしくお願いします」

そして僕は王女様の方を向いて

「これで実力は測れましたよね?」
「......」

あれ?返答がないですね
沈黙は肯定と受け取ってもいいんでしょうかね

「...お金も貰ってることですし、そろそろ城を出たいのですが、いいですか?」
「え?あ!はい、わかりました...」
「では、僕達はこれで」
「じゃあ私も...バイバーイ!」

そう言って僕達は訓練場をあとにした

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他の生徒達は、二人の姿を唖然としながら見ていた
...二人を除いて

「なぜ翠があんなやつについて行くんだ...」
「柊さんは俺の物になるはずだ...何故あいつが...」

西園寺といじめ連中の一人、松村明まつむらあきらは誰にも聞こえないような声恨めしそうに修羅を見ながらそう言った

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