平凡な毎日が一瞬で崩れ去った(凍結中)

AdieuJury

5話 初のクエストと殺人

試験が終了してから二日後
俺達は馬車で盗賊のアジトに向かっていた
ちなみにアジトまでは一日近くかかるそうだ

「そういや、戦ったあとのステータスって見てなかったな...見てみるか」

ステータス、オープン


九十九修羅 ヒューマン LvMAX(5) 
職業:なし

STR 800000
VIT 800000
INT 800000
MND 800000
AGL 800000
DEX 800000
LUK 200

スキル 真偽LvMAX 鑑定Lv3 刀術LvMAX
特殊スキル 成長速度10倍 進化
称号 巻き込まれし者 万能人
【進化可能】


はぁ!?
増え方おかしくね?
なんか0の数が増えてんだけど!?
...もしかして

鑑定!

真偽
対象の発言が正しいか否かを判断する
正しくない場合は対象の頭の上に(偽)と表示される

鑑定
あらゆるものを調べることが出来る
レベルによって鑑定出来ないものもある

刀術
刀術スキルを使えるようになる

成長速度10倍
レベルが1上がる事にLUK以外のステータスが10倍されるが、レベル上限は激減する
なお、このスキルを持っている者の仲間も最大10人まで成長速度2倍の恩恵が得られるようになる
なお、恩恵を受けた仲間には副作用はない

進化
レベルの上限を解放する
その際、一日ほど意識を失う

巻き込まれし者
勇者召喚に巻きこまれた者に渡される称号
その者は召喚された世界に何らかの変化をもたらす人物になる

万能人
LUKを除く全てのステータスが一定以上になった者に渡される称号

 
そういうことかぁ...
成長速度10倍って、レベル上がるのが早い訳じゃないのね...
まぁ進化があるから相当のチートスキルになるけどな
壮絶な痛みってのがちょっと怖いけど
それに、翠に成長速度2倍がある理由もわかったな
まさか俺の特殊スキルのおかげだったとは...

「修羅くん!もう少しで盗賊のアジトに着くみたいだよ!」

お、まじか

「わかった、戦闘準備をしておこう」

とうとう人殺しをしてしまうのか...
まぁこの世界で生きていくには仕方の無いことか

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺達は盗賊のアジト付近の森に馬車を置き、そこからは徒歩でアジトまで向かった
あ、ちなみに冒険者は俺たち以外にもいる
Cランク冒険者のアリアドネだ、ちなみに男だ
1年前に冒険者登録をしてから普通よりも早い速度でランクを上げている冒険者なのだが、アリアドネはソロでクエストに挑むことが多いらしく、今回の盗賊の依頼も俺達の試験ということで付いてきているだけだ
ちなみにこの試験が終わったら俺達がSSランクになることをアリアドネは知らない
そんなアリアドネが作戦を話し始めた

「いいか?今回の盗賊は全員で7人いて、入口に2人、中に5人だ。まずは俺が隠密を2人にかけるから、ヒイラギの弓で入口にいる盗賊の1人を攻撃、それで動揺した盗賊を横から奇襲をかける。その後は中に入って殲滅。攫われた人たちがいたら救出。それでクエスト完了だ。いいな?」
 
2人は静かに頷いた

「じゃあやるぞ...闇よ、かの者達を隠せ、スケアリ」
 
アリアドネが詠唱をすると自分たちの影が薄くなったような気がした

「よし、行ってこい!」
「「はい!」」

俺達は小声で返事をして、アジトの方へ向かった
翠は少し離れた草むらで待機している
大体俺の後方20メートルってところか?

(修羅くん、準備はいい?)

これは翠の魔法の一つ、念話だ
自分を含め、最大5人で会話ができるらしい

(あぁ、こっちは準備OKだ)
(じゃあ3から数えてから矢を打つね。修羅の横を矢が通ったタイミングで動き出して?多分それでちょうどいいぐらいのはずだよ)
(わかった)
(3、2、1...0!)

そういって放たれた矢はすぐに俺の横まできた
作戦通り横に来た瞬間に俺は走り出した
そこで一つ、予想外なことが起きた

(ちょっ、修羅くん速すぎだよ!?)

俺の方が速すぎる
なんでだ!?.........あ

(翠、俺、ステータスめちゃくちゃ上がったの忘れてたわ)
(先に言ってよぉ!)
(ごめんごめん)

走りながら謝る俺
こればっかりはしょうがない
俺の特殊スキルを恨んでくれ
とりあえず走る速度を下げて、矢の横まで来た
すると、盗賊たちはもう目の前まで来ていた
やべっ!納刀してない!だけど...とりあえず斬る!

刀術LvMAXだし、なんとかなるだろ
そんなことを考えながら、なんの違和感もなく・・・・・・・・・盗賊を斬り捨てた

「...あ?」

なんで違和感なく斬れたんだ?
俺は日本でも抜刀術しかしてこなかったのに...
もしかして...

「これがスキルの恩恵ってやつか...?」

そうじゃないと説明が出来ない
俺は抜刀術はずっとやってきたが、普通の斬り方なんて知らない...それもおかしいかもしれないけどな
...あとで刀術スキルを詳しく見ておくか

(修羅くん!終わったの?)
(あぁ、翠の矢も相手をちゃんと殺してたぞ?これで俺達はSS級冒険者だ)
(そうだね!だけど...罪悪感がないのはなんでだろうね?)

あ、そういえば...
異世界に飛ばされた時に精神干渉でもされたか?
まぁいいや、これからのことを考えるといいことだし
そんなことを考えていると、翠が俺のところまで走ってきた

「修羅くん、中に入ろう?」
「おう、気ぃ抜くなよ?」
「うん!」

さて、こっからが本番だな...
さっきのは不意打ちだったから一撃だったが...次はそうはいかない
おそらく殺し合いになるだろうな...
それでも...

「この世界で生きていくためだ...」

この盗賊共には俺達の生きる糧になってもらおうか...
俺たち2人はそのままアジトの中に入っていった

中に入ると、檻があって、その中に3人の女が入っていた
その檻の近くに下っ端2人、そして盗賊頭と思われる人物の近くに下っ端2人いる
盗賊頭の強さを鑑定してみようか...


ユーノ・トリガー ヒューマン Lv68 
職業:盗賊頭

STR 684
VIT 463
INT 219
MND 167
AGL 659
DEX 1672
LUK 6

スキル 短剣術Lv3 大剣術Lv2 身体強化Lv2 連携Lv1
特殊スキル 盗賊の極意

短剣術
短剣術スキルを使えるようになる

大剣術
大剣術スキルを使えるようになる

身体強化
一時的に身体能力を高める
INTの高さによって能力値の上がり方が変化する

連携
味方との連携がとりやすくなる
同じスキルを持っていると、意思の疎通ができるようになる

盗賊の極意
盗賊として必要なスキルをすべて使えるようになる


これは...強いのか?
普通に考えれば強いんだろうが...
レペルが試験官の2人より低いし...
まぁ俺からしたら何の関係もないんだけどな

「おい、てめぇら!ここがどこだかわかってんのか?」

うわぁ...テンプレだぁ

「まぁわかっていなくてもこの場所を見られたからにはお前達には死んでもらう!野郎共、やっちまえ!」
「「「「うぉぉぉおおお!」」」」

よし、じゃあ...

「翠、檻の方を頼む!」
「わかったよ!」
「さぁてお前達、俺の経験値になってくれよ?」

もう最大レベルだから必要ないけどな
もしかしたら蓄積されてるかもしれないし
一応初の実戦だ
心して臨もう

「居合『一閃』!」
「ぐはぁっ!?」

まずは一人目、抜刀術で仕留めて

「おらぁ!」
「がふっ!?」

そのままの勢いで斬り捨て二人目
そして...

「くそぉ!なんで俺がこんな目に...」
「うるせぇ!!」
「ひぃぃいいい!!ど、どうか命だけは...」
「黙ってろ!!」
「は、はいぃぃ!」

よし、あとは...

「修羅くん、こっちも終わったよ!」
「捕まってた人たちは?」
「ちゃんと解放したよ!」
「よし、じゃあこいつ縛ってとっとと出るぞ」
「わかったよ!」

こういう時のために縄を買っておいてよかった
ちなみにこの縄は、一度縛ると縛られた人と縛った人のINTの差によって解きやすさが変わってくるらしい
つまり、こいつには俺の縄は絶対に解けないってわけだ

...そういえば、意外と罪悪感ってないんだな

複数の人の死を見たのに罪悪感がない
やっぱり転移した時に、精神干渉されたのだろうか?
......まぁ今はわからないこと考えてもしゃーないな

というわけで、俺達はこの盗賊頭をガチガチに縛って外に出た
クエスト完了だ














お宝いっぱいだな...持って帰ろう

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