外れジョブかと思いきやある意味最強ジョブでした。

稜さん@なろう)

第1話 え、俺のジョブって……

  今日はジョブを決める大切な日。俺はワクワクしながらこの日を待っていた。
 
「いよいよか……どんなジョブになれるんだろうな」

 そして、杖を持った神官が俺たちの前に立った。
 その神官は俺を含む数人の若人を見渡し杖を掲げた。

「これより、儀式を始める。最初の者よ前に出よ!」

 「はい!」

  一番手は爽やかな好青年だった。 
青年は神官の前に行くと光に包まれた。


「ふむ、お主のジョブは……なんと!? 勇者じゃ」

 神官の告げたジョブ名を聞いた周囲の人間がざわつく。 勇者、この世界において対魔王に特化した伝説のジョブ。
 まさか、生きてるうちに見ることができるなんて……それにしても羨ましい。


「おほん。次の者」

 「はぁい」

 次の奴はふわふわした美少女だった。その少女も先ほどの青年と同じように神官の前に立つと光に包まれた。

「ふむ、これは驚いた。お主は賢者じゃ」

 次は賢者かよ……今年のジョブ決めの儀式やばいな。これは俺も期待できるんじゃないか?
  俺はそんな期待を込めて順番を待っていた。
そして、ついに。

「それでは最後の者」

「は、はい!」

 遂に来た。俺の番が! すかさず神官の前に立つ。
しかし、光など起きず『ポン』間抜けな音がしただけだった。


「残念じゃがお主のジョブは称号マスターじゃな」

「は……? 称号マスター? なんだよそれ」

 称号マスター、名前だけ聞けばすごそうだがこのジョブは所謂無職ってやつだ。ふざけんじゃねえ! 俺はこれで永遠に無職が決まったようなもんだ!

「おや? な、なんじゃこれは!?」

 次の瞬間、神殿に『テレンテレンテレ』とまたまた間抜けな音が鳴り響いた。
 
「な、なんと。まさか二重職じゃと!?」

「うそ、だろ? 俺が二重職!? 神官さま! 二個目のジョブを教えてくれ!」

「あ、焦るでない。お主の二個目のジョブは……称号クリエイター……?! なんじゃ、このジョブは!? 新たなジョブじゃ」

「まじかよ。ということは、このジョブはーー世界に一つしかないジョブか」

 俺は叫びそうになるのを堪えて神殿から飛びて街を後にした。
そして、街からでて一息置いてから

「いやっほおおおおお!!」
 
 叫んだ。ただ、叫んだ。
魔物どもがこちらを見ているが知ったことではない。
そして、早速自分のジョブを確認した。

 ジョブ 1

称号マスター (0)

称号マスター:能力など使えなくなるが持っている称号の力を100%引き出す。 レベルが上がることでさらなる力を引き出すことができるだろう。

ジョブ 2

称号クリエイター (0)

 称号クリエイター:あらゆる称号を作ることができる。レベルが上がることで作れる称号が増えるだろう
 現在 一般称号 5lvになると一次ジョブ称号を手作れる。


「なるほど、この称号クリエイターがあればこの使えないと言われていた称号マスターの力を発揮できるんだな。なら早速称号をクリエイトするか!」

  現在の称号 
 なし

 作成可能な称号

・農民
・医者
・騎士


「三つだけなのか。よしなら騎士を作るか」

 俺は騎士作成と呟いた。

 騎士 を作成中……作成完了。
 
 騎士 を装着します。

騎士の称号を装備したことにより
称号マスターのレベルが1になりました。
レベル1になったことで数着可能称号が一つ増えました。

作成によって称号クリエイターがレベル1になりました。

・ステータス
命 30→ 50
力  1 →20
守り1→20
魔力量0→5
速度 3→20

特性
 かばう時の被ダメージを軽減
スキル
 守る
 
 「すごい上がり具合だな。そういえば二個つけれるようになったみたいだが。もう一つ付けてみるか。えーと木こりを作成っと」

 木こりを作成中……作成完了
木こりを装着。

 現在の称号
 ・騎士
 ・木こり

 「ステータスはどうなったかね」

 ・ステータス

 命 30→66
 力 20→60
 守り20→25
速度20→22
魔力量5→5

特性
かばう時の被ダメージを軽減
斧の使用時力が増加
スキル
 守る
 斧を回す

「ヤベェ……称号つけるだけでステータスが上がるのかよ。しかもこれ、一般称号だろ?レベル上げていったらいずれ勇者の称号も手に入るんじゃねえか?  もし神様ってのがいるんなら感謝してもしきれねーや」


 こうして俺、ヒノキ・ノーボはこの日を境に最強と言ってもおかしくないモノを手に入れてしまった。 
 このジョブが俺を魔王退治に送り込む悪魔からのプレゼントとは知らずに。


第1話 え、俺のジョブって……  (完)

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