鏡の向こうで

白峰 ミコ

4話

必要の部屋

木の扉を開けると、そこはあたり一面ものであふれている。
食器や文具、イスや机などの家具、玩具から骨董品などありとあらゆるものが所狭しと並んでいた。
そして、扉はどこでもドアのように空間に存在していて扉の背後にもものが広がっている。
何でもかんでも、好きなものが見つかりそうなこの空間。だけれど、この広い空間ではあまり遠くまでいって、探しものをしていると迷子になってしまうかもしれない。

ひとまず、拳銃の弾丸を探して見る。
が、見つからなかった。だが代わりに不思議な水晶玉を見つけた。

【不思議な水晶玉】

水晶玉を持ち上げ覗き見ると、こんな自分の姿が映し出された。

通学途中の電車の中で、携帯で前髪を整える俺がいる。一通り終わったところで改めて携帯で自分の顔を見る。その後、携帯の電源を切り暗くなった液晶に写る自分を見た。

そこまで確認すると、その瞬間水晶が割れた。


水晶に写ったもの。入れ替わったもう1人と、その方法。そして、俺をこの空間に呼びつけた何者か。

最後以外は理解した。
ここに来るまでの抜けた記憶。メモにあった特殊な精神交換の呪文。
そう考えれば、結論は出ている。精神交換の呪文で、もう一人と入れ替わった。そして、この拳銃でもう一人、鏡の中の自分を撃てばいい。
だけれど、それだけじゃ足りない。そんな事をしては、鏡の部屋で死んでいた人と同じ末路になるだけだ。
あと一つ、あと一つだけ、ピースが足りない。何とかして鏡に写る弾丸を透明に、できるもの。
・・・・・・そんな物があるのだろうか?
何処かで見落としてるか、まだ調べていない鉄の扉の中にあるかも...

その後、気を取り直して2度目の弾丸探し。今度は拳銃を持って探していると。見事、一ダースの弾丸を見つけた。
ただ、不思議なことは、拳銃がまるで弾丸が置いてある所を知っているかのように、探し当てたことだろう。
まあ、世の中。知ってはいけないものが多数あるが、これもその一種。
俺は心の中で、そう割り切った。

もう要は無いこの空間を出ようとすると、入ってきた時よりも、扉が遠くにあった。
いつの間にこんなに離れてしまっていたのか、見失う前に気がついて良かった。
もしかしたら、もし扉を見失ったら。この空間の中をさまよい歩いて、鏡の部屋のやせ細った人形の様になって一生を終わるところだった。

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