鏡の向こうで

白峰 ミコ

1話

目を覚ますとそこは、正方形の部屋。

背中が冷たい。俺は床に寝ているのか?
手をついて起き上がってみる。手は床を触り、ひんやりとした感覚を俺に伝える。床は磁器じきのように冷たい。色は黒く、まるで吸い込まれるような深淵が永遠と続いている。
天井は、光源などは無いが明るい。
どういう訳だか分からないが今、不思議な部屋に俺はいる。

何か道具は無いかと体を探ってみるが、身に着けているものは高校の制服だけ。バッグなどの荷物は何にもない。ポケットの中身もすべてない。
衣服以外は何も無い。
ないないだらけだ。

白菊シラギク ホタル 自分の名前もちゃんと言えるし、記憶も正常。ただ思い出せないのはここに来る直前までのこと。
まあ制服を着ているのだから、学校に居たのだろう。

他に何も無いかと辺りを見渡す。
ゆっくり立ち上がると、正面の壁に扉があるが既に開いていて奥には鏡が見える。
左右の壁には扉がひとつ、オシャレな木の扉が。
後ろの壁には貼り紙の貼られた鉄の扉。のぞき窓と重厚じゅうこうな鉄の扉からは、まるで何かを閉じ込めているかのように感じる。

そして、部屋の真中に白い紙切れが2枚、落っている。
黒い部屋に白い紙。まるで紙切れが読んでくれと主張している。何かの罠かもしれない。
まあ、説明も無しにこんな空間に連れてこられて、初見殺しの罠だったら逆に困る。
ブツブツと小声で文句を言いながら紙切れを拾い読む。

紙切れ1枚目

~かえりたいなら いれかわった もうひとりを 殺さないといけない~

紙切れ2枚目

この空間の地図になっています
北:鏡の部屋
西:本の部屋
東:必要の部屋
南:ポチの部屋

鉄扉の貼り紙

~僕はしばらく留守にするから ポチに餌をあげておいてね 餌は北の部屋にあるから たくさんあげてね~

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