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ミミック転生  ~『比類なき同族殺し』の汚名を晴らす方法~

チョーカー

魔族とギルドの計画

 「どうして、俺たちの計画をギルドが黙認……いや、それどころが積極的に支援すらしているか想像できてるか?」

 「……」と俺は首を振った。

 「俺たちの計画はギルドに取っても、この世界に取っても、俺たち魔族にとっても有益だからさ」

 俺はコウの目を真っ直ぐに見つめる。
 彼の瞳には、揺らぎが見えなかった。曇りがなく……おそらく本当の事を話している。

 「要するに、俺たちがやろうとしている計画。その目標は貴方みたいな存在なのさ」
 「————随分と遠回りな表現だ。時間稼ぎ……でもないはずだが?」
 「あぁ、おもしろいな。貴方はそう考えるのか。でも、単純に計画が壮大過ぎて説明するのに説明できない。それだけだよ」
 「すまない……続けてくれ」

 「ええっと、どこまで話したかな?」とコウは思い出すようにコツコツと足音を上げで歩き始めた。

 「そうだ。俺たちの計画は、貴方みたいな『転生者』になる事だ」
 「『転生者』だと? 魔族が! 魔族全員が……か?」

 「そうだ。ただし……」とコウは言葉にタメを作り……

 「ここではなく、異世界での『転生者』になる事がこの計画だったんだよ」

 それはある意味では衝撃的な発言だった。

 「それはお前ら全員が、俺の元いた世界に転生するって事か?」

 自分で言っても、思わず笑いが吹き出しそうになる。なぜなら―———

 「残念だけど、俺がいた世界じゃ、この世界から転生してきたヤツなんて存在してなかったぞ。……前世が姫や王子を自称する痛いヤツはいたけどな」
 「痛いヤツ・・か。だが、それは既に過去の話になっているんだよ」
 「なん…だと……」
 「世間には秘匿されているが、そういう知識を有した『転生者』が現れたのさ。
 なんでも、ソイツは元いた世界じゃ教授って職業だったらしくな。2つの世界を『猫』やら『紐』に例えて、よくわらない説明だったらしいが……それはまぁいい。向う側の化学では、こちら側の世界を認識はしているがエネルギー不足で繋げれない。けど————
 こちら側の魔力をエネルギーに変換して、肉体の衣を外せば……あるいは…ってね」
 「悪いが、何を言っているのか、さっぱりだ。説明をしているつもりなのだろうが、説明をしてくれ」

 「あっはっはっ……」とコウは笑った。
 そして、こう続けた。

 「要するに俺たち魔族は、肉体を捨てて、貴方たち『転生者』みたいに向う側の世界の生物に魂を定着させる計画であり、それはもう止められないって話なのさ」

 「————ッ!?」と俺は攻撃を再開しようとする。しかし————
 「まだ、まて」とコウに制止される。

 「これはギルドの上層部も協力している魔族の亡命計画だ。もう失敗はない。それでも貴方は否定するのかい? 貴方自身が『転生者』なのに?」
 「それでも、お前らに肉体を乗っ取られた人は————」
 「心配ない。我々の転生先は人間じゃない」
 「なに!?」
 「ここではない世界の植物や動物……あるいは無機物でも構わない。それに魂を定着させ、我らは新たな種族として再誕生するのだ。何千年必要かわからない。しかし———それでも―――
 我々は、この世界を去り、新たな生物になる道を取る事にしたのだ」


 

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