ミミック転生 ~『比類なき同族殺し』の汚名を晴らす方法~
巨大オークの正体と弱点と決着と
「ごめん、見えなかった」
カスミの動体視力でもオークの攻撃を捉えられなかったのだ。
きっと、俺は苦虫を噛み潰したような顔をしているだろう。
いや、切り替えよう。
あの攻撃の正体を確かめるなら……どうする? 何か罠を張って、一瞬でも動きを止める方法を――――
「もう一度……もう一度挑戦してみる」
「え?」
「もう一度、いえ……あの緑の何かを見破るために何度でも私は挑んでみるの!」
カスミが言った、その言葉は力強く、決意の表れが……
「いや、待てカスミ。あの攻撃は緑色なのか?」
「ん?うん、色はボンヤリとだけわかるけど……それ以上は……」
「……フッふぁっはっはっはっ……」
俺は思わず笑いがこぼれた。
カスミはそんな俺に異変が起きたと思ったのかもしれない。
何度も「だ、大丈夫なの?ミミックくん」としきりに聞いてくる。
しかし、俺の笑いは止まらなかった。
「あはっははっは……いやいや、心配させて、ごめんごめん。どうも見えないということの認識が違ったみたいで、それが面白かったんだ」
「?」とカスミは俺の言葉に疑問符を浮かべた。
「俺は、あいつの攻撃が見えなかった。けど、カスミはわからないなりに、何かが飛来しているとわかったんだろう?」
「うん、緑色の何かが、あいつから伸びているのはわかるよ」
「十分、それだけわかれば上等だ」
緑色のナニカ? オークの体のどこかを変化させて飛ばしている?
―-――否。
オークの肉体にナニカを加えた攻撃だ。
人間の魂をオークの肉体に定着させた。それにプラスアルファ……
「じゃ、なんで緑色をしている?」
オークと無関係ならどうして緑色をしているのか?
保護色のようにオークの体に合わせた? なるほど、その目的もあるかもしれない。
現に俺はもちろん、カスミも、その攻撃を直視することはできていない。
けど、それだけではない。
むしろ、逆だとしたら? その加えられた力を隠すために、あの巨大なオークの肉体を与えられたとしたら?
俺は思考を加速させる。
ヒントは今まで戦いの中にあった。
あのオークの異端性……本来のオークとの違いは何か?
まずは規格外のサイズ。なぜ、あのオークは巨大なのか?
そして、あの回復力だ。
超回復……というよりも高速再生能力と言えばいいのかもしれない。
それに加えて、あの不可視の攻撃。どうして、緑色なのか?
「……となると、答えは簡単だ。頼めるか? カスミ」
「うん、次の曲がり角。越えたら反転して……使うよ!」
打ち合わせは終えた。
そして、曲がり角を曲がり作戦通りに反転。
待ち伏せの形になり、俺たちの位置へオークが突っ込んでくる。
「――――このタイミング! 放て!」
俺の合図を受け、カスミは――――
「忍法 火炎魔法の術!」
忍法なのか? 魔法なのか? 術なのか?
そんな疑問は、おいておく。
カスミは素早く手元で印を組み、口から毒きりでも吹き出すかのように――――
業火は吐き出した。
それと同時に――――
「毒触手流拳法 雌誕訃炉叛の拳」
体内で生産した可燃性の気体を触手から噴く出す。
その結果、オークの巨体は一瞬で火に包まれ、大きな火柱のように見えた。
「……緑色の攻撃。やはり、単純に蔦をムチのように撓らせて攻撃していたのか」
巨大オークの正体。
それは植物の回復能力を取り込み強化、加えて巨大化させたオークだった。
「純粋に再生する巨大オークなんて、悪夢でしかないが……その正体を晒すような攻撃法を取ったのが勝敗を分けた」
炎に包まれ、植物の再生能力ですら凌駕した燃焼効果には敵わないのだろう。
やがて、巨大オークだった、ソレは――――
崩れ落ちた。
カスミの動体視力でもオークの攻撃を捉えられなかったのだ。
きっと、俺は苦虫を噛み潰したような顔をしているだろう。
いや、切り替えよう。
あの攻撃の正体を確かめるなら……どうする? 何か罠を張って、一瞬でも動きを止める方法を――――
「もう一度……もう一度挑戦してみる」
「え?」
「もう一度、いえ……あの緑の何かを見破るために何度でも私は挑んでみるの!」
カスミが言った、その言葉は力強く、決意の表れが……
「いや、待てカスミ。あの攻撃は緑色なのか?」
「ん?うん、色はボンヤリとだけわかるけど……それ以上は……」
「……フッふぁっはっはっはっ……」
俺は思わず笑いがこぼれた。
カスミはそんな俺に異変が起きたと思ったのかもしれない。
何度も「だ、大丈夫なの?ミミックくん」としきりに聞いてくる。
しかし、俺の笑いは止まらなかった。
「あはっははっは……いやいや、心配させて、ごめんごめん。どうも見えないということの認識が違ったみたいで、それが面白かったんだ」
「?」とカスミは俺の言葉に疑問符を浮かべた。
「俺は、あいつの攻撃が見えなかった。けど、カスミはわからないなりに、何かが飛来しているとわかったんだろう?」
「うん、緑色の何かが、あいつから伸びているのはわかるよ」
「十分、それだけわかれば上等だ」
緑色のナニカ? オークの体のどこかを変化させて飛ばしている?
―-――否。
オークの肉体にナニカを加えた攻撃だ。
人間の魂をオークの肉体に定着させた。それにプラスアルファ……
「じゃ、なんで緑色をしている?」
オークと無関係ならどうして緑色をしているのか?
保護色のようにオークの体に合わせた? なるほど、その目的もあるかもしれない。
現に俺はもちろん、カスミも、その攻撃を直視することはできていない。
けど、それだけではない。
むしろ、逆だとしたら? その加えられた力を隠すために、あの巨大なオークの肉体を与えられたとしたら?
俺は思考を加速させる。
ヒントは今まで戦いの中にあった。
あのオークの異端性……本来のオークとの違いは何か?
まずは規格外のサイズ。なぜ、あのオークは巨大なのか?
そして、あの回復力だ。
超回復……というよりも高速再生能力と言えばいいのかもしれない。
それに加えて、あの不可視の攻撃。どうして、緑色なのか?
「……となると、答えは簡単だ。頼めるか? カスミ」
「うん、次の曲がり角。越えたら反転して……使うよ!」
打ち合わせは終えた。
そして、曲がり角を曲がり作戦通りに反転。
待ち伏せの形になり、俺たちの位置へオークが突っ込んでくる。
「――――このタイミング! 放て!」
俺の合図を受け、カスミは――――
「忍法 火炎魔法の術!」
忍法なのか? 魔法なのか? 術なのか?
そんな疑問は、おいておく。
カスミは素早く手元で印を組み、口から毒きりでも吹き出すかのように――――
業火は吐き出した。
それと同時に――――
「毒触手流拳法 雌誕訃炉叛の拳」
体内で生産した可燃性の気体を触手から噴く出す。
その結果、オークの巨体は一瞬で火に包まれ、大きな火柱のように見えた。
「……緑色の攻撃。やはり、単純に蔦をムチのように撓らせて攻撃していたのか」
巨大オークの正体。
それは植物の回復能力を取り込み強化、加えて巨大化させたオークだった。
「純粋に再生する巨大オークなんて、悪夢でしかないが……その正体を晒すような攻撃法を取ったのが勝敗を分けた」
炎に包まれ、植物の再生能力ですら凌駕した燃焼効果には敵わないのだろう。
やがて、巨大オークだった、ソレは――――
崩れ落ちた。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
32
-
-
1512
-
-
75
-
-
3087
-
-
314
-
-
1359
-
-
127
-
-
549
-
-
35
コメント