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ミミック転生  ~『比類なき同族殺し』の汚名を晴らす方法~

チョーカー

――数日後――


  ―――数日後―――

 「マリア、先にギルドへ行ってるぞ」
 「ちょっと、まってよ。すぐに出れるから」

 俺は例によって、体を跳ねさせて移動。外に出る直前、宿屋の女主人とあいさつを交わした、

 「やぁ、ミッくん。マリアはどうしたの?」
 「いつもの寝坊さ」
 「あははっそりゃ、良いね。あんたも将来は楽しい苦労をしそうだな」

 ここ数日、日常と化した軽い挨拶を終え、俺はギルドを目指した。
 マリアも職業『猛獣使い』が認知され始め、俺も両手を振って表を歩ける立場になったのだ。
 それ以外は大きな変化はない。マイクロフトが言っていた招待状とやらも到着する気配がない。
 たぶん、まぁ、『転生冒険者』と言え魔物モンスター軍団レギオンに加える事に内部で反発があったのではないか?
 やがて―――

 「ギルド到着!」

 俺はギルドの扉をくぐった。
 相変わらず朝から人が多い場所だ。こんな時間にも関わらず、酒瓶を片手に眠っている冒険者もいる。
 いや、彼を責めてはいけない。ギルドの秩序である老エルフさん(名前はカベンディッシュと言うらしい)が、彼を追い出さない。
 おそらく、この冒険者は大仕事を終えたばかり。
 酔いつぶれているのではなく祝杯の最中で力尽きたのだろう。

 「ご苦労さん」

 俺は名も知らぬ冒険者に労いの言葉をかけた。
 そのまま依頼の掲示板に向かう。その途中―――

 「アイツが例の転生冒険者か。平凡なミミックにしか見えぬ」
 「バカが、アイツがマリアとコンビを組んで数日だぞ。特殊持ちコンビとは言え、数日で頭角を現した新入りルーキが過去にいたか?」
 「馬鹿はお前だ。過去にいたか?だって?そのマリアがそうだったじゃねぇかよ」

 注目を浴びる。称賛と嫉妬が入り混じった視線と言葉。 
 数日前、マリアを始めてここに来た時は、ピリピリと敵意を向けていた連中だったが……
 僅かであれ、その風向きは変わってきた。
 その理由は―――

 「もう、ミッくん!待ってて言ったでしょ!」

 マリアが到着した。
 かつて敵意を向けていた冒険者たちの態度は明らかに変わっていた。
 親しく声とかける冒険者は、今も0人だ。
 しかし、少なくとも露骨に敵意を向けてくる冒険者もまた、皆無になっている。

 「……マリアを待っていたら日がくれちまうよ」

 やれやれと俺は触手で表現した。
 「もー」とマリアは抗議の声を上げたが、ヒョッイと慣れた手つきで俺を持ち上げ、バックのように背中に背負った。

 「じゃ、今日の依頼は……」

 俺とマリアは依頼書が張り付けられた掲示板から依頼を探す。

 『湖の底に沈む太古のダンジョン調査のため護衛募集』
 『ダンジョンで紛失した父の形見の回収。手伝い募集』
 『行方不明の幼子、情報求める』
 『村の田畑を襲う魔物モンスター退治。強者必須条件』
 『素材集め 50階層以下 真理の薬草×100 報酬高額』

 前は、受付からマリアの実力レベルにあった依頼を探して持っていたが、今は掲示板で依頼の確認を優先にしている。
 2人で相談して、依頼を決めるに実力なんて無関係に手広く、引き受けるようにした。
 そして、最優先するのは―――

 「これだね」

 マリアは1つの依頼書を指差した。その内容は―――

 『行方不明の幼子、情報求める』

 俺は頷いた。

 2人で取り決めた依頼を受ける優先順位は

 『人助けになる事』

 悪く言えば名声を受ける事を優先にした。
 俺とマリアに対する悪意や敵意を減少させるためだったが……
 それは思っていた以上に効果的だったようだ。


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