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ミミック転生  ~『比類なき同族殺し』の汚名を晴らす方法~

チョーカー

マリアの職業とスキル構成

 「さて―――」と俺はマリアのステータスを見た。

 「まずは、職業とスキル構成か……」


 『マリア・クルス』……職業 聖騎士(巫女) 15才

 ユニークスキル

 『神託魔法』
 『神代の暴虐』

 『神託魔法』 効果……全ての魔法に神性属性付加 魔法威力大幅増加

 『神代の暴虐』 効果……身体能力大幅増加 使用中、一定間隔で魔力消費


 獲得スキル

 『剣強化』  『大剣強化』  『魔法強化(弱)』 『魔法自動回復(弱)』

 『剣強化』 効果……剣を装備中、身体能力上昇

 『大剣強化』 効果……大剣を装備中、身体能力上昇(剣強化スキルの発展、効果重複)

 『魔法強化(弱)』 効果……魔法の威力上昇

 『魔力自動回復(弱)』 効果……魔力が一定時間で自動回復

 獲得魔法。

 『火炎』 『落雷』 『水撃』

 『火炎フレア』……火炎系魔法初級見込み
 『落雷ヴォルト』……雷系魔法初級見込み
 『水撃ウォーター』……水系魔法初級見込み


 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・


 俺はマリアのステータスを見た。
 さらに下記には、力や魔力を数字化したデータが並んでいるが……特に注目する内容ではなかったので、そこは割愛しよう。
 そんな事よりも―――

 「聖騎士(巫女)ってなんだよ!」

 俺は叫んだ。
 異世界の知識によると『聖騎士』も『巫女』も特殊職業エクストラジョブになるらしい。
 だが、どんな人生を歩んだ人間が―――
 『教会の最終破戒僧』とも言われる『聖騎士』
 『歩く神々の社』と言われる『巫女』
 この二つを兼任できるというのか?

 俺のそんな疑問に対して、マリアは少し悩み始めた。
 暫く悩んだかと思っていたら
 「実は……」とポツリポツリと身の上を話始めた。

 彼女が生まれたのは深い山奥の隠れ里。
 マリアの先祖が何を行い、人目を避ける隠れ里に住むようになったのか?
 彼女自身も、それはわからないという。
 人里離れた奥地で数十人が自然と共に生きる共同体だったそうだ。
 そこには、特殊な宗教が存在していたという話だ。

 自然の中で、文字通りに自然発生的に生まれたモノかもしれない。
 あるいは、俺の『異世界の知識』ですら残っていない、歴史から弾かれた宗教である可能性もある。
 とにかく、マリアはそこで巫女として生まれたそうだ。
 母も、祖母も、巫女として生まれ、長い修行を得て、巫女として死んだ。
 マリアもそうして生き、そして死ぬはずだった。

 しかし、村は何者かに襲われた。

 ある日、突然、なんら前振りもなく―――
 僅か数十人の集落に武装した集団が襲い、火を放つ。
 里の人達はマリアを助けるため、人の盾となり、身を焦がした。
 これ以降、マリアの記憶はないらしい。 
 どうやって自分は助かったのか? 気がつけば、山を下り、近くの集落で保護されていたらしい。
 里の人達は? 自分たちを襲った武装集団の正体は? 
 彼女はその真相を求めて、自身を鍛え上げた。 僅か13歳で『教会』の聖騎士団の入団を許されるまで―――

 「まぁ、教会から得られる情報を引き出せるだけ引き出して、脱走したんだけど」

 彼女は「アハハ」と笑った。
 俺は想像にすらできなかった彼女の壮絶な人生に「……」と無言で答えるしかなかった。

 「……」
 「……」

 暫く、沈黙の静寂が2人を包む。

 「それで……」
 「ん?」
 「里を襲った集団の正体はわかったのか?」

 彼女は首を横に振った。

 「でもね、『教会』が持ってる情報網のおかげで色々と掴めそうではいるんだ」

 彼女は笑いながら言った。
 彼女の目には爛々とした狂気の炎が宿って見える。
 俺は、そんな彼女の目に魅せられていた。

 変化が起こったのは次の瞬間だ。
 視線の端で文字が光る。

 (……これは! 共鳴している?)

 その文字は、俺が有しているユニークスキル『比類なき同族殺し』だ。

 (……なるほど。同族殺し……か)

 まるでオレを使えとスキルが意志を持っているかのような自己主張。
 そして、スキルの説明に一列の文が付け加えられた。
 それは―――

 『同族殺しを願う者に加護を与える』

 俺は、それを「ふん」と鼻で笑った。
 加護? 加護・・だって?まるで神のような言い方だな。
 だが、それが気に入った。中々、言葉通りにユニークってやつじゃないか。

 (しかし、それにしても……)

 俺はもう一度、マリアのステータスに目をやる。

 「これ、強くない?」

 ユニークスキルと通常スキルを合わせて3つ。身体能力向上効果が重複している。
 マリアの獲得魔法は3つ。どれも初級で最初に獲得する魔法なのだろうけど、魔法の威力強化が2つ重複している。
 相変わらず、スキルの効果説明は具体性を欠き、ふわふわとした説明だが……

 (そりゃ、ダンジョンをルンルン気分で歩き回るわけだ)

 俺は納得した。うんうんと1人で頷いていると―――

 「それじゃ、そろそろ……」とマリア。

 「そろそろ?あぁ、就寝の時間か?」

 しかし、マリアは頬を染めて「……バカ。約束したじゃない」と恥じらいながら言った。
 そして、こう続ける。

 「一緒にお風呂に入るってや・く・そ・く」
 「!?」

 もはや、動揺のレベルを超え、彼女の言葉が認識不能レベルまで陥っていた。
 しかし、この後―――
 魔物モンスターになった俺にとって、お風呂は地獄と同意語だと知る事になった。

 

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