-フォックス×フレンド-

ノベルバユーザー189431

フォックス×フレンド 第五話「夏休み狐.Ⅲ」

その日の夜―――

 →風息家
 「おーい、玖美。話があるんだけど」
 「何、燕兄。手短に言って……三十字で」
 「さすがに無理だわ。……夏休み入ったら、合宿する予定なんだけどさ」
 「……え、一人で?」
 「そんなわけないだろ!東御先輩が勝手に言い出したことなんだが」
 「なんで、燕兄が?」
 「……俺がいつの間にか報道部員になっていたから」
 「……その、東御さんと二人で?」
 「なんでお前の思考はそんなに極端なんだよ。……違げーよ。狐音と流弥、それから玖美と莉魅ちゃんも参加しないかって言われてるんだ」
 「あたしも、いいの?」
 「いいんじゃないか?多分断らないと思うぞ」
 「……やった(小声)」
 「ん?何か言ったか?」
 「べ、別にっ!燕兄もあたしが行ってあげるんだから、感謝しなさいよね!」
 「なんで俺が感謝しなきゃいけないんだ!?」
 「燕兄はあたしがいないと、何にも出来ないんだから……」
 「……くっ、言ってくれる……」
 「早く夕食作ってよ」
 「……まあいいや。何がいい?」
 「鯖の味噌煮」
 「渋っ!てか鯖は無いぞ」
 「じゃあ買ってきなさいよ」
 「兄をパシりに使うのか?」
 「早く行きなさい!買ってくるまで家にいれないからっ!」グイグイ
「おい押すな!くそっ、なんて理不尽n」
バタンッ


→藍陽家
 「りーみーっ、合宿行きたいか!?」
 「……え?どうしたの、お姉ちゃん」
 「だから、莉魅も合宿行きたいかって聞いてるの」
 「何の合宿なの?」
 「学校の。アタシが報道部に入ったからさー、部長がやろうって言い出したんだよ。海にも山にも行くらしいさねー」
 「……私もいいの?」
 「あったりまえよー、それに燕も来るんだよ?」
 「……っ!」
 「どうだい?行くかい?」
 「……行き、たい」
 「うん、素直でよろしい!というわけで母さん、連れていくね!」
 「あら、良いけど……燕くんも?懐かしいわねぇ。この前入院したって聞いたけど、大丈夫だったの?」
 「ああ、今はピンピンしてるってさ」
 「まあ、若いうちにたくさんいろんなことを経験したほうがいいわよね。燕くんと付き合ってるの?」
 「やだなぁ母さん、そんなわけないじゃんww それに、燕には好きな人がいるみたいだし」
 「……っ!お姉ちゃん、どういうこと……!?」
 「んー?莉魅も気になる?」
 「そ、そんなことは……っ///」
 「あらあら、莉魅ったら……相変わらず燕くんのことを想っているのねぇ」
 「もうっお母さん!!」
 「あははっ!こりゃ楽しくなりそうだ!」


―――梁琳学校・裏山山頂

 「……ふふっ、みぃつけた」

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