クラス転移キターっと思ったらクラス転生だったし転生を繰り返していたのでステータスがチートだった

名無しシャン

第59話「ダンジョン攻略」

 オークの上位種は倒したし、Aランクパーティも助けた。
 これでダンジョン攻略を本格的に始められる、そう思い階段から下に降りようとしたが、オークの死体をこのままにしておく訳にもいかないので、仕方なく上に上がることにする。
 1階層に上がると大量のオークの死体と、座りこんだり談笑などをしている冒険者達がいた。どうやらオーク達は全滅させれたようだ。
 また、葬式ムードの人がいないことから死者は出なかったのだろう。
 色々な人を見ていると、さっきのパーティリーダーとその婚約者、あと片腕がないが動いている男と、すごく慌てた様子の小さいめの男の人、そしてその集団から一歩離れた状態でパーティを見ている傷だらけの顔の怖いというより悪人面の男を見つける。
 そしてその集団は俺を見つけるとこちらに軽く走ってきた。

「ありがとう、ラントを連れ戻してくれて」
「さっき痛みからやっと解放されたが、これでまた娘に会える。ありがとな」
「いえいえ、パーティの救出が目的でしたので構いませんよ」
「大丈夫だったか? って、まぁ大丈夫だろうけど万が一とかがあったりするからね。で、無傷のように見えるけど、何かしらの固有スキルかなにかかな?」
「いや、攻撃を受けなかっただけですよ」
「そうなんだ、まぁレビュート家だしね」
「....レビュート家って聞いてたから、どんな奴かと思ったが、ただのガキじゃねぇか。お前みたいなのにあれが倒せる訳ないだろ。逃げてきたか?」

 ラントの婚約者と片腕の男はお礼を述べ、ラントは様子を気にしてくる。そして、悪人面の男は突っかかってくる。

「やめろ、シュー。あれ上位種から逃げれる訳がないのは、さっきまで戦ってたお前ならわかるだろ」
「しかしよぉ、なかなか剣が通らないような硬い筋肉、剣じゃ防ぎようもなく鎧すらも役に立たない大鎌、あの体格のくせに素早い動き、これらが揃った化け物をどうやったら倒せんだよ」

 上位種のオークの特徴を説明しつつ、倒せる訳がないと主張する悪人面。
 しかし、たかがオークの上位種だ。硬いと言っても姉さんみたいな耐性はないし、素早いと言っても親父みたいに分身するような速さでは動かない。

「すまないね、せっかく助けてくれたのに。ところでなん「大変だー、ギルドが!」」

 ラントが何か言いかけていたが、入り口から入ってきた男の声にかき消される。

「ギルドがどうかしたのか?」
「ギルドマスターに、ハンプの事とダンジョンの場所を伝えたんだ。すると、そこにいる戦力でなんとかなるって言われたんだ。ギルドは何を何を考えていんだよ。とりあえず、応援は望めなくなった」

 まだオーク達は来ていないと思っているのと、ギルマスから俺の事を聞いてないのか。

「どうするよ、Aランクパーティがいると言ってもここにいる戦力じゃ厳しすぎるだろ」
「その話なんだが、オーク達なんだが10分ぐらい前に来てたんだよ」
「ええ、どういう?」
「そのままの意味。で、オーク達は全滅させた」
「....規模が小さかったのか?」
「かなり大きかったですし、上位種までいましたね」
「それを全滅させたって事は、ラントはSランクになれるな」
「話は最後まで聞いてくれ。まず、Sランクにはなれそうにない。昇格条件を今の実力じゃ達成出来そうにないからね。オークの上位種の足止めすら満足に出来ないからな」
「え、でも、全滅したって」
「そこで活躍してのがこの人」

 と言いながらラントは俺を前に出す。

「この子供がどうしたんだよ。正直、伝達屋の俺でも勝てそうだぜ?」
「15です」
「はっきり言うが、僕は勝てない。というより、Aランク10人で束になっても無理に近いかもしれない」
「おいおい、冗談はやめてくれよ。Aランク10人って、数年前の帝国がレビュート家に戦争を挑んだ時ぐらいじゃないか。そん時は兵がかなりの数がいたが、それでも惨敗して帰って来たんだぜ」

 たしかに、少し強く奴らが数人いた気がするが、10人もいたかな?

「殺せた筈の敵兵を全て殺さない、というハンデみたいなものまでつけてだ。さらにはレビュート家の方は無傷だって聞いたし」
「えーっと、Aランク10人もいたんですか?」
「そうだ。まぁ、7割ぐらいは力試しの感覚で行ってたみたいだがな。で、帰ってきて2人程はSランクに上がったな。それで、レビュート家が異常なまでに強いのは分かるが、こいつにそれほどの実力があるのか?」
「あるね。というよりその張本人だね」
「ええ、こいつが」
「はい、そうです」
「そうか、強そうには見えないんだけどな。まぁいい、危機は去ったって事でいいんだな?」
「そうですね。それでですね、この話が終わったらダンジョン攻略に向かいますので下にあるオークの死体の回収をお願いします。それとですね、囲ってある壁は適当に壊して下さい」
「あっ、ちょっ」

 話終えると階段の方に向かっていく。背後から呼び止める声が聞こえるが、無視してそのまま階段を下りていく。
 2階層はオークの死体があるだけで、特に魔物はいない。なので3階層に直行する。
 3階層は2階層と同じで、正方形の階段があるエリア、その周りをぐるっと囲むようにドーナツ型の通路のようなものがある。
 そしてその通路にはゴブリンや、常に形を変え移動し続けているスライムがいる。有名RPGのスライムではなく、洗濯糊少なめで作ったスライムに近い。
 2種類しかおらず、数は少ないのでパーティで落ち着いて対処すれば初心者でも問題なく倒せるだろう。しかし1人では少し厳しいだろう。
 現在1人だが、余裕で突破出来る。魔物を討伐するのが目的なのではなく、ダンジョンの攻略が目的なのだから邪魔になるやつだけを殺していく。
 9階層まで全く同じ型の層だったので3階層と同じように突破して行った。
 10階層はボス部屋のような感じで、かなり大きく少し豪華な扉があり、それを開けると約20m四方の四角い部屋が広がっており、中には少し大きなスライムがいた。少し強くなったような気がするだけなので、問題なく突破。
 そして奥にある階段を下りて次の階層に向かう。
 11階層からは螺旋階段式となっており、そのところどころに12.13....階層となっている場所が広がっていて、そこに魔物がいる感じだ。種類は特に変わらないので10階層までと同じように進む。
 しばらく下りていると、螺旋階段を下りきり20階層のボス部屋の前にやってくる。
 前回のボス部屋と同じように開けて中を確認すると、目立つ3種類のゴブリンとノーマルなゴブリンが10体ほどいる。
 3種類の内訳は剣を持っている奴と、魔法の効率を上げるとかなんとかっていう杖を持っている奴、少し偉そうに訳の分からない言語で指示を出している奴だ。
 少し特殊な奴がいたとしても所詮はゴブリン、片っ端から刀で首を飛ばす。
 全て片付け終わると、よくわかない仕組みで床の一部が開き、階段が現れる。かなりの広さの階段で大人5人が並んでも通れる。

「そういえば、このダンジョンにはレベル上げで来てたんだっけ。魔物を殺すとそこから魔力が漏れて、それを吸収する事で経験値になるんだっけか。全く気にしてなかったけど、今ってどうなってるんだろ」
『ステータスオープン』

コメント

  • 名無しシャン

    出来ればでいいので、何話のってつけてもらっていいですか?
    探しはしますが、恐らく見つからずにそのまま流れてしまうかもしれないので

    0
  • 名無しシャン

    ご指摘ありがとうございます。

    0
  • 名無しシャン

    数の多い訂正箇所は少しづつ訂正していきます。

    0
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