クラス転移キターっと思ったらクラス転生だったし転生を繰り返していたのでステータスがチートだった
第56話「ダンジョン」
ギルドの扉を開け、少し先にある受け付けに向かう。
受け付けは4つあり、右から上位ランク、下位ランク、冒険者登録、依頼受け付けとなっている。
受け付けの上に書いてあったので、俺は冒険者登録の所に向かう。
自分の身長が平均より少し小さいからか、見慣れない奴だからか、チラチラと視線が刺さる。後者である事を願うが。
受け付けに着くと、170以上はありそうな女の人が立っていた。
「ようこそ、冒険者ギルドへ。こちらという事は登録という事でよろしいですか?」
「はい」
「それでは、こちらにお名前を。代筆が必要でしたらお申し出下さい」
「いえ、大丈夫です」
受け付けの人は受け付けカウンターの下から紙と筆記具を取り出し渡してくる。
名前を書く時、家名はどうしようかと思ったが、最低ランクはダンジョン攻略に参加出来ないなどの事があった時に、扱いだけでもっという希望から書いておく事にした。
「はい、これで」
「えーと、ルルシア・レビュ.....」
固まった。
5秒程で動き始めた。動き始めるまでがかなり速いのは、親父がたまに現れるからだろう。
「マスター!ギルドマスター!」
受け付けの人は何やら紙に書いたかと思うと、ギルドマスターと呼ばれる人を呼んだ。
「うるせぇ、うるせぇ。緊急か特例がない限り呼ぶなっつったろ。こちとら、ハゾメの旦那が新ダンジョンとかいう、面倒くさいもんもち込んでくれたおかげで、国への報告書やら攻略者やらなんやらで忙しいってのに。で、なんだ?」
受け付けの奥の扉から、雑に切られた赤髪、鍛えられた筋肉、少し強面だが接しやすそうな男の人が出てきた。身長は180前後で大体親父と同じぐらいだ。
「新人冒険者です」
「.......ほう、その為だけに呼んだのか?」
「普通の新人ならマスターなんて呼びませんよ!これですよ、これ」
そう言って、俺が書いた紙を見せる。
「なるほどな〜。ルルシア、ちょっと奥に来い」
俺はギルドマスターと呼ばれた男についていく。
受け付けを通って、奥に入ると向かって正面にかなり大きな机とその上を埋め尽くす紙の束が目に入る。壁には入ってきた扉を除いて3つの扉と、灯となるものがある。
また、机から数メートル離れたところには本棚らしきものがあり、まとめられた紙の束が置かれている。
「悪いが椅子はないからな、立って聞いてくれ。いくつか聞いておきたいんだが、冒険者登録しにきた目的は?」
「ダンジョン攻略する為です」
「ダンジョン攻略して、何か欲しいものでもあんのか?」
「いえ、学院の宿題で、何らかの手柄などを作って来いっていうのがあるからですね」
「お前の家なら、適当にやってもそれだけで出せるだろ。何でこれなんだ?」
「おや.....父から、訛ってるだろうから軽く1人で攻略して来いと」
「......なぁ、知ってるか?ダンジョンって1人でいくようなもんじゃないって」
「はい。しかし、父曰く、1人でできるようになっとけ、だそうです」
罠探知とか罠解除などのスキルがあれば楽なんだが、多くの冒険者は持っていない。何故なら、斥候役と呼ばれる人をつけて攻略に行くからだ。
「あの旦那ならいいかねんな。まぁ、いいや。で、ギルドの説明をするからな。まぁ、旦那に教えられてるだろうが」
説明の内容はラノベなどでよくある、依頼を受けて成功したら報酬があり、繰り返し成功するとランクが上がるし、失敗したら違約金が発生して繰り返し失敗するとランクが下がると言ったものだった。
後、ランクは上からS.A.B.C.D.E.Fだそうだが、一部の人間はSランク以上らしい。 SSとでもしとこうか。ギルドでもそう呼んでいるらしいし。
「でだ、ルルシア。お前、SSな」
「ちょっと予想はついてますけど、何故か聞いても?」
「それも予想ついてるだろ。レビュート家だからだ。で、SSランク限定なんだが、依頼失敗だと即除名だ」
なんでも、俺の親父の祖父が冒険者をしていた時に、失敗すれば高確率で死ぬような依頼ばかりをしていたらしく、子孫を鍛えるなら丁度いいからこの制度を作らしたのだとか。
「失敗したら除名程度ならいい方だな。高確率で死ぬような依頼ばかりなんだからな。たまに例外はあるがな」
昔に親父が邪神討伐に行っていたが、それが含まれるらしい。
そんな事を言いつつ、ギルマスは机の中から1枚の透明なプレートのようなもの取り出す。
「おし。これがSSランクのプレートだ。ギルドに来たら、これ持って俺の所に来い」
「わかりました。でも、こんだけの事なのにわざわざ中に入ったんです?」
「この中に入るってのは、普通の人間は諦めるレベルって事なんだ」
「何を諦めるです?」
「表向きは相手をライバルとした向上心で、本当のとこは嫉妬や貴族などからの干渉だな」
成る程。有能な冒険者程周りからの嫉妬を買いやすいし、貴族は手の内に入れたがる。
しかし、この中に入るって事は、普通の冒険者や余程の貴族以外は手を出しても無駄ですよ、っていうアピールになる訳か。
「さっきの扉が境界線になってる訳だ。誰が決めた訳でもないのに、暗黙の了解みたいになっているのだとか」
「それって、何気にこいつは一般人じゃないですよ宣言なんじゃ」
「そうだな、そういう認識だな。登録は完了したから、もうダンジョン行っていいぞ」
「あっ、そうですか。わかりました。それとギルドマスターの名前聞いていいですか?」
ギルドマスターじゃ、他のギルマスが集まったりしたらややこしいからな。
「そういえば、名乗って無かったな。ここのギルドマスターをやってる、フーラ・ハート。気軽にフーラとでも呼んでくれ」
「ギルドマスター相手にそんな事は」
「いい、いい。頑張ってもSランクまでしかなれなかったんだ、気ぃ使うな」
「そうですか。では、ありがとうございます」
一礼してから扉の方に向かう。
扉を開けて外に出ると視線が一気にこちらに向くが、あまり気にする事なくギルドの外に出る。
ダンジョンの場所はギルマスに聞いているのでわかっている。なので、ダンジョンへと王国を出て向かう。親父が言っていたようにかなり近く、走って10分程だった。
到着したダンジョンは、見つかってあまり時間が経っていないにも関わらず、入り口は整備され適当な露店が数件並んでいた。ダンジョン内での食料関係や、ナイフなどのちょっとした武器屋などだ。
また、パーティメンバーを募集している冒険者も目につく。
しばらく俺が周りを見ていると、ダンジョンから走って出てくる男に目が止まる。
男は息切らし、雨のように汗を垂れ流している事から、長い距離を全力疾走で走って来た事がわかる。また、よく見ると所々から血が流れている。魔物の攻撃を食らったのだろう。
男を観察していると、その男は叫んだ。
「20階でオークのハンプだ!」
男の叫びを聞いた途端、冒険者が入り口付近に集まっていき、露店商は店を畳んで乗って来たであろう馬車で逃げていく。
俺は冒険者の集まりの方によっていき、適当な人に話しかける。
「すいません、ハンプってなんの事ですか?」
「ん、あぁ。大量発生って事だ。20階でオークの大量発生が起こったんだ」
本来、魔物は階層を移動しない。しかし、何らかしらの理由で階層を移動する事がある。今回は数が増えた事が何らかしらの影響を与え、オーク達を移動させているのだろう。
また、冒険者は階層を移動するとき、降りる時は1階層ずつだが、登る時は一気に1階層に戻る。
しかし、魔物は登る時も降る時も1階層ずつらしい。実際に見た訳ではないからなんとも言えないが。
何故冒険者が集まって来たのか聞こうとしたが、この集団の中心から聞こえる声で聞くのをやめる。
どうやら1階層にて徐々に上がって来ているオークを、迎え討つという作戦会議だった。
やけに纏まりが早いと思ったら、中心で冒険者達をまとめているのが偶然攻略に来ていたAランク冒険者パーティのリーダーだかららしい。人望があるようでかなり信頼が置かれているように見える。
ある程度話し合いが済み、迎撃の形が纏まった。
女性冒険者はオークの数がかなり多いからか、不参加が許可された。オークが女性の敵だという事が分かった。
Cランク以上は前衛をDランク以下は後衛をする事になったが、B以上でないと1対1は許可されなかった。
「皆、危ないと思ったらしっかり退避してくれ。耐えさえすれば、援軍が来てくれるはずだ。だから、皆頑張ろう!」
士気を高めようとしているみたいだが、迫力がない。しかし、攻略を目指していた冒険者が多かったからか、現状かなりの冒険者が集まっている。これだけの数がいれば、っというちょっとした余裕から何気ないものでも士気が高まる。
一階層にオークが現れるまで....
予想時間残り数十分。
受け付けは4つあり、右から上位ランク、下位ランク、冒険者登録、依頼受け付けとなっている。
受け付けの上に書いてあったので、俺は冒険者登録の所に向かう。
自分の身長が平均より少し小さいからか、見慣れない奴だからか、チラチラと視線が刺さる。後者である事を願うが。
受け付けに着くと、170以上はありそうな女の人が立っていた。
「ようこそ、冒険者ギルドへ。こちらという事は登録という事でよろしいですか?」
「はい」
「それでは、こちらにお名前を。代筆が必要でしたらお申し出下さい」
「いえ、大丈夫です」
受け付けの人は受け付けカウンターの下から紙と筆記具を取り出し渡してくる。
名前を書く時、家名はどうしようかと思ったが、最低ランクはダンジョン攻略に参加出来ないなどの事があった時に、扱いだけでもっという希望から書いておく事にした。
「はい、これで」
「えーと、ルルシア・レビュ.....」
固まった。
5秒程で動き始めた。動き始めるまでがかなり速いのは、親父がたまに現れるからだろう。
「マスター!ギルドマスター!」
受け付けの人は何やら紙に書いたかと思うと、ギルドマスターと呼ばれる人を呼んだ。
「うるせぇ、うるせぇ。緊急か特例がない限り呼ぶなっつったろ。こちとら、ハゾメの旦那が新ダンジョンとかいう、面倒くさいもんもち込んでくれたおかげで、国への報告書やら攻略者やらなんやらで忙しいってのに。で、なんだ?」
受け付けの奥の扉から、雑に切られた赤髪、鍛えられた筋肉、少し強面だが接しやすそうな男の人が出てきた。身長は180前後で大体親父と同じぐらいだ。
「新人冒険者です」
「.......ほう、その為だけに呼んだのか?」
「普通の新人ならマスターなんて呼びませんよ!これですよ、これ」
そう言って、俺が書いた紙を見せる。
「なるほどな〜。ルルシア、ちょっと奥に来い」
俺はギルドマスターと呼ばれた男についていく。
受け付けを通って、奥に入ると向かって正面にかなり大きな机とその上を埋め尽くす紙の束が目に入る。壁には入ってきた扉を除いて3つの扉と、灯となるものがある。
また、机から数メートル離れたところには本棚らしきものがあり、まとめられた紙の束が置かれている。
「悪いが椅子はないからな、立って聞いてくれ。いくつか聞いておきたいんだが、冒険者登録しにきた目的は?」
「ダンジョン攻略する為です」
「ダンジョン攻略して、何か欲しいものでもあんのか?」
「いえ、学院の宿題で、何らかの手柄などを作って来いっていうのがあるからですね」
「お前の家なら、適当にやってもそれだけで出せるだろ。何でこれなんだ?」
「おや.....父から、訛ってるだろうから軽く1人で攻略して来いと」
「......なぁ、知ってるか?ダンジョンって1人でいくようなもんじゃないって」
「はい。しかし、父曰く、1人でできるようになっとけ、だそうです」
罠探知とか罠解除などのスキルがあれば楽なんだが、多くの冒険者は持っていない。何故なら、斥候役と呼ばれる人をつけて攻略に行くからだ。
「あの旦那ならいいかねんな。まぁ、いいや。で、ギルドの説明をするからな。まぁ、旦那に教えられてるだろうが」
説明の内容はラノベなどでよくある、依頼を受けて成功したら報酬があり、繰り返し成功するとランクが上がるし、失敗したら違約金が発生して繰り返し失敗するとランクが下がると言ったものだった。
後、ランクは上からS.A.B.C.D.E.Fだそうだが、一部の人間はSランク以上らしい。 SSとでもしとこうか。ギルドでもそう呼んでいるらしいし。
「でだ、ルルシア。お前、SSな」
「ちょっと予想はついてますけど、何故か聞いても?」
「それも予想ついてるだろ。レビュート家だからだ。で、SSランク限定なんだが、依頼失敗だと即除名だ」
なんでも、俺の親父の祖父が冒険者をしていた時に、失敗すれば高確率で死ぬような依頼ばかりをしていたらしく、子孫を鍛えるなら丁度いいからこの制度を作らしたのだとか。
「失敗したら除名程度ならいい方だな。高確率で死ぬような依頼ばかりなんだからな。たまに例外はあるがな」
昔に親父が邪神討伐に行っていたが、それが含まれるらしい。
そんな事を言いつつ、ギルマスは机の中から1枚の透明なプレートのようなもの取り出す。
「おし。これがSSランクのプレートだ。ギルドに来たら、これ持って俺の所に来い」
「わかりました。でも、こんだけの事なのにわざわざ中に入ったんです?」
「この中に入るってのは、普通の人間は諦めるレベルって事なんだ」
「何を諦めるです?」
「表向きは相手をライバルとした向上心で、本当のとこは嫉妬や貴族などからの干渉だな」
成る程。有能な冒険者程周りからの嫉妬を買いやすいし、貴族は手の内に入れたがる。
しかし、この中に入るって事は、普通の冒険者や余程の貴族以外は手を出しても無駄ですよ、っていうアピールになる訳か。
「さっきの扉が境界線になってる訳だ。誰が決めた訳でもないのに、暗黙の了解みたいになっているのだとか」
「それって、何気にこいつは一般人じゃないですよ宣言なんじゃ」
「そうだな、そういう認識だな。登録は完了したから、もうダンジョン行っていいぞ」
「あっ、そうですか。わかりました。それとギルドマスターの名前聞いていいですか?」
ギルドマスターじゃ、他のギルマスが集まったりしたらややこしいからな。
「そういえば、名乗って無かったな。ここのギルドマスターをやってる、フーラ・ハート。気軽にフーラとでも呼んでくれ」
「ギルドマスター相手にそんな事は」
「いい、いい。頑張ってもSランクまでしかなれなかったんだ、気ぃ使うな」
「そうですか。では、ありがとうございます」
一礼してから扉の方に向かう。
扉を開けて外に出ると視線が一気にこちらに向くが、あまり気にする事なくギルドの外に出る。
ダンジョンの場所はギルマスに聞いているのでわかっている。なので、ダンジョンへと王国を出て向かう。親父が言っていたようにかなり近く、走って10分程だった。
到着したダンジョンは、見つかってあまり時間が経っていないにも関わらず、入り口は整備され適当な露店が数件並んでいた。ダンジョン内での食料関係や、ナイフなどのちょっとした武器屋などだ。
また、パーティメンバーを募集している冒険者も目につく。
しばらく俺が周りを見ていると、ダンジョンから走って出てくる男に目が止まる。
男は息切らし、雨のように汗を垂れ流している事から、長い距離を全力疾走で走って来た事がわかる。また、よく見ると所々から血が流れている。魔物の攻撃を食らったのだろう。
男を観察していると、その男は叫んだ。
「20階でオークのハンプだ!」
男の叫びを聞いた途端、冒険者が入り口付近に集まっていき、露店商は店を畳んで乗って来たであろう馬車で逃げていく。
俺は冒険者の集まりの方によっていき、適当な人に話しかける。
「すいません、ハンプってなんの事ですか?」
「ん、あぁ。大量発生って事だ。20階でオークの大量発生が起こったんだ」
本来、魔物は階層を移動しない。しかし、何らかしらの理由で階層を移動する事がある。今回は数が増えた事が何らかしらの影響を与え、オーク達を移動させているのだろう。
また、冒険者は階層を移動するとき、降りる時は1階層ずつだが、登る時は一気に1階層に戻る。
しかし、魔物は登る時も降る時も1階層ずつらしい。実際に見た訳ではないからなんとも言えないが。
何故冒険者が集まって来たのか聞こうとしたが、この集団の中心から聞こえる声で聞くのをやめる。
どうやら1階層にて徐々に上がって来ているオークを、迎え討つという作戦会議だった。
やけに纏まりが早いと思ったら、中心で冒険者達をまとめているのが偶然攻略に来ていたAランク冒険者パーティのリーダーだかららしい。人望があるようでかなり信頼が置かれているように見える。
ある程度話し合いが済み、迎撃の形が纏まった。
女性冒険者はオークの数がかなり多いからか、不参加が許可された。オークが女性の敵だという事が分かった。
Cランク以上は前衛をDランク以下は後衛をする事になったが、B以上でないと1対1は許可されなかった。
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