クラス転移キターっと思ったらクラス転生だったし転生を繰り返していたのでステータスがチートだった

名無しシャン

第37話「セリア対アーリア・ルルシア」

 レビュート家が本気を出す。
 それは場に緊張感をもたらした。ガヤガヤと喋りながらクラス札を回収していた生徒は、静まり返る。そして、1人に対峙する2人の方を向き、声を発する事が出来ない状態で眺める。
 本来見ることのない、本気のレビュート家の戦い。この場にいる生徒だけが、見ることの出来る戦い。そして、レビュート家の実力を改めて確認する戦い。

 ルルとリアは、本気の姉に挑む。
 訓練の時と同じように戦うだけ、その考えは頭から即座に消える。2人は訓練の時に、姉が実力を合わせてくれていたという事を改めて確認する。戦うではなく、挑む。そう思わせる威圧感を周りの生徒は感じ取る。
 相手の出方を伺っていた2人に、セリアは声を掛け戦いは始まった。

「どうしたの? ルルとリアちゃんが来ないなら、私からいくよ?」
「リア、姉さんの手には触れるなよ。感情操作に0.1秒も掛からないからな」
「わかってる」

 自分からいくと言ったセリアは、消える。否、早く動いただけなのだが、生徒や先生などには消えたように見えるだろう。
 しかし、2人はしっかりと目で追って反応する。手でなければ感情操作は不可能だと知っているが、受け流しなどはしない。回避が出来るならば、回避の方が安全性が高い。
 2人にはセリアの攻撃は見えている。セリアがまず向かったのは、リアだった。攻撃の方法は、魔法による攻撃ではなく掌底や手刀といった、素手のものである。
 素手の方が固有スキルとの相性がいいというのもあるが、魔法で攻撃するより、素手による攻撃の方が速いというのが主な理由だ。魔法より速くに攻撃が出来る人間など、この世界で10人居るか居ないかぐらいの数しか居ない。
 リアの方にセリアが行っている間に、ルルはステータスを少し弄る。具体的には、ルルの固有スキルである『絶対凌駕』と『ステータスチェンジ』による、チートステータスの作成である。

 この数年間で知った事だが、まず『絶対凌駕』は倍になるが、それ以上にもそれ以下にもならないという事だ。だから、『ステータスチェンジ』で入れ替えても、相手の倍のステータスになるという事だ。その分デメリットも存在する。それは、物理・魔法の攻撃力と耐性が、身体強化で強化されないという事だ。丁度倍にしかならないようだからな。
 それと、『絶対凌駕』の反応する範囲は、大体半径5〜6m程だという事で、その範囲に新しく高いステータスが入ると、自動でステータスを更新してくれる事も分かった。
 次に『ステータスチェンジ』だが、これは制限が見つかっただけだった。その制限は時間関係が主だった。ステータスを入れ替えるのに、一つあたり10〜15秒かかる。ステータスを見続けないといけないようなので、使いどころを気をつけなければいけない。
 次に、入れ替わっている時間だ。これは、ステータス1つにつき1日2回の、丁度ど5分間だ。それを過ぎれば元のステータスに戻る。

 ステータスを入れ替え終わると、リアがセリアの攻撃を避けきりこちらに来る。セリアは、2人が揃った為少し距離を置く。

「やっぱり簡単には捕まらないわね。リアちゃん」
「かなり、必死。それと、障壁、邪魔」
「邪魔って言われても、消せないわね。それと、ルルは準備は終わった?」
「うん、終わったよ。というか、気づいてたんだ」
「まぁね。可愛い弟が準備してるんだから、待ってあげないとね。で、その準備が出来たみたいだし、全力でかかって来なさい」

 セリアの言葉が終わると同時に、ルルとリアは距離を詰める。その速さは、先程までの速度とは比べ物にならない。この速度だと、魔法より速い為、物理的に攻撃する事になる。剣で攻撃するにしても、この速度についてくる剣などほぼないだろう。その為、攻撃は素手での攻撃となる。
 ルルはセリアに向かって駆けていく最中に2回、何もない空間を殴っている。実際には、セリアの障壁があるのだが現状では、セリア以外だとルルとリアぐらいしか見えてないだろう。
 ルルとリアは、セリアとの距離をあと一歩という距離まで来たところで、全速力でセリアから数m離れる。周りから見れば、いつの間にか近づいたと思ったら、いつの間にかまた距離が空いているのだ。

「あらら、流石に気付いたかー」
「まぁね。しかし、気づくのが後少しおそかったら、危なかった」
「小型、小さい。けど、厚い」
「そうだね、改めて説明してあげる。私が出す障壁って枚数、じゃなくて、面積なんだよ。だから、小さくすると厚みを増やせるんだ」
「便利性高すぎだろ、そのスキル」
「そうなんだよ、すごい便利なんだ。で、一応言って置くけど、どの大きさでも、耐久は変わらないから」
「リア、どうしようか。あれだけ厚いとなると、数百枚は重なってるだろうな」
「セリア姉さん、一枚分の、面積なら、すぐ作れる。消せるのは、魔力的に、半分が、限界」
「そうか。なら、この作戦でいきたいんだけど」
「なに?」

 父さんと母さん達を除いて、恐らく俺たちにしか出来ないであろう作戦を、リアに伝える。

「作戦会議は終った〜? ルルはなんか時間がなさそうだし、速めに再開しようか」
「バレてるのか、仕方ないな。リア、早速やるぞ」
「了、解」

 ふたたび、ルルとリアはセリアに近づく。
 ルルは正面から、リアはセリアの右側から攻撃する形でだ。
 障壁は正面にしかないので、リアは必然的に自分で対応しなければならない。障壁を動かす事は可能だが、そうしないのは圧倒的な攻撃力を誇る、ルルが居るからだろう。
 セリアは、リアに対応しながらも、ルルの攻撃に障壁を動かし合わせている。こんなことが出来るのは、やはり規格外の実力を持って居るからなのだろう。
 しかし、2人を相手にしている為、そこまでしか気が回らなかった。その間に、攻撃をしながら魔法を発動させ、打ち上げて空中で留めている事など気づく筈もない。

 やがて、5分間の制限時間が過ぎ、入れ替えていた魔力量が本来の数に変わると、ルルとリアの2人はセリアから離れる。
 この5分間で、どれだけの魔法が打ち上げられたか。数えるのが嫌になる程だろう。

「どうしたの、ルルとリアちゃん。おしまいかな?」
「ああ、タイムリミットだ。姉さん、その障壁どうなってるんだ。壊しても壊しても、無くならないんだけど」
「そりゃそうでしょう。壊される度に作ってるんだから」
「まぁいいや。物理攻撃じゃ、姉さんに勝てる気がしないし、魔法で攻撃するよ」
「ルル、そういうのは言わない方がいいよ」
「そうなんだよ。でもまぁ、対策は取れないしいいか。それと、魔法名ぐらいは言わしてよ。『魔法マジックレイン

 ルルが言い切った直ぐに、一発のファイアボールが、セリアの横に落ちる。
 上を見上げると、次から次へと色々な属性ね色々な形が降ってくる。避けると、どれが当たるか分からない。セリアは、自分の上に1人分ぐらいの大きさで、作りだし展開する。

「悪いな、姉さん。俺たちの勝ちだ。リア、『相殺』」
「了解」

 相殺。
 セリアは何の事か分からないでいると、突如、自分の上にある障壁が、魔法に当たってもいないのに壊れる。即座に、次を作り出すが、また壊れる。
 そして、一発の魔法がセリアの肩に当たる。
 そこで、セリアは確証を得た。最初に話していた、回数制限付きのリアの固有スキルである事に。詳しい詳細を考えている時間がない為、ただ避け続ける。急所や気絶するような場所は、大きめに避け他のところがダメージを受ける。幸いだったのは、数と速さを求めた事もあり、威力がかなり低めになってしまった事だ。

 障壁が作れても、リアの固有スキルで壊されるので、使えない。だから、避け続けるしかない。
 しかし、避け続けるにも限界というものはやってくる。
 避けた魔法が足にあたり、バランスが崩れる。そこに、タイミングを見計らったように、魔法が降ってくる。

 そして、魔法が当たりセリアは気絶した。こうして、レビュート家同士の戦いは幕を閉じた。


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