異世界でみんなの飯テロ保護してます!

雪見だいふく

その未使用コンドームは俺のじゃねぇ!!

 ……俺は縄で壁の柱に括りつけられている。
 何故かって?
 不慮の事故でコンドームがポケットから出てしまったからだ。
 別に。あの場にいた女子三人のを奪おうとした訳では無いのに。
 俺、可哀想。
 大丈夫だよ。一。理不尽なことは今までにいっぱいあったじゃない。

「離せー! 理不尽だー!! 俺のポケットの紙を見てくれれば分かる! だからー!」

 股間の痛さが少し気になるが全力で叫ぶ。

「うるさいですね。姓に溺れたエロ猿が」
「だから、違うつってんだろ!」
「……なら、話を聞いてあげようよ。ね?」

 サン・チュがそう言い、場を収めてくれる。
 ありがとう! 神様。仏様。サン・チュ様ー!

「そう言うなら……」
「あれは! 不慮の事故だったんです。時はアンタらがトイレに行った時へ遡ります……」

 そして、俺は全ての事情を話した。

「そんな上手い話あるのかなー!」

 陽葵さん。余計なことを言わないでくれ。

「確かに、それは信憑性が無いと言えますね。では……」

 何で。刀だしてんのぉ!? どゆこと?! 意味わかんない!
 俺の肉棒を切り裂く気なら、お前の爆弾を握らせろー! これで平等だ!
 いや、俺の肉棒安っ!

「あ、そうだ。その紙があるんだよね?」
「あるよ」
「なら、出してみてよ」
「おお! 天才! でも、ロープで縛られてるから出せない」
「なら、私が出してあげるよ。どこ?」
「ズボンの前ポケット」

 いや、待てよ。
 このロープは不幸中の幸いだったのかもしれない。
 前ポケットから取り出す。つまり……。ぐへへー! 俺は男子中学生なんだから、これくらい考えても当然だよなぁ!
 サン・チュが俺の前に座り、手を伸ばす。
 そして、俺のポケットに手を入れた。

「んっ……どこぉ」
「……何か卑猥ですね」

 ちっ。エミリーめ。余計なことを言いやがって。羞恥心で倒してやる。

「少し欲情し過ぎなんじゃないか?」
「カァーッ……。そんな事ありません!」

 彼女の顔は耳の先まで真っ赤になっていた。
 これはこれで楽しっ!
 そして、俺のポケットから大量の紙くずが出てきた。

「これじゃあ、なんて書いてあるか分かんないねー」
「本当ですね。購入時のレシートでは……」
「違います! どうにかして確認してくださいよー!」
「あっ!」

 サン・チュは何かを思いついたのか突然大きな声を出す。

「こうすればいいんだ! ……とりゃ!」

 すると、地面に置いてあった紙は魔方陣に囲まれみるみると繋がっていく。
 回復系スキルすげー……。
 そして、紙は元に戻った。

「ありがと! それを読んでくれれば分かる!」

 数秒後……。
 俺のロープはすぐに解かれた。

「……ごめんなさい」

 三人は俺に頭を下げて誤ってきた。
 正直、俺が虐められたのはエミリーだけな気がするけど、まぁいい。

「その……。私は勝手に卑猥なことを考えて……その、あなたを蹴ったり暴言を吐いて、ご、ごめんなさい……」
「別にいいよ」
「ありがとう……ございます」

 こうして、コンドーム事件は丸く収まった。
 そして、出された飯を食べたり部屋に設置されている大きな風呂に入ったり、俺らは幸せな空間で一日を過ごした。

「おやすみなさい」

 これは後から聞いた話なのだが、海人は寝込みを襲ってくる女王様の相手やら色々と大変だったそうだ。
 あー。悲惨だな!
 そして、次の日。

「おはよ」
「うん! おはよー」

 俺は寝ているエミリーとサン・チュを起こさないように、陽葵さんとこれからどうするかについて話していた。

「今日、すぐに女王様探しでもしますか?」
「うーん。悩むねー。のんびりしたいってのもあるんだけど、私達何気に防衛軍を相手にしちゃったからねー。命を狙われたり、囚われたりしてもおかしくないんだよねー」
「分かります。それ。今更になって思ったんですけど、結構やばい気がしますよね」
「まぁ、止まっててもしょうがないからさ。女王様とやらを探しに行く事にするかー……」
「そうですね。頑張りましょう!」

 この後、二人は起き飯を食べた後に街へ出た。

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身) 魚との会話 危機察知

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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