異世界でみんなの飯テロ保護してます!

雪見だいふく

告…………られた!?

 ……どうする? 敵が確実に攻めてきているのに、何も出来ないなんて……!
 でも、考えてる暇なんてない。と、とりあえず、『焦がし焼きマスター』で、牽制でもするか……。

 そして、影から、数人いる中の一人にスキルを放つ。

「熱っ!」

 相手のつま先に、どうやら当たったようだ。

「ど、どこにいんだ! 出てこい!」

 おっぱおビームが全力で撃てれば、こんなモブ一瞬なのに……。

「おい。あそこに人影が見えないか?」

 どんどんと、俺の所に近づいてくる。
 俺は先に身体強化スキルを使用しておく。

「おい! いたぞ!」
「バレたら、しょうがないな……! っと」

 物陰から、一気にバイクで突っ込む。

「おい! 女だぜ!」
「女か!? ぐへへへぇー!」

 視線きもっ! 女子の感じる視線って、色々キツいな!
 俺を囲むようにしたのは、男五人組だった。

 ほ、他の奴らは、どっちに行ったんだよ……。あー、もー! 任せたぜ。

 それより……。このキモいヤツらをぼっこぼこにしてやらねぇとな。

「何だ! その睨む目は!」

「「「「そうだ! そうだ!」」」」

 息合いすぎ。この集団やべぇな。

「ん? 俺達の名を聞きたいと言ったか?」
「言ってません」
「そうかそうか。なら、名乗ってやろう!」

「『非』非道な仕打ちを受け続け。残ったのはただの怨念、非モテの未来!」
「『リ』リンスを使ったが……。そもそも髪がなかった! 案の定、待っていたのは、非モテの未来!」
「『ア』油ギッシュ! こんな体型、もう嫌だ! 俺もやっぱり、非モテの未来!」
「『軍』童貞率いて、群をなす。だが、集まったのは、告る勇気も無いヤツら! 結局、俺にも非モテの未来!」
「『団』非リア軍団の団長! ハゲ! メガネ! デブ! の三拍子! おっさん? 十五だわ。ボケぇ! こんな俺は、やはり、非モテの未来!」

『五人合わせて! 非リア軍団!』

 ……の、割には五人。
 結構、複雑な思いだぞ? 俺は。こいつら、ここまで言い切れるなら、逆にかっこいいと思うぞ?

「す、凄いですね。逆に『かっこいい』です」

「「「「「うっしゃぁぁぁああ! うりうりぃ! ドゥフフフフ!! うへへぇ!」」」」」

 ・・・俺、ここまでいってなくて良かった。

「「「「「じゃあ! 誰を選ぶんですか?!」」」」」

 と、集団行動のように、左から綺麗に頭を下げ、左手を上げる。
 何、この人達。食べ物の恨みじゃなくて、容姿の恨みを晴らしに行った方がいいんじゃないの?
 ていうか、今は女性ってことを考えて、発言すれば良かった。非モテの男なんて、かっこいいって言われただけで、興奮するってことは、身に染みて、分かっていただろ!

「ごめんなさい! 選べません!」

「「「「「そ、それはつまり!?」」」」」

「違います。誰も選びたくないです。に訂正しますね」

「「「「「ぐぬぬぬぬぬ。イケメンだろ? イケメンだろ? あぁん!?」」」」」

 急に絡みづらい、ヤンキーみたいになったな。まぁ、最初、絡みにいったのは俺なんだけど。

「あ、違います。美少女です」

「「「「「……これは、これでなかなか。ぐへへへへへ」」」」」

 あ、そうか。百合っ子だと、思われるのか。まぁ、いいや。

「で……何ですか。女を男一人で囲むって、恥ずかしくないんですか? かっこ悪いですよ?」

「「「「「こ、こ、これは、気分で並んでただけだしぃ?! あんたと戦う時は一体一で戦うしぃ!?」」」」」

 ちょろい。こいつら。

「あ、そう? なら、いいけど。じゃあ、早速、戦おうか!」
「か弱い女の子を虐めるのは、性にあわないがな……」

 真ん中にある、少しの髪がなびく。この男はリンスの話をしていたやつだ。

「じゃあ、戦う場所はここでいいかな?」
「構わないぜ」

 縦への道は続いているが、横幅は商店街だけ、あって、そこまで無い。

 だが、俺には作戦がある。
 さっきは、横から見ていたので、安易にビームは撃てなかった。だが、縦で打ってしまえば、後ろのハゲやデブを、諸共吹き飛ばしてしまえるのでは無いだろうか。
 そもそも、決闘なんてしないで、奇襲を付けば良かったのではないか? と、思ったかもしれないが、それは何かとリスクがある。
 敵が、強かった場合。俺は一人じゃ、とても太刀打ちできない。
 だから、敵の情報を知りたかった。
 けど、こいつらの小並感を見て、確信した。

 ……ただの雑魚だ。

 と。
 どんな、理由で食べ物を攻めているのかは、分からないが、馬鹿らしいことは、さっさと辞めてほしい。
 それだけだ。

「じゃあ、早速、攻めさせてもらうよ!」

 俺は男達の前だが、構わずにパーカーを少し開く。

「おつぱおビーム!!」

 ……当たった! 手応えは確実にある。ただの雑魚だろう。

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身) 魚との会話 危機察知

つまようじ回避マン

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