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雪見だいふく

フルパワー

 ……力が胸に吸収されている。
 凄い力を感じられる。

「くらえっ……! いつもの数倍以上の力っ!」

 俺が叫ぶと、兵士達は身構える。

「スキル! 『フルパワー・おっぱおビームっ!!』」

 胸からビームが発射される。が、いつもとは桁違いに違う。
 大きさ、威力、速さが異常だ。
 大きさはビームというより球体の方が近い。細いわけではなく爆発物がそのまま突っ込んでいく感じだ。
 威力は地面を這って飛んでいったのか、下が少し剥げるくらいだ。かなり強い。
 速さは気がついた時には後ろの壁に届き、爆発していたので、目に見えない。が正しいだろう。

「おお……!」
「下品だけど凄いな!!」
「よぉし!! 行くぞ!」

 俺の後ろにいた数人が一気に走り始める。
 が、さっきとは違い、甘くなかった。

 気がつくと、前方は煙に包まれてしまっていた。
 爆発だ。『地雷』と、いっても訳が違う。威力が並じゃない。音風が吹くぐらいなのだかは。
 怖気付いて、後ろに引き、身構える人が多くいた。
 だが、俺達も弱くはなかった。
 煙が一気に振り払われる。

「全然っ、余裕だぞー!」

 さっき突っ込んでいた男たちだ。つまり、このチート級の軍事兵器も俺達の手にかかれば余裕って事か?

「ふはははー! 今ので死んだかぁ!!」

 スピーカー越しに声が聞こえてくるが、気にする必要は無い。雑魚が吠えてるだけだ。

「全然っ! 余裕なんですけどー! ぷぷっ」

 と、団長が鼻で笑う。

「何っ……!? 何故、生きている!」
「お前らが弱いから」
「むむむむっ! 怒らせたな」
「……まぁ、いい! 犬の遠吠えだ。全員突撃!!」

 俺にも爆発。弾丸。色々なものが飛んできたが痛くない。
 この勝負……陽葵さんみたいなチート持ちのような人がいない限り、絶対に勝ちだな……。
 俺達はどんどん進軍する。この短時間で昨日、歩いたところの半分くらいまで辿り着いていた。
 あっさりしすぎて、手応えが無いくらいだ。諦めたのか逃げる兵士もいたくらいだ。

「ぐぬぬぬ……ここまで来てしまったか。なら、今度こそ本気を!!」
「ふははは! 倒せるものなら倒してみろ!」
「……お願いします。頼みますよ!!」
「所詮は他人任せの雑魚ってことか……」
「戯言を言っていられるのも今のうちだ!!」

 すると、かなり高い屋根の上から、沢山の人が降りてくる。
 その人数は数十人くらいしかいなかったが、敵察知スキルが凄く反応している。
 さっき、立ててしまったフラグを見事に回収してしまったのだろうか。

「ここからは私が軍を指揮する」

 すると、姿は見えないが聞き覚えのある男の声がする。
 聞いたことはあるけど……誰だ?

「誰が来たって同じなんだよ!」
「その通りだぜ!! おい! いくぞ!」

 先頭にいた、男数人が一気に突っ込んでいく。

「愚かだ……。配置に付け!」

 その声と同時に大きな盾……。いや、コンニャクを持った男達が前方に出る。
 あんなコンニャクが大盾のように機能するのだろうか……。

「その程度じゃ、俺達は止められないぜ!」

 すると、コンニャクを持っていた男一人が後ろに飛ばされる。
 やっぱり無理だよなぁ……。

「時間は稼いだ! 今だ! 打て!」

 すると、後方にいた何人かがこちらに手を向けて出しているのが分かった。
 遠距離系のスキルでも、受けられるんだよなぁ。そう思いつつも念の為に身構えるが、前からは何も飛んでこなかった。
 いや、正確にはそよ風程度の風が少しだけ体に当たっただけ。だが、体が一瞬、重くなったようにも感じた。

「その程度で何しようってんだ……!」

 さっきと剣を同じように降っていたが、明らかに、さっきより速度が落ちている。
 それを相手は軽々とコンニャクで弾き返す。斬りかかった、男が逆に後ろに飛ばされる始末だった。

「お前……何をした!」
「お前らは力を増加していた。それを無かったことにしただけだ」
「ご丁寧にありがとうございますー。そうだな……。なら、私がスキルを使い続ける。だから、遠慮なく突っ込んでくれ!」

 こちらは一気に突っ込んでいく、俺さえ、上手く守ってくれれば必殺技で全てを薙ぎ払えるのだが……。
 一斉に突っ込むが相手はコンニャク集団が粘り、力を失くした隙に一人ずつ倒しにくる。
 こちらは地道に人数が減っていく……。混戦していて、これではキリがない。
 やっぱり策を考えた方がいいんじゃないか?
 攻めても仕方が無いと思った、俺やサン・チュ、エミリーはその場に留まっていた。

「な、なぁ、これ突っ込んでも無駄じゃないか?」
「そう……だな」
「いや、ちょっと待て。エミリー、お前は突っ込むべきだ。力を元に戻されたところで強いんだから」
「わ、分かった。私が先陣を切るぞ」

 そう言うと、エミリーさんは突っ込んでいった。

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身) 魚との会話 危機察知

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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