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雪見だいふく

不思議

 ……?
 サン・チュが紹介しようとした店は存在していなかった……と、いうよりぶっ壊されていたのだ。
 俺達は歓談を楽しみ店まで向かった。
 どんな店かを聞くと少しだけ……いや、かなりワクワクしていた。
 だが、実際はどうだろう。
 そこ……いや周辺は瓦礫の山くずみたいになっていたのだ。

「……本当にここなのか?」
「そのはずだけど……」
「私が見た感じだとスラム街……いや、それより全然酷いんですが……」

 確かに酷い。
 気になり辺りを見渡すと、昨日、見たことのある看板が倒れている。
 つまり、サン・チュの言っている周辺で恐らく間違いは無いのだろう。
 その看板の隣に木で出来た扉が落ちていた。
 それには張り紙が貼ってあり、何かが書いてあった。
 俺は気になり、その貼り紙を手に取る。

 そこには、こう書かれていた……。

『明日、閉店します』

 ……?

 不思議だ。ここは何かがおかしい。
 昨日までは、ここも人が活発に活動していたはずだ。
 それが、どうして急に閉店になるんだ。
 俺は、その不思議な事を二人に伝え、周り一面を確認三人で確認すると、ほとんどの店に同じような貼り紙が貼られていた。

「どういうことだ……?」

 侵略軍の仕業なら、こっそりと攻めて、勝手に侵略するはずだ。
 これはおかしいのだ。

『ここら辺だけが、攻められることを分かっていたかのような貼り紙を貼っていたのだ』

「わ、分かりません」
「こっそり調べたいけど手立てがないし……それに女王様も探さないとなんだよね」

 その通りだ。
 そして、俺もう一つ不思議なことに気づく。

「なぁ……俺が心理的に避けていただけなのかもしれないけどさ。『人がまるっきりいなくなっていないか?』」

 何か変だとは思っていたが思いたくなかったのだろう。
 ここまでの有様にされているのに人が誰一人として倒れていない。

「た……確かに」
「お、おかしいですね」

 人はどこに行ってしまったんだ?

「と、とりあえず情報を整理しようぜ……」

 簡単にまとめるとこうだ。

 昨日、女王様探しをしていた時には活発だった街が突然、荒地になり人がまるっきりいなくなっていた。と、いう事だ。

「……これからどうするの? 女王様探しと事件。どっちを優先する……?」

 んー……。どっちも早く解決しなくてはいけない話だ。
 選ぶことは出来ない。
 確か、今日は情報を集めていくって話だったはずだ。なら、両立させてもいいんじゃないか?

「情報を聞く時にまとめて聞こう」
「あ、確かに、それならどっちも出来るね」
「よしっ……。早速だけど、どこから聞きに行くよ」
「私は街中がいいと思いますね」

 現位置は街中から少しだけ離れた商店街だ。
 確かに街中の方が良い情報が得られるかもしれない。

「そうだな。街中にとりあえず行くか」

 俺達は、その荒地と化した場所を後にし街中へ向かう。
 道中、美味しそうな店も沢山あったが気持ち悪い光景を見たせいか食欲は完全に失せていた。
 早く、どうにかしたいものだ。

「ふぅ……大体、ここ辺りで聞きますかね」

 目の前には大きな城のようなものもあり、施設も安定している。
 周りに比べてかなり都会の場所なのではないだろうか。

「そうだね」

 街中では明るい声が多くの場所で上げられており、いきいきとしている。

「来て早々だけど聞いてみるか? こういうのは一人で聞いた方がいいと思うし別行動をしよう」
「そうですね」
「じゃあ、ここに一時間後に集合で」

 と、近くにあった時計台を指さす。

「それじゃ、また後で」

 そう伝えると人があまりいないところへ向かう。
 あまり人が多いところに行っても話を聞いてもらえなそうだしな。

「すみませんー……」

 俺は、まずベンチに座っていた頭が坊主で凄く面白い格好をしている若い人に話しかける。
 税抜き十円で変えるお菓子のお兄ちゃんにどことなく似ていた。

「何なのだー?」

 凄く馬鹿っぽい話し方だ。

「あのですね……」

 と、話し始める。

「これを買っていかないかー?」

 話が噛み合わない。
 とても話しづらい感じだ。

「聞きたいことがありまして。赤い服の……」
「たこやき味なのかー? これでいいんだなー?」

 どうやら聞く相手を間違えたようだ。
 だが、自分から話しかけたので「もういいです」とは言いづらい。

「あ、あの、えーっと……」

 戸惑いしどろもどろになってしまう。

「こーら。お兄ちゃん。お客さん困ってるじゃない」

 奥から物凄い美少女がやってきた。
 銀髪ロングで赤い目をパッチリ開かせていて、変わった帽子を被っていた。

「そうなのかー? お客さん。ゴメンなのだー」

 どうやら無意識だったようで悪気はなさそうだ。

「いえ、大丈夫ですよ」
「すみません。うちの兄が……何か聞きたいことがあったんですよね? 私でよければ聞きましょうか?」

 天使だ……。俺はこの子に聞くことにした。

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身) 魚との会話 危機察知

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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